行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2013年6月9日(日)の日記

2013年06月09日 | 日記

午前中から映画を見に行く。昨日、届いたレンズをデジタル一眼に装着して持って行く。映画と昼飯の前後に、目に付いたものをいろいろと写してみるつもり。 

地下鉄銀座駅を降りて、数寄屋橋交差点の出口で地上へ。高速道路の向こうに見えるニュー・トーキョービルに入っている劇場で見る予定。

有楽町マリオン前の紫陽花。

ニュー・トーキョービル。

このビルの3階にあるTOHOシネマズ有楽座で見る。ここで前に映画を見たことは、一度だけあったと思う。15年ぐらい前だったか。まだTOHOシネマズになっていない頃だから、劇場設備も大きく変わっているはずだ。

今日、見たのはリアル~完全なる首長竜の日~

(以下にネタバレあります。)

 

自殺未遂で昏睡状態を続ける恋人を救うため、高度な機器を使って意識の中に入り込むというSF仕立ての物語。外国のSF映画にも似たような話があるというし、自分が見たものだと「スタートレック・ディープスペースナイン」の最終回近くにあった。秘密を奪われまいと自殺を図った諜報機関員の男の意識に入り、男が絶命するまでに秘密を持ち帰るというエピソード。「スタートレック・ヴォイジャー」でも、病気の原因を探るため意識の中に入って過去の記憶を探るというのがあった。こちらは、機器を使うのではなくバルカン人の精神融合によるものだったが。

自分にそのような作品への好みがあるから見に行こうと思った。そして、面白いと思えた。もっとも、あまり万人向けとはいえないと思うが。中盤で、救おうとする側と救われようとする側が実は逆だったというひねりがある。自分の年齢だと、そういうことでは特に驚かない。「なるほど、そう来たか!」と思うぐらい。そして、主役カップルの恋愛物語としてはハッピーエンドになる。

SF仕立てで、人の意識の世界に入って行くのだから、当然、特殊効果(CGによるもの)は、ラストの首長竜を含め、いろいろと出てくる。でも、あまり派手な特殊効果ではないし、それを脇に徹しさせ、ストーリーと役者の演技で見せる作品。

今日の予告編でもいろいろなのが流れたが、大規模な災害や戦いを派手な特殊効果で見せる映画には、正直言って食傷気味でどれも同じように見え、わざわざ見たいという気持ちになれない。

 

それから、もう一つ、今回の映画を見て、監督の黒沢清に自分と同世代の感覚があるのではないかという感を一層、強くした。同世代と言っても、黒沢清のほうが自分よりは5歳程度上になるから、その分の違いはあるかもしれない。それは、特撮やアニメについての感覚。

自分が黒沢清の監督作品を見たのは、「LOFT ロフト」、「叫」を劇場で、それから、「トウキョウソナタ」をケーブルテレビでぐらい。ホラー的な作品が多いということも含め、略歴もほとんど知らなかった。

ただ、「LOFT ロフト」で発掘されたミイラが動き出す場面を見て、この監督は特撮好きではないかと思った。ストーリー全体からすると、なぜそこでミイラが動き出すのか必然性がなく、しかも生身の人間の豊川悦司に簡単に倒されるぐらい弱い。ミイラ場面が浮いているとしか思えず、どうも、特撮っぽい場面を出したくて出したような印象があった。

「叫」では、葉月里緒菜演じる赤い服の女・・実は恐るべき亡霊が空を飛ぶ場面。ワンピース姿で空を飛ぶ姿が、昭和40年代前半にやっていたアニメ「レインボー戦隊ロビン」に登場する、看護婦ロボット・リリを思わせた。
(「トウキョウソナタ」は特撮、アニメを想起させるようなところはなかった。)

そして、「リアル~完全なる首長竜の日~」を見て、SF仕立て、特殊効果もいろいろと使いながら、前面に押し出すことなくストーリーで見せる作品に、自分が10代の頃から「こういうのが見たい。」と思っていたイメージに近いものを感じた。

