日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「寒い時の食べ物と、暑い時の食べ物が違うって…?」。

2014-06-04 18:12:18 | 日本語の授業
 晴れ。

 明け方になると、少しひんやりした風を感じます。そういえば、まだ梅雨前。梅雨前というのは、「大気が不安定」という日が多く、「酷暑」であっても、だからといって、もう「夏になった(なってしまった)!」と騒ぐべきではないのかもしれません。

 学生達も、二年生などは、「冬物」「夏物」という言葉の意味が、少し理解できているようですが、それでも、まだ、真冬に、靴下を穿かずに学校へやって来て、(寒い、寒いと言って)震え上がっている人もいるのです…こっちは当たり前だろと思うのですが。

 何度言っても、気持ち悪いから穿かないのだそうです。風邪を引いて、学校やアルバイトを休むのと、どっちがいい(?)のだと脅しても、…だめ。ひどい病気にでもならない限り、判らないのでしょうね。確かに、人は「快不快」に左右される生き物ではありますが。

 それに、「服」のことが多少判ったからといって、それが「衣食住」にまで広がって理解できているかというと、そんなはずもなく、先日も、こんなことがありました。

 ヒアリングを受け持っている教師が、小首を傾げながら、授業から戻ってきて、「どうも…、うん、そう。判っていないな」と言っているのです。

 聞くと、「夏の食べ物」とか「冬の食べ物」とかいったことに、学生達が鈍い反応しか見せないというのです。

 「常春の国」や「常夏の国」から来ている彼等は、一年中、同じような物を食べています。「夏、暑さしのぎには『冷や奴』がいい」とか、「今日は『冷や麦』にしよう」とか言うこともないでしょうし、「冬は、皆で『鍋物』を囲んで、フーフーやりながら一杯やろう」とかいったこともないでしょう。

 「懐かしい味」というのも、いわゆる「お袋の味」や「故郷の味」といわれるもの以外に、四季のある国では、寒くなると、「鍋物」が恋しくなったりすることも含まれているのです。この感覚は、四季を幾度か経験して、その時期にそういうものを食べて、「体感」していくしかないのでしょう。ということは、まだ彼等には荷が勝っている…。

 時々、試験問題などで、四季の感覚がなければ解けない(わからない)ようなものが出てくることがあります。時には説明を加えることもあるのですが、…日本語学校にいる間にわかるようになれというのは、ちと無理かもしれません。

 10月生などは、(日本に来てから)やっと、1年、過ぎた…というところで、試験を受けなければならないのですから。

日々是好日
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