電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

上山明博『ニッポン天才伝~知られざる発明・発見の父たち』を読む

2010年11月11日 06時04分40秒 | -ノンフィクション
過日、購入していた本で、上山明博著『ニッポン天才伝~知られざる発明・発見の父たち』を読みました。B6判、280頁ほどの朝日選書の1冊ですが、内容は充実しています。当方、「化学の父 桜井錠二~百年後の日本を目指した化学者」という章や、「蓄電池の父 島津源蔵~日本のエジソンと謳われた発明王」などの章が目当てて読み始めましたが、初めて知ることも多く、他の章もすっかり読みふけってしまいました。

内容は、次のとおりです。

■化学の父 桜井錠二 百年後の日本を目指した化学者
■アドレナリンの父 高峰譲吉 アメリカンドリームを体現した男
■酸化酵素の父 吉田彦六郎 ジャパンを研究した日本人
■ビニロンの父 桜田一郎 高分子化学のパイオニア
■飛行機の父 二宮忠八 ライト兄弟に先駆けた男
■蓄電池の父 島津源蔵 「日本のエジソン」と謳われた発明王
■放送の父 安藤博 「東洋のマルコーニ」と言われた天才少年発明家
■地震学の父 大森房吉 関東大震災に殉じた地震研究の世界的権威
■天気予報の父 藤原咲平 本邦初のお天気博士
■竜巻研究の父 藤田哲也 「ミスター・トルネード」と呼ばれた竜巻博士
■ペースメーカーの父 田原淳 心臓が動く謎に挑んだ解剖学者
■胃カメラの父 杉浦睦夫 胃袋の闇に光を当てた光学技師
■類体論の父 高木貞治 「数論の神様」と称された現代数学の巨人
■特殊合金の父 増本量 現代の錬金術師
■量子統計力学の父 久保亮五 湯川秀樹とノーベル賞を競ったもう一人の天才
■ゲル科学の父 田中豊一 生命の起源に挑んだ五十四年の生涯

この中でも、高峰譲吉や島津源蔵、桜田一郎の各氏については、わずかの予備知識はありましたが、その他の方々の具体的な事績については、当然のことながらほとんど初めてと言ってよい状態です。先人の努力と業績に、あらためて感動するばかりです。



ただし、編集のしかたというか、項目の立て方については、「○○の父」ばかりで母親がいなければ、その後を受け継ぐ子供は生れないだろうに、などとアホな突っ込みをしてしまいました(^o^;)>poripori
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