厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2016年177冊目『結果主義のリーダーはなぜ失敗するのか』

2016-09-23 21:05:45 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本のポイントは、次の2点に集約されます。

・「目的(=利益)のためには手段を選ばず」これがいま世の中に蔓延している結果主義の正体といってよい。

・「結果を出したければ人に還れ」それがすべてである。

東芝の不正会計処理はなぜ起こったのか?結果を出すために、モチベーションマネジメント、方針管理、労働時間短縮といった「人」の問題に、リーダーはどう取り組んだらよいか?また、個別の技術論の前に、リーダーとしての人格をどう磨いていけばいいのか?

優秀な管理職が陥りやすいマネジメントの罠とも言える「結果至上主義」から脱し、あらゆる形で部下を思いやることが、社員のモチベーションを上げチームを活性化させるのです。

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2016年176冊目『ビジネスで騙されないための論理思考』

2016-09-21 23:32:56 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

日常の様々な場面で、正しい主張とおかしな主張をしっかり見分け、適切な意思決定や指示出しができることが非常に重要です。

この本では、典型的なおかしな主張のパターンを4つ紹介するとともに、そうした主張に騙されないための心構えをお伝えします。

「論点がずれている」

「論理展開が間違っている」

「根拠・前提が間違っている」

「根拠が偏っている(バランスが悪い)」

逆に言うと、正しい主張は、論点に沿っており、論理展開が適切で、根拠に裏付けられ、根拠のバランスもよいのです。

瞬時に「これは何かおかしい」を気づく瞬発力、さらには適切に相手に対して切り返す瞬発力が、今の時代には非常に強く求められています。上記の4つのポイントに関して感度を高めましょう。

ロジカルシンキングの本では、フレームワークがよく登場しますが、「演繹法」と「帰納法」という古代ギリシャ時代から伝わる論理展開の基本中の基本に多くの紙面が割かれているのも、本書の特徴と言えます。

【my pick-up】

◎演繹法で気をつけるべきポイント-前提は省略されることが多い

重要な場面では、「これは、どういう前提のもとに言われているのですか」と聞くことを意識しておかないと、誤った結果を導いてしまいます。相手が省略した前提を、勝手に「おそらくこういう前提で言っているのだろう」と推測したのに、実際は全く違う前提であったというのはよくあることです。

◎帰納法で気をつけるべきポイント-観察事項が偏っている

観察事項の数が極端に少ないと、間違った結論につながる可能性が増大します。帰納法の大前提として、質・量ともに適切な観察対象を選ぶ必要があります。

◎「平均値」の落とし穴

私たちの意識の中では、「平均というのは真ん中くらい」「平均とは一般的な像」というイメージがあり、人数も多いと思ってしまいますが、保有資産などは、平均よりも下のほうが圧倒的に多いのが事実です(少数の裕福な人に平均値が引っ張られる)。保有資産では、平均値ではなく中央値のほうが実態に即した数値になるでしょう。数字だけではなく、度数分布図などをしっかり見ると、より実態がわかります。そのひと手間を惜しんでしまうと、間違った意思決定につながってしまうことがままあるのです。

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2016年175冊目『人生を変える時間術』

2016-09-19 19:57:45 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

千田琢哉さん130冊目の本書は、「自分」「仕事」「勉強」「人脈」「恋愛」「お金」を変える時間術です。

・いつでも1日が一生だと考えて生きる

・チャンスは忙しい人のところには訪れない

・何に時間を使うかで見えるものが変わる

・本当に大切なことは仕事以外の時間にある

・本書の時間術を使えば自分の時間が3倍になる

2007年10月の出版デビュー以来、9年で130冊もの本を千田さんが書けたのは?その理由も窺える1冊です。

【my pick-up】

◎<人脈>「あの人、時間にうるさいよね」と噂されれば、あなたは成功する

「時間にうるさい」というのは、永遠に成功できない人々が、まもなく成功する人に向けて発するセリフなのだ。反対にもしあなたが「あの人は時間にうるさい」と群れて噂している側にいるならば、率直に申し上げてかなり深刻な負け組だ。時間にうるさい人というのは、人間味溢れる温かい人なのだ。「あの人、時間にうるさいよね」と噂している人は、人の命を軽んじる冷たい人なのだ。結局のところ、時間にうるさくない人は、何も成し遂げられないということなのだ。

