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新潮文庫で、箒木蓬生著『悲素』(上巻)を読みました。1998年に起こった和歌山毒カレー事件を題材とした小説で、名前こそ変えてありますが、事件の流れや背景はそのままですので、ごく自然に理解できます。
主人公は、九州大学医学部の衛生学教室の教授。1998年夏の和歌山毒カレー事件で、カレーから青酸を検出したという報道に、「違う」と違和感を持つところから始まります。青酸すなわちシアン化合物ならば、もっと急性で激烈な毒作用を示すはず。そうこうするうちに、和歌山県警から協力の依頼が入ります。使われた毒がヒ素であるとも。捜査への協力は、被害者である患者の診察からでした。そして、事件の背後には、カレー事件以前に別の犠牲者が存在するらしいことが判明します。真相が明らかになることはないと確信する恐るべき毒殺魔に対して、医学が真実を明らかにすることができるのか。
○
これは小説であると思いながら、当時抱いていた疑問が解き明かされることに納得しつつ、その結果さらに暗澹たる思いに至るような、なんとも不思議な読後感です。実に下巻が待ちきれない、一気読みです。
主人公は、九州大学医学部の衛生学教室の教授。1998年夏の和歌山毒カレー事件で、カレーから青酸を検出したという報道に、「違う」と違和感を持つところから始まります。青酸すなわちシアン化合物ならば、もっと急性で激烈な毒作用を示すはず。そうこうするうちに、和歌山県警から協力の依頼が入ります。使われた毒がヒ素であるとも。捜査への協力は、被害者である患者の診察からでした。そして、事件の背後には、カレー事件以前に別の犠牲者が存在するらしいことが判明します。真相が明らかになることはないと確信する恐るべき毒殺魔に対して、医学が真実を明らかにすることができるのか。
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これは小説であると思いながら、当時抱いていた疑問が解き明かされることに納得しつつ、その結果さらに暗澹たる思いに至るような、なんとも不思議な読後感です。実に下巻が待ちきれない、一気読みです。
「悲素」って何ですのん?
そういう象徴をしている小説ですか?
何ヶ月か前、テレビでこの事件を詳しくとりあげた番組を見ました。息子さんが出ていたような・・・少しは事件がクリアになった印象でした。
関係ないけど、この日は私の誕生日なんですよね・・調べたら1998年は土曜日だった。確か、仕事帰り駅で待ち合わせて家族で天神祭に行ったと思います。直後の職場がらみの夏祭りでは、屋台全てにビニールシートをかけたため、ほぼ脱水状態になりましたね。翌年からは、後ろのビニールがなくなって、水分摂取各自とるようになりましたが(夕方~夜にかけて紙コップ25杯飲んでもトイレには行かない状態でした。)すみません、どうでもいいこと長々書きました。
>「悲素」って何ですのん?
たぶん、As のことですよ。元素名の「ヒ素」と「悲惨な事件の元」となったという意味で、こういう題名にしたのではないかと思います。
おや、この日は誕生日でしたか。天神祭の頃は、関西地方はさぞや暑いのでしょうね。当地は梅雨がようやく明けたかという時期です。あれから20年、早いものです。
下巻も読み終えました。なかなか読み応えがありました!