行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2010年7月6日(火)の日記

2010年07月06日 | 日記

今日の蒸し暑さは際立っていた。朝の電車の中でもう汗が吹き出す。昨日はここまでではなかったのに。

昨日がけっこう忙しかったが、今日は余裕が出来たので終業からそんなに経たないうちに帰る。

南行徳駅前の本屋で今日発売のディアゴスティーニの東宝特撮映画DVDコレクション大怪獣バラン」を買う。

そして、笹かまやチーズちくわを海苔で手巻きにしたのをつまみにしてビールを飲みつつ見る。

「大怪獣バラン」は1958年(昭和33年)の作品だから、自分が生まれる前で当然、映画館では見ていない。しかも、テレビ放映でも見たことがなく、今回初めて見る。

小学校の中学年の歳ぐらい(1970年(昭和45年)前後の時期)から怪獣ものがどんどん好きになってきて、新聞のテレビ欄でその日に何か怪獣映画がやらないか、毎日チェックしていた。地上波で午後8時ぐらいから怪獣映画がよく放映されていた時代だった。でも、「バラン」はついに一度も見たことがない。うっかり、チェックを漏らしたからかもしれないが、テレビ放映されることもほとんどなかったのだろう。これもテレビ放映で見た作品だが、「怪獣総進撃」でキラアク星人のコントロールから解放された地球怪獣たちがキングギドラに向かって進撃を始める場面で、後ろのほうを滑空するバランが小さく映っているのを見たぐらいしかない。なので、事実上、怪獣図鑑でしか知らない怪獣になっていた。ゴジラの対戦相手でなく、名前がタイトルになった主役怪獣としては実にマイナーな存在となっている。(もうひとつは「宇宙大怪獣ドゴラ」だろうけど。)

だいぶん前に、特撮関係の雑誌かムックかで読んだことがあるが、「バラン」は話がこなれておらず、あまり面白くないらしい。見てみたら、特に後半が自衛隊の対怪獣戦のドキュメンタリー映画みたいで、人物描写も平板。一体、何が言いたいのかよく分からない作品になっていた。テレビ放映もあまりないはずだ。バランはムササビのように滑空するのがポスターでも強調されているが、劇中で滑空は一場面だけで、後半はほとんどが水中か水上を進むだけだった。

前半が、日本の秘境というべき地域で、怪獣が住民たちに恐れられ信仰の対象になっているというの話だが、付属の解説書ではアメリカ映画の「キングコング」を髣髴とさせるあった。今回見た印象では、秘境の村はこの映画よりあとの「モスラ」のインファント島や「海底軍艦」のムー帝国につながっていったイメージだと思えた。また、特撮場面では「ゴジラ」、あるいは「ラドン」で見たのと同じ映像が流用されていたりして、こうした部分も含めて、同じ時代の前後に作品とのつながりが見て取れた。

冒頭で、その秘境の村へ珍しい蝶の採集に行った学者が謎の死を遂げるのだが、蝶の採集というところと、そして冒頭で死ぬ役ではないが主役が野村浩三というところで、「ウルトラQ」の「変身」を思い出した。

野村浩三は「ウルトラQ」の「変身」で、日本にいるはずのないモルフォ蝶を見つけて追いかけて行き、毒の燐粉を浴びて凶暴な巨人になる男を演じていた。

バランが山から集落へ出てくる場面では、やはり「ウルトラQ」の「変身」で、巨人が山から村へ出てくる場面を連想した。構図もどこか似ていると思えた。

「バラン」と「ウルトラQ」は7年か8年ぐらいの差しかないから、作り手のアイディアに影響を及ぼしたところがあったのではないかと思える。