◎<恋愛>いつも短期間で終わるのは、あなたが勉強しないからだ

せっかく美人なのにいつも短期間で恋愛が終わってしまう人の特徴は、頭が悪いことだ。つまり、自分を高めるような勉強をしていないということだ。いくら恋愛中の相手であっても、人は、勉強していない相手とは次第に話が噛み合わなくなってしまう。人は、自分より頭が悪い相手のことは、尊敬できないものなのだ。その結果、別れることになってしまう。もしルックスだけでモテるとすれば、それは相手の程度が低いということなのだ。

◎<お金>お金はスピーディな場所に集まってくる

仮に同じスピードで仕事を終わらせたとしても、スタートが鈍い人間とスタートが速い人間とでは、印象がまるで違う。本当はまったくやる気がなくても、スタートだけはダントツのフライングをしたものだ。ここだけの話、スタートだけでもスピーディにとりかかると、普通にやっていても仕事が速いように見えるのだ。最初は、ポーズでもいいから速く取りかかることだ。

◎<お金>時間に愛された人に、お金は集まってくる

大切なことは、自分が時間に嫌われる言葉を使っていなくても、時間を軽く見るような発言をする人がそばにいたら、もうそれだけでアウトだということだ。どうして貧乏人がいつも群がっていて、お金持ちは孤独を好むのか。それは群がっていると何人かに一人の割合で、必ず時間に嫌われる人間が混ざっているからだ。

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2016年174冊目『ワタミの失敗』

2016-09-19 19:27:50 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

ブラック企業に関する報道や論評は数多ありますが、それらの中でも代名詞的な存在が、外食事業を軸に全国展開している「ワタミ株式会社」だったと言えます。

同社創業者の渡邉美樹氏は、「実業界のニューリーダー」ともてはやされ、著書やコメンテーター、公的会議などに引っ張りだこであったが、同社にまつわる労働基準法違反や過労自殺、運営施設の事故などが報道され始めます。

いつしか同社は「ブラック企業」というキーワードとともに語られるようになり、世間にネガティブなイメージを持たれるようになります。結果として、同社グループの店舗からは客が離れ、求人募集では正社員はおろか、アルバイトスタッフに至るまで採用難という状況に陥ります。こうした影響から、2014年3月期には上場後初の赤字に転落。その後2015年3月期も2期連続の最終赤字となっています。

著者の新田龍さんは、ワタミが抜本的な改革に向けて取り組みを始めた時期から同社に接し、時には助言も行いながら一定の成果を挙げるまでの変遷を見届けてきた方です。ワタミが手にした成功、そしてブラック企業批判による凋落、そこから復活に向けた同社の取り組みについてまとめたのが本書です。

ワタミは、渡邉の強力なリーダーシップと、「いい人集団」の従業員に甘え過ぎ、やるべきときにやるべきことをやらなかったのだ。ワタミの場合、理念やビジョンをはじめとしたリーダーシップは渡邉に依存し、規模が大きくなって上場企業となったあとでも、オペレーションやガバナンス体制や人事制度が中小零細企業のままで変わっていなかったのだ。(P.216)

そして、2016年6月27日付の朝日新聞朝刊に全面広告を掲載。次のような宣言がなされています。

私たちワタミは、一連のブラック企業批判に対してその理由と要因にしっかりと向き合い働き方や社会との関わり方をはじめアイデンティティーを聖域なく見直しました。再生に向けて、私たちは一番大切にするものを「心」と明確に定めました。働く従業員の心、お客様への心、社会への心をどこよりも大事にする企業を目指します。

確かにワタミは、批判されるだけの理由が存在した時期がありました。今ワタミは、過去と向き合い、むしろ先進的な改革を主導しているのです。「揶揄していたブラック企業にいつの間にやら追い越されていた・・・」ということがないよう、彼らの取り組みから気づきを得て、私たちも改善を継続していかないといけないですね。

