電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

この夏は、ブユの被害が発生した

2010年11月14日 06時05分13秒 | 週末農業・定年農業
猛暑だったこの夏には、久しく聞かなかった虫の名前が、近所でひとしきり話題になりました。ブユです。当方が子どもの頃はブユが多く、畑でブユに刺されると、しばらくは痒くて閉口したものでした。でも、高度経済成長と平行するように減少していき、高校時代には「妙高高原のブユ退治」などという文章が国語の教材に登場するほどで、悩まされることは少なくなっていきました。たぶん、残留性の強い殺虫剤が広範囲に何度も散布されたために、ブユの個体数が激減していったためと思われます。このへんの事情は、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に描かれたとおりだと思います。

ところが、最近は、農薬の傾向も変化しており、どんな虫も殺してしまうような強い殺虫剤は使われなくなり、果樹園農業も抗菌剤が主体になってきました。おまけに、なぜか黒っぽい小型の野鳥が目立つ反面、ブユ類の伝統的な捕食者であるスズメが目立って減少しています。そんなことから、久々のブユの復活となったものでしょうか。

近所の農家の人は、ブユに何ヶ所もひどく刺されて、病院に行ったとのことでした。ブユが増加しているくらいですから、薮蚊も増えているのでしょうか。公衆衛生上の問題となる病気を媒介するようなことが起こらなければよいのですが。都会の側溝には、亜熱帯から侵入した毒クモがすでに定着しているとか。幸い、雪深い当地には侵入できないようで、雪国の冬の寒さが防壁の役割を果たしているようです。週末農業ではありますが、農業後継者としては、温暖化に伴う昆虫界の様相の変化が、少々気になります。
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