電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドホナーニ「弦楽三重奏のためのセレナード」ハ長調Op.10はこんな曲

2021年08月15日 06時00分10秒 | -室内楽
先日の山形弦楽四重奏団第80回定期演奏会で、ドホナーニの「弦楽三重奏のためのセレナード、ハ長調、作品10」という曲を知りました。このときに調べたこと等を記事にしましたが、こんな内容でした。

エルンスト・フォン・ドホナーニは、19世紀末から20世紀後半に活動したハンガリー系の作曲家・ピアニストで、第二次大戦中にアメリカに亡命し、教育者として過ごした人だそうで、ジョージ・セルの後にクリーヴランド管を振った指揮者のクリストフ・フォン・ドホナーニの祖父にあたるようです。教え子の中には、ゲオルグ・ショルティだとかピアニストのゲザ・アンダ、アニー・フィッシャーなどがいるようです。当日のプログラム解説によれば、経歴の面でも好みの面でもブラームスの影響を強く受けているようで、コダーイやバルトークなどと同時代の人らしくハンガリー音楽を取り入れたりもしているようです。
今回のこの曲はぜんぶで5つの楽章からなり、かなり充実した作品です。第1楽章:アレグロ、ボッケリーニの後で聴くとずっと現代に近いと感じる、なかなかカッコイイ曲です。第2楽章:アダージョ・ノン・トロッポ、クワジ・アンダンテ。VnとVcのピツィカートの間、ヴィオラが風変わりな旋律を奏します。やがて三つの楽器が勢いづきますが、穏やかに静かに終わります。第3楽章:ヴァイオリンの速くせわしない動きに始まるスケルツォ、諧謔的な味も濃厚。第4楽章:Tema con variazioni(主題と変奏)、アンダンテ・コン・モト。暗めの緩徐楽章。第5楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。それぞれの奏者が活発に腕前を披露して終わるようなフィナーレ。なかなか渋い、いい曲を知る、良い機会となりました。

一度だけ耳にしてあとは終わりというのはもったいない音楽と感じましたので、現代風にネットで探してみました。あるものですね〜。お線香のにおいがただよう田舎家で聴くにはいささか違和感があるのかもしれませんが、最近は古民家を改装したレトロモダンなカフェが流行しているご時世ですから、お盆にドホナーニの室内楽というのもよろしかろうと思います(^o^)/

Serenade, Op.10, in C Major by Erno Dohnányi (1877-1960) 2014 FF FC 2


こうして記事にしておくと、あとで聴き直したいけれど正確な曲名がわからず検索できないときに便利です。

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