第8回新潮ドキュメント賞を受賞した、
蓮池 薫さんが書かれた本です。
中央大学法学部在学中に拉致され、
24年間、北朝鮮での生活を余儀なくされる。
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初めて訪れたソウル、機内で見た朝鮮半島。
瞬間、背筋にひやりとしたものが走る。黒みがかった森と
赤みがかった茶色の田野。
そうだ、かの地の色だ。僕たちが24年間、すべての自由を
束縛されていた、かの地の山野の色だった。
やはり体は、覚えていた。
束縛され、ボートで運ばれながら、殴られて腫れまb上がった
まぶたのすき間から見た、最後の日本の海は、
故郷柏崎の、ほんわかとやさしい夜景だった。
その三日後、北朝鮮に着いて目にしたのは、
冷たく暗い清津(チョンジン)の夜景だった。
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まだ帰日出来ない、拉致被害者がいる。
そういう人たちすべて、帰ってこないかぎり、私の中でも
拉致事件の終結はない。
でもそう考える一方で、自分なりの新しい人生を、早く築き
始めなければ、という焦りもあった。
僕には、そう長い人生が残されているわけではない。
僕の半生を奪った「北」を、早く見返してやりたい、
という気持ちも強かった。
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新しい世界へのチャレンジは、失敗はあっても、
その失敗は人生には必ずプラスになる。
僕にとって、北朝鮮での24年間に失った最大のものは、
自分の夢を実現するための、チャレンジの機会であって、
そのあとにくる成功や、業績ではなかった。
僕にとって翻訳家になることは、
24年間を取り戻す、大きなチャレンジだったのだ。
これからも、夢あるチャレンジを、重ねていきたい。
*** 文中より抜粋にて ***
幾つになっても、夢は失ってはいけない。
夢を失うと、すべてがなくなってしまう。
チャレンジも重ねられなくなってしまう。
自分自身ももう一度見直してみなければいけないですね。
失敗を恐れていましたら、なにもできませんね。
幾つになっても、なにかしてみよう、してみたいの
気持ちは、失いたくないと思います。
してみよう、してみたいには、夢がわいてきますね。
蓮池さんは、人生を、自由を余儀なくされた方。
24年間が悔しいと思います。
あせらずに、人生を送ってほしいと思います。