評価 (3点/5点満点)
この本は、日常のビジネスの現場で「もっと成果を出したい」と思っている経営者、営業、人事、企画、開発、総務、経理など、すべての職種の人に向けて書いた、ビジネスで何か新しいことを「考える」本です。
問題を定義(発見)し、ぐるぐると遠回りしながら解決のためのアイデアをひたすら考え、それを実行に移し、フィードバックを得て、またひたすら考える。この考える工程を「クリエイティブ思考」と言います。
皆さんのクリエイティブ思考を邪魔するのは、たいがいが過去の自分の経験や習慣、既存の規則や法則などの考えに固執するといった類いのものです。
この本は、クリエイティブ思考を邪魔する負の要素を取り除き、何か新しいことを考える力を取り戻してもらうことが目的です。
クリエイティブ思考の15の邪魔リスト
01.制約を侮ってはいけません
02.名刺は名前以外を見てはいけません
03.慎重に計画を練ってはいけません
04.「考えても仕方がないこと」を考えてはいけません
05.周囲からの影響を軽く見てはいけません
06.「知ったか病」に冒されてはいけません
07.自分の「型」に他人をはめてはいけません
08.「男だからハイヒールは履かない」と言っていてはいけません
09.弱みを克服してはいけません
10.グローバル時代に異文化を学んではいけません
11.違和感から逃げてはいけません
12.「自己ブランディング」に罪悪感を持ってはいけません
13.惰性リズムを積み重ねてはいけません
14.「運動」を仕事と切り離してはいけません
15.徹夜した自分に酔ってはいけません
本書を読めば、クリエイティブ思考とは決して選ばれた人間の専売特許ではなく、心がけ次第で誰もが多かれ少なかれ習得することができる、と分かるでしょう。
細かいことや予測できないことに気をとられすぎる「非合理的に真面目」から、とにかくチャレンジする「合理的に不真面目」に、日本人はなってほしい想いも本書から読み取れます。
【my pick-up】
◎「フィットネス」は仕事上の能力
運動はしたほうがいいという認識は世界共通かもしれませんが、「運動を仕事の一部と考える」ことは、少なくともアメリカと日本で捉え方が大きく異なります。まずアメリカには、国民皆保険制度はありません。日本のように、国民皆保険制度によって3割程度の負担で気軽に病院にかかれる感覚はありません。現に、アメリカ人が身につけたい習慣は、2位の読書を大きく引き離して「ジムに行く、もっと運動する」がトップに来るそうです。