日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「新緑の候」。「気ぜわしくなった職員室」。

2013-04-17 09:28:46 | 日本語の授業
 新緑。緑の美しい候となりました。

 まったく、どこを走っていても(自転車でです)、鮮やかな緑が続いて見えます。つい先だってまでは、花色を探し求めていたのに、今では緑を見るだけで満足している自分に気がついてしまいます。初夏ということなのでしょう。本当に、半で捺しでもしたように、五月の連休(四月末からですが)が近づくと、こうなるのです、毎年。

「をちこちに 滝の音(おと)聞く 若ばかな」  (蕪村)
「夏河を 越すうれしさよ 手に草履」   (蕪村)
「行々(ゆきゆき)て ここに行々(ゆきゆく) 夏野かな」 (蕪村)

 夏を形容する時には、水の音や感触、あるいは一面の野原などが切り離せません。とは言いながら、春でも秋でも、そして冬でも、そう言ってしまうのですが。

 とはいえ、何よりもホッとするのは、やはり、夏でしょう。特に、歩き疲れた時に耳にする水の流れの音、そして、手にとってうれしい、冷たい水の感触でしょう。

 さて、学校です。

 昨日、職員室の賑やかだったこと。新入生が来たばかりですから、彼らの用事で、この頃、忙しいのは当然なのですが。また別の忙しさが加わっていました。

 12時半頃、在日タイの人が、旅行できたという妹さんを連れてやって来ました。「日本語を学びたい。今は3か月の旅行ビザだが、今度は長期で日本語を学びたい」と言うので、「それは、授業が終わってからにしよう。まずは『初級』が、昨日(月曜日)から始まったばかりだから、1時15分からの授業に出て。それから話そう」と言いますと、困った顔をして、「まだ昼ご飯を食べていない…」。「それでは今から大急ぎで食べて、直ぐ来なさい。教科書は貸してもらえばいい。授業の見学もせずに、ここで学ぼうなどと安易に考えてならぬ」と言いますと、直ぐに立ち上がって、「じゃあ、二時までには戻ってくる」(この時は、もう1時を過ぎていました)と帰っていきました。

 そういえば、一昨日も、インド人女性が一人、見学に来ました。だんだん、外国人が戻ってきた…ような気がします。と、まあ、そんなことを考えていました…。

 昨日のことです。午後の受業が終わって職員室に戻ってきますと、例のタイ人女性が教員と話していました。そこへ授業が終わったばかりの、二年生のタイ人留学生が下りて来たので、「さて、通訳を頼む」とばかりに、三人で、話し込み始めます。そこへ、見知らぬ女性(インド人)が二人、いつの間にか、入ってきていて、職員室のドアの前に立ちふさがり、会う人ごとに、私たちは日本語が学びたいのだと英語で言っているよう…。

 英語で対応できる教員がすぐに行って彼女らと話したのですが、上手になったら、直ぐに上のクラスに行ってもいいかと聞いていたそうです。そう言えば、前に来たインド人女性もそんなことを言っていましたっけ。自分はできると言っていたのですが、大してできていたわけではなく、一斉授業とマンツーマンで学ぶのとの区別ができずに、皆の顰蹙を買っていましたっけ。

 この学校では、多い時には、15人ほどのクラスに、10カ国ほどの人が来ていることもあります。一人が、皆に関係のないことを言い出すと、他の人は困ってしまいます。授業が止まってしまうのです。それに授業はすべて日本語でやっています。だいたい、『初級』段階では、詳しい文法的な説明を加えても(新米教員は直ぐに知っていることを全部言いたくなってしまうようなのですが)、だれにもわかりません。そんなレベルの日本語なんて、誰にも通じないのです。

 それに、教科書に載っている単語の意味と、教科書に即した文法事項の説明が書いてある参考書も揃えてあるので、大半の学生はそれを見ながら自分なりに理解し、練習して覚えていくというやり方をしています。

 勿論、上のレベルに進むにつれ、説明していく内容も増えていきますし、学生自身も理解できることが増えていくはずです。

 「手っ取り早く(自分だけ上手になりたい)」というのなら、マンツーマンで、自分に適した速度でやってくれるところを捜すしかないと思うのですが、どうも、こういう人はそうとも思わないようです。

 とか思っているうちに、静かなバングラデシュの女性がやってきました。日本語が大好きで、何でも「公文」で『みんなの日本語Ⅰ』を勉強したのだそうです。それで、「『みんなの日本語Ⅱ』を勉強したい。子供を預けられたら、明日にでも見学したい」と言っていましたが、あ、今(4月17日9時半)、来ました。お子さんを預けられたのでしょう。

日々是好日
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