ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年4月25日。ウクライナ侵攻から426日目。ラドニツァ

2023-04-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年4月25日。
 今日は正教徒にとってのラドニツァの日です。日本で言うところのお彼岸で、墓参りをします。


 ウクライナ人の子どもがロシアに連れ去られ、ロシア人の養子にさせられたとして人権問題、さらにロシア大統領への逮捕状が出ていますが、ベラルーシでは、ドンバス地域やザポリージャ州のウクライナ人の子どもたちがベラルーシのリハビリセンターを訪れています。
 団体での訪問はこれが今年で2回目。前回まではドンバス地域から来ていましたが、ザポリージャ州から来るのは初めてです。
 自分の住んでいるところが戦場になり、心身ともに疲労している350人の子どもたちが、ベラルーシの保養所でゆっくり休息する国家プロジェクトです。
 またそれとは別に小さいグループもベラルーシに到着しました。18人の子どものうち11人が身体障碍者。今回の戦争のため障碍者になってしまった子どもも含まれます。
 と、このようにベラルーシでは子どものためのケアが手厚くされているし、また上手なんですよね。今までドンバス地方からベラルーシの心身リハビリプログラムに参加した子どもは総計1000人以上。もちろんプログラムが終了したら、親元に帰されたし、誰もベラルーシ人の養子などになっていません。
 こういう良心的なプログラムだと思い込んで、ロシアでのサマーキャンプに子どもを送り出したウクライナ人の親もたくさんいたと思います。
 ところが、夏休みが終わっても、半年たっても子どもを家に帰さず、勝手に別の場所へ連れて行ったり、養子にしたり、子どもが傷つく嘘(ウクライナの両親はもう待っていないのだ・・・等など)を言って騙そうとするロシア人。批判されて当然ですね。
 外国のサマーキャンプなどに子どもを行かせた親も悪いと批判する日本人もいると思いますが、従来のサマーキャンプは良心的・友好的なものです。ところがそこをうまくロシアが利用したと思います。
 
 
 23歳のカザフ人男性が、ロシアのトムスクに留学していたのですが、自らの意思でワグネルに加わるためウクライナに来たと話す動画がテレグラムに投稿されました。これを受けて、カザフ外務省の報道官は「戦闘にロマンなど一切ない」「これはわれわれの戦争ではない」と自国の若者が戦闘に参加しないよう訴えました。
 カザフ人がワグネルなどに参加することは違法であり、違反した場合カザフスタンの法律では「5年以上9年以下の禁錮刑」の対象となると警告。動画の男性についても、帰国すれば訴追されるとしています。
 逆にカザフスタンは動員逃れで脱出してきたロシア人を受け入れているという皮肉。
 ロシア軍とワグネルは人的損失を穴埋めするため、困窮した中央アジアからの移民を高い報酬を提示して勧誘しています。上記の男性も「自らの意思で」と強調していますが、報酬目当てというのが本音なのかもしれません。
 カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンからの報道によると、各国でそれぞれ数十人がウクライナでの戦闘に参加しすでに死亡しています。


 テニスのウィンブルドン選手権を主催するオールイングランド・クラブは今日、ウクライナに侵攻するロシアと同盟国ベラルーシの選手に関し、「中立」の個人資格で参加し、侵攻を支持する発言をしないことなどに同意する宣言書に既に数人が署名したと明らかにしました。これが最良の方法なのかどうか分かりません。
 
 ロシア選手のビタリア・ディアチェンコが、ポーランド国営の航空会社LOTポーランド航空からフライトを拒否され、カイロで搭乗できず、その後にドイツ航空大手ルフトハンザからも航空チケット販売を拒否されたと24日に明かしていましたが25日、ポーランド航空はそれを認めました。
 ディアチェンコは「空港で眠り、(国籍のせいで)三等市民のように扱われ、数千ユーロの出費になった」とコメント。ワルシャワとニースを経由してコルシカ島で開催される大会に出場する予定でした。
 空港で寝ている人は三等市民なんですね。
 LOTポーランド航空は声明で、自国政府の規制に従ったとし、
「(欧州各国の出入国審査を撤廃する)シェンゲン協定の圏外から旅行するロシア市民に関し、特定の国境横断が制限されている」と説明しました。ルフトハンザは声明を出していません。


スウェーデン外務省は今日、外交官にふさわしくない活動を行ったとして、ロシアの外交官5人を国外への追放処分にすると明らかにしました。