電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

関根眞一『となりのクレーマー』を読む

2007年05月26日 05時51分10秒 | -ノンフィクション
中公新書ラクレの新刊、関根眞一著『となりのクレーマー』を読みました。「苦情を言う人」との交渉術、という副題を持つ、苦情処理のプロが書いた交渉術というか、人間観察です。

著者はデパートのお客様相談室長を長くつとめたベテランだそうです。1300件以上の対応をした経験から来る人間観察は、ヘンな言い方ですがたいへんに面白く、一気に読みました。

第1章「クレーマー物語」
■第1話「婚約指輪」。なかなか迫力ある女性ですねぇ(^_^;)
■第2話「六十日の攻防・・・そして」。「言った」「言わない」の攻防は、いかにも難しそうです。
■第3話「ヤクザとの対決」。預り証もないので、ひとまずお持ちください、という一言が決め手でした。
■第4話「軟禁事件」。「怒りに切り替えられない話法」っていうのがあるのですね。
■第5話「婦人服売り場の怪事件、三題」。お客様のほうが正しかった例も述べられています。
■第6話「賞味期限」。なるほど、保健所がこういうふうに使われることもあるのですね。
■第7話「靴下問答」。愉快犯のタイプもいるのですね。
■第8話「二人のクレーマー~銀行員と公務員」。お金目当てではなく、鬱憤晴らしのためなのでしょうか。
■第9話「被害額は2円?」。平常心が大切だ、ということでしょうか。
第2章「苦情社会がやってきた」
第3章「クレーム対応の技法」

接客業の場合、お客といってもいろいろな人がいるので、さぞ苦労が多いことでしょう。私の狭い経験の中でも、クレーム対応の難しさは何度か痛感しています。技術だけでどうにかなるようなものではないと思いますが、こういう心構えや対応法を知っているのと知らないのとでは、ずいぶん違うのも確かでしょう。コンパクトですが、大変に新鮮な本でした。
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