ブラック企業問題は対岸の火事ではありません。その本質を知ることは、他の企業や経営者、ビジネスマンにとって貴重な知識となり、大切な学びにもなるはずです。

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2016年173冊目『チームリーダーのための7つの習慣』

2016-09-18 22:15:45 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

ザ・ボディショップやスターバックスのCEOと務めた岩田松雄さんが、ビジネス書の古典『7つの習慣』を読み解いた1冊。

その意味で、『7つの習慣』を簡略化したガイドブックとは違います。

特に、リーダーに向けたチーム力向上を目的に、「主体的である」「終わりを思い描くことから始める」「最優先事項を優先する」「Win-Winを考える」「まず理解に徹し、そして理解される」「シナジーを創り出す」「刃を研ぐ」という7つの習慣を、自分・メンバー・お客様それぞれにどう身につければいいかを記載しています。

人生を40%は習慣が占めていると言われます。良い習慣を続けるには、信じる何かがあることがとても大切です。悪い習慣は即座にやめ、良い習慣はずっと続けていくことで、チームも個人も素晴らしい成果を残し、豊かな人生が送れると思います。

【my pick-up】

◎リーダーには「才」の発揮と「徳」を磨く姿勢が必要

初めてチームリーダーになったときは、「才」を発揮し、何かアイデアを出して小さくてもよいので早めに何らかの実績を出し、皆に「才」(スキル)の部分を認められることが重要です。ただ、それと同時にリーダーとしての徳をコツコツと高め、スタッフからの心からの信頼を徐々に集めていく意識を持つことも大切なのです。才の部分は人から見えやすいのですが、徳の部分が人から見えるようになるまでには時間がかかります。でもこの徳の部分が「ついていきたいリーダー」になる本質的な部分なのです。

◎ワンモアコーヒー大成功を支えたものとは?

もともとドリップコーヒーを注文したお客様は、当日同店舗であれば、2杯目を100円で飲めるというサービスでしたが、あまりお客様に浸透していませんでした。それを「当日なら全国どのお店でもおかわり100円」とサービスを拡大し、レシートにはっきり告知することを始めたのです。私が少し心配していたのは、実質の値引きをすることで、ブランドイメージが損なわれないかということです。しかしそんな私の心配をよそに、お店では「神対応」が行われていました。レシートを持って来られたお客さまとパートナーが、そこに刻印された、その日最初に商品を買っていただいた店舗名とその時間の情報をきっかけに、さらに豊かな会話を交わしてくれていたのです。

◎自分と他者の違いこそがシナジーの源泉

同一と一致は全く違います。「本当の意味での一致というのは、補い合って1つにまとめることであって、同一になることではない」。同一になることは新しいことを生み出さず、発展性がありません。自分と他者の違いに価値を置くことがシナジーの本質なのです。私は会議では、若いメンバーに「○○さん、あなたはどう思いますか?」などと質問して、できるだけ意見を言ってもらうようにしていました。リーダーが先に発言してしまうと、それに迎合して似たような発言ばかりが続くことになりがちです。ミーティングで必ず聞かれることが分かれば、必死になって準備をしたり、自分なりの意見を考える習慣が身につきます。

◎ネットサーフィンにはない読書の効果

コヴィー博士は、知性を鍛える最良の方法として、読書を挙げています。私自身、毎日たとえ30分でも必ず本を読むことを習慣にしています。本の読み方として、人としての「徳」(人格)を高めるための本と、「才」(スキル)を鍛えるための本をバランスよく読むことも心がけています。「徳」を高める本は、「人としての人格を高めていく」ような本です。長期にわたってじわじわと効いてくるような「生き方」をテーマにしたものです。「才」を鍛える本は、目の前の仕事や生活に役立つビジネス書です。ビジネス書は「あ、いいな」を思ったら買うようにしています。本を買うことは、自分への「投資」です。読書することの意味は、いかに自分が無知であるかを知ることかもしれません。もっと勉強しなくては、という焦燥感にも似たやる気が高まります。

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