日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

この辺りでは、もう「セミ(蝉)」の声は聞こえてきません。

2018-08-28 09:11:58 | 日本語学校

曇り。

昨日は予報通り、夕方になると、あっという間に黒い雲に覆われ、どこやら遠くで雷の音が…。慌てて家に帰ったのですが、雨が降り出したのはそれから数時間も後のこと。

東京や北部関東では、ゲリラ豪雨やら、雹やら、強風やらに見舞われ、電車も止まったりして、大変だったとか。もうヒートアイランドで猛暑(で、大変だ)どころではありません。日本の気候って、こうだったかしらん???と首を傾げざるをえないような、極端なお天気が続いています。

最高気温が30度で、「今日は涼しい」なんて感じてしまうから、体感というのも、ちょっと頼りにならない(今日は、昨日の雨のせいで、5度か7度ほども低いらしい)。

とはいえ、先週の土曜日。鷲宮駅で、一休みしていると、いつの間にか「ミンミンゼミ」の声が消え、「ツクツクボウシ」が鳴き出していました。もっとも、草むらの秋の虫たちの声にかき消されてしまいそうな弱々しいものではありましたけれども。

季節はすでに秋。で、正直な虫たちは、そろそろ…と出張ってきたのでしょうが、この暑さです。驚いたでしょうね。春の初めなら、サクラの頃に、雪が降ると言うことも、なきにしもあらずなのですが、暑さがこうも続くと、慣れていない虫たちは堪らないでしょうね。徐々に体が暑さに慣れているはずの我々、ヒト族でも、一日か二日でも、過ごしやすい日がきてしまうと、もう暑さには耐えられなくなってしまいますもの。

小さな虫たち、涼しさがやって来るまで、もう少し、頑張ってくれるといいのですが。

さて、学校です。

夏休み中とはいえ、時々お客様が来られます。専門学校や大学の方々がよく見えられるのですが、暑い中、フウフウと汗をかきながら、説明してくださいます。数ヶ月に一度、進学した学生達の成績、出席率、その他、彼らの近況などを、封書で送ってくださる学校はあるのですが、それ以外は、なかなか知ることができません。それで、こうやって訪ねてくださる時に彼等の様子を知ることができるので、私たちとしてもありがたいのです。もっとも、何も知らなくていらっしゃる方もいるので、その時はそれなりに拝聴しているのですが。なにせ、今年もお世話になるかもしれませんし。

学生達も、ちょいちょい顔を見せてくれます。専門学校の説明会に行く前とか、行ってからとか(願書書きです)、それから受験票を取りに来たり(学校に届くようにしてあります)、寮費を納めに来たり…。

その時に、「今日は休みです」とか、「今日は2時から(まだ1時間も間があったり)」とか言ったりしますと、「さあ、勉強していけ」ということになりますから、学生達も然る者であって、ギリギリに来るか、あるいは、「昨日は夜番でした」、「まだ昼ご飯を食べていません」なんぞを、こちらが訊く前に付け加えたりする。だいたい、そう聞かれた時には、次にこう来るだろうという知恵が働きますから、ちっとやそっとじゃこちらの策には乗ってこない。

とはいえ、学生達の「心づもり」を、こちらも知っておく必要があります。この「心づもり」というのは、主に進学や、将来のことなのですが、昨日も、一人、学生が来たので、彼と話しているうちに、私たちが彼について考えていることと違うことが判り、これは対策を練らねばとなりました。

日本語学校の留学生に、家でも勉強させるというのは、かなり大変なことで、「初級」段階の「宿題」が、せいぜいなのかもしれません。自ら、積極的に、不得手な(自分で見つけて、必要があると思って、そういう)部分を覚えたり、書いたりするということは、難しいことのようです。つまり、「ここを書け」とか、「これを覚えろ」と言われない限り、大半の者はできないのです。国でも、勉強は学校だけで、家ではしていないという人がほとんどであれば、日本に来て、急にこれをやれといわれても困るだけというのもわかりますが、それでは何も学べません

もちろん、ヒアリングがいいという民族は、居るだけで(日本にいるのですから、聞けるところ時間もたくさんあります)、「生活日本語」は大丈夫になりますが、「N3」くらいから、だんだん知識も必要になってきますから、そこで止まってしまうのです。

日本にいて、適当な(正確ではない)日本語でどうにかなるところで働くだけなら、それで十分です。けれども、勉強するのだから、知識も持たせ、他の日本人から、それなりの待遇を受けられるようにしたいと考えるのが、学校や現場の教師。そこで摩擦めいたものが起きるのです。

母国の高校の成績はとてもいい。けれども、そこに胡座をかいて、日本でもそれでやっていけると思っていると、そうは問屋が卸さない。

ハッと気がついたら、来た時のクラスには居られなくて、クラス編成試験の時に、もう一度勉強しようなんてことになってしまう。しかしながら、国でのことが忘れられないので、(自分は頭がいいという自尊心です)、面白くない。だから、学校に来なくなったりする人も出る(どこに居ても同じ人は、そういうことも考慮して、もう上のクラスに置いています。ただ本代はかさみますね。上に行けば行くほど学ぶものも増えていきますから)

自分はできると言い張っても、実際には、漢字が読めませんから、文章の意味もわかりません。こちらが文章を読んでやれば、だいたいは判るのでしょうが、一人で作業するように言われると、そこで「お仕舞い」になってしまいます。

かといって「ヒアリングの時は残ってもいいけれども、読解やN2文法、N2漢字は下のクラスで」とは、ならないのです。

そのレベルの文法が判らなければ、そのレベルのヒアリング力も身についたものとはなりませんから。

難しいですね。でも、結局は、切磋琢磨されていないことから来る問題です。自分より上のレベルの人も知らなければ、しっかりと読んでいかなければ意味が掴めないような知識も知らないのでしょう。鳥無き里の蝙蝠と言ったら、言い過ぎでしょうか。

とはいえ、私たちが頭がいいなとか、できるなとか思えるような人は、早くにこの悪しき思い違いを、少しでも早く改めてほしいのです。そうすれば、もっと学びに適した環境で、自分よりの上の人たちと出会い、聞いたこともないような知識、アイデアと出会うこともできるでしょうから。

日々是好日
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