今は、テレビの特撮ものは、男の子は変身後のヒーローに夢中、ママは変身前のイケメン俳優に夢中という。そう言われるようになってからもう10年以上は経っているかもしれない。これが、40年ぐらい前・・自分が中学に上がるぐらいのころだと、自分の親の年代は特撮やアニメは子供のものだとしか思っていないから、
「もう6年生なんだから、早くそんなの卒業しなさい!」
とか、
「中学生になったんだから、もう見るのやめなさい!」
と、とにかくうるさい。自分と同世代だと、似たような体験をもつ人は多いと思う。10代や20代のころなら、大人たちのそうした態度に反感も持つ。

そしてまた、子供のころから見ているものは10代になっても、20代、それ以上の年代になっても、見続けてしまう。ただし、内容に自分の年齢にあったものを求めるようになる。中学生ぐらいの思春期だと恋愛ものだ。その欲求に答えてくれたのがアニメの「宇宙戦艦ヤマト」。スーパーヒーローに変身する主人公などが登場しない、大人が見るドラマと同じ、ふつうの人間たちの物語だが、アニメでありSFであり、しかも恋愛ものも入っていて、自分も同世代も熱狂した。

特撮のほうは、そうした欲求に答えてくれるような作品を当時の大人たちは、なかなか作ってくれなかった。 

そして、10代の頃、特撮ものが好きだと、ゴジラやウルトラマンの生みの親で、特撮の神様と呼ばれた円谷英二の伝記にたどり着く。円谷英二もまた、子供受けがいい怪獣やヒーローだけでなく、特撮を活かし、かつ、大人の鑑賞に堪えるような作品を作りたかったというのを聞いて、円谷英二が目指したものと、自分が見たいと思う、子供向けでない作品は同じ方向にあると思えた。そうした作品が出てこないかという期待が常に意識にあった。

自分が社会人になってから以降だが、1987年から2005年まで作られたスタートレックのテレビシリーズは、要所には大掛かりに特殊効果を使ったエピソードもあるが、大部分はストーリーと役者の演技で見せる作品。しかも、話はバラエティに富む。スタートレックのシリーズは、それはそれで楽しみながら、日本にもこんな作品が登場してほしいと願望も出てくる。

特殊効果を前面に押し出さず、ストーリーで見せる作品ができるとすれば、それは「ウルトラQ」の怪獣が登場しないエピソード、あるいはさらに前の東宝特撮映画「ガス人間第一号」の延長上にあると思ってきた。どちらも、怪獣や大スペクタクルに頼らず、ストーリーで見せる分、非常にインパクトがある作品だ。

自分と同年代に近い黒沢清がもし、特撮・アニメ好きなら、子供の頃から似たような体験をし、似たような志向を持ち、そして、作り手となる道を選んだ人物ではないかと、今日の「リアル~完全なる首長竜の日~」を見て、そのように思ったのだった。

 

せっかくニュー・トーキョービルにある映画館へ来たのだから、見終わったあとの昼飯はニュー・トーキョービヤホールで。古くからある店だから、「ビアホール」ではなく「ビヤホール」だ。

サッポロ生ビール大ジョッキ。

ジャーマンポテト

ビヤウィンナー。これも「ビアウィンナー」ではなく「ビヤウィンナー」。

エビス生ビール中ジョッキ。たまにビヤホールへ来たら、やはりこれを飲まないと。

ランチメニューから、ビヤホールのとんかつ

もう1杯、エビス ザ・ブラック小ザイテル。


飲み食いのあと、また一眼を取り出して、しばらく写す。

JR高架下のもつ焼き屋。

日比谷シャンテ前へ向かう。

シャンテ前広場とゴジラ像。



晴海通りへ出て、再びマリオンの前まで。



阪急か松屋でワイシャツを1枚買おうかと思ったが、適当なのがないので今日は買わずに帰る。

昼に飲んだから晩飯のときは食欲も出ず、コンビニの冷しそうめんだけにする。