電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形弦楽四重奏団第79回定期演奏会で清瀬保二、モーツァルトを聴く

2021年04月24日 06時01分34秒 | -室内楽
早朝4時起きして4時間ほどかけてサクランボの開花期の防除を実施した後に、野菜畑の施肥など懸案事項を片付け、サブの Windowsパソコンにメモリー増設し、夕方から山形市の文翔館議場ホールに向かいました。山形弦楽四重奏団(*1)の第79回定期演奏会です。




今回のプログラムは、

  1. W.A. モーツァルト 4つの前奏曲とフーガ K.404a より第4番
  2. 清瀬保二 弦楽三重奏曲
  3. W.A. モーツァルト ホルン五重奏曲 K.407

というもので、新型コロナウィルス禍のためにやむなく中止になった昨年四月の定期演奏会と同じものです。残念ながら、一年後の今もコロナ禍は終わっていないわけですが、クラシック音楽、それも室内楽の演奏会に関しては、当地での感染の可能性はごく小さいと思われます。それでも聴衆の入りはおよそ50〜60人くらいと、いつもよりも少なめでしょうか。いやいや、むしろこの事態になってもこの人数が集まることのほうがスゴイのかもしれない。

第1曲め、J.S.バッハのフーガにモーツァルト自作の前奏曲を加えて弦楽三重奏に編曲した六曲のうち、これまで演奏してきた中で最後の作品になるそうです。ステージ左からヴァイオリン(中島光之)、ヴィオラ(倉田譲)、チェロ(茂木明人)の三人。後半はまさしくバッハのフーガ! 天才モーツァルトもちゃんと勉強したのですね(^o^)/

第2曲め、清瀬保二の1949年の作品。第1楽章:アレグロ、第2楽章:アンダンテ・ラメントーソ、第3楽章:ヴィヴァーチェ。山形弦楽四重奏団が紹介する日本人作品は毎回共感するところが大きいけれども、今回も良かった。1949年の作品だからなのか、どこか切実さが感じられます。



ここで15分の休憩の後、後半はモーツァルトのホルン五重奏曲。ステージ上は、正面左からホルン(梅島洸立:山響)、ヴァイオリン(中島)、ヴィオラ1(倉田)、ヴィオラ2(田中知子:山響)、チェロ(茂木)という配置です。第1楽章:アレグロ。冒頭、弦と共にフォルテでホルンの音が響きますが、いい音だなあ。音量バランスがどうか、興味深いところでしたが、実際に聴いて納得。弦四本は伊達じゃない(^o^)/ 例えば第2楽章:アンダンテ、弦楽の響きがやわらかいと感じます。ホルンが入るとしっかり自己主張しますが、でもここは弦の時間。例えばホルンとヴィオラ2本とチェロの響き合いなんて、いいなあ! 第3楽章:ロンド・アレグロ。ホルンにとって、アレグロで歯切れ良い音型を聴かせるのはなかなか大変なのでは。それでも軽やかにモーツァルトの音楽をそうします。プロなのだから当然とは思うものの、流石にうまいなあと感嘆します。山響の梅島さん、しっかり脳みそにインプットされましたです。昔、モーツァルトが仲間内の楽しみで演奏する場面、ホルンの難しいところで悪戯好きのヴォルフガング君がニヤリと笑うところを想像してしまいました(^o^)/

聴衆の拍手に応え、アンコールはモーツァルトのホルン協奏曲より第2楽章。かつて山形県議会の議場であったホールは、拡声装置など不要なほど自然な反響が好ましいもので、ホルンと弦四本でも充分に楽しめる協奏曲でした。新型コロナウィルス禍の緊急事態宣言の中でも、多くがマイカーで来館し(*2)マスクを外さず大声を出さず密にもならず換気もできる室内楽演奏会の開催を認めた施設管理者の判断はまことに適切であると思い、懐の深い対処に感謝いたします。

(*1):山形弦楽四重奏団(公式ブログ)は、山形交響楽団に在籍する奏者を中心に活動してきたカルテットです。YouTube に山形弦楽四重奏団のチャンネルを開設しています。
〜例えば W.A.Mozart のオーボエ四重奏曲より〜

(*2):公共交通機関が充分でない当地山形では、帰りの足を考えると、ほぼマイカーの選択にならざるを得ないのです。

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