日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

春休みには先生達は遊んでいると思っている留学生達…先生達は仕事をしています。

2015-03-25 09:40:13 | 日本語学校
 晴れ。

 空の色がこんなに優しいのは、きっと水分が多いからなのでしょうね。とはいえ、今日も「寒の戻り」が続いています。

 今朝は北風が強く、咲き初めた桜が震えています。寒い日がないと桜は花を咲かせないと言われていますが、開き始めた途端にこれですもの。いったんは開き始めた身を縮めているかもしれません。

 予報によると、今日、明日はまだ冬将軍が居座っているような感じですが、週末の最高気温は、20度くらいになるとか。一気に(桜が)満開になるかもしれません。

 さて、学校です。
 昨日も忙しい一日でした。

 まずは、8時半ころ卒業生から、電話が来ました。「先生、学校にいますか」。聞くと、もうすぐ行徳駅に着くと言う。何の用事かと尋ねても、着いてから話すと言う。まったく、彼は学校にいたときからそうでした。思った通り、空振りでしたね。四月から就職するつもりであり、その手続きとか書類について聞きたいことがあったらしい。

 学校に着くなり、こういう勝手をするから無駄足を踏むのであると、皆から攻撃を受けたのですが、ニコニコしています。そして、今の専門学校はだれも叱ってくれる人が居ないと言う。まあ、この学校に戻ってくれば、かつてのように勉強しないとか、勉強の仕方が悪いとか、彼を叱る材料には(文句をつける)事欠かない(それは山ほど見つけられます)のですが、このかつての学生、叱られて、(ほっとして)うれしいのでしょう。

 在校時のクラスメートの話をひとしきりして、それから、「帰ります」と言って帰って行きました。勉強が好きな学生でしたが、どうも決断力に欠けるところがあって、考えれば考えるほど失敗の確率が増すというタイプ。かといって、考えずに行動を起こせば、これまた失敗してしまう。人に聞いて、指導を受けながら、その通りにしていくのが一番いいと思うのですが、聞いても、(悩んだ末)彼が選ぶのは、恐ろしく失敗の確率が高いも方。変えていくのは、もう…難しいのかもしれません。

 おそらく、母国でそうやっても、どうにかなっていたので、(やり方が)変えられないのでしょう。彼らの国では、自分より上のもの(学生なら、教師)を信用しない方がうまくいっていた(たとえば、大学合格などに代表される成績)。だから日本でもそれをしようとするのです。

 もちろん、日本でも独学で何事かを成し遂げた人は居ます。けれども、それはほんの一握りの才能豊かなセンスある人。ほとんどの人は、独力ではたいていのことは成せないのです。またそれを知っています(否応なく、判らせられていると言った方がいいのかもしれませんが)から、成したいことに長けた人に教えを請い、その通りにしようとします。そのとおりにしようとするあまり、萎縮するのは間違いであるけれども、自分は国でもうまくやってきた、だから日本でもそれができるというのは、多分、思い上がり以外の何物でもないのではありますまいか。

 異国では、自国の文化習慣、社会通念といったものが異なっており、己のみ尊しとしていては、岐路に臨んだときに失敗してしまう…でしょうね。

 彼が帰ってから、また一人、在日でこの学校で一年ほど学んだというフィリピンの人が自分の子どもを連れてやってきました。今回は三ヶ月ビザであるけれども、できるだけ早く日本に連れてきたいと言う。その時に困るのが日本語である。子どもに日本語を教えてくれるところを探しているけれども、ない…で、相談に来たというのです。

 以前は留学生と一緒に、小学生を教えていたこともありました。けれども、それは、学生の少ないときのこと。四月からの学生は人数も多く、それ故に問題のある人も出てくる可能性が高いのです。その時に子どもの面倒まではちょっと難しい…。何となれば、子どもに教えるやり方と大人に教えるやり方は違います。

 子どもに文法を覚えろと言っても、まず無理です。意味を言い、単語や文を繰り返し言い、そして覚え、少しずつ使えるものを増やしていく。もとより、ひらがな・カタカナは必要ですが、まず話せること、話したいと思わせること、それが必要になるのです。

 それに、授業も、90分どころか60分ももたないでしょう。飽きてしまいます。(教師がかかわると、他の学生が困ってしまいます)遊びながら教えていく、楽しみながら覚えさせていく、そういうやり方をとらざるを得ないのです。

 留学生達は既に高校を卒業していますから、欠席したり、遅刻したりすれば、(理由を聞いたりしながらも)時には厳しく叱責しなければならないこともあります。子どもは、それだけで勉強が嫌になってしまいます。

 いろいろなことは後で考えることにして、まずは五日間だけ、教えてみることにしました。少しでも言葉を覚えていれば、日本へ来た三ヶ月は無駄にはならないでしょう。

 午後は午後で、卒業生やら在校生やらが話や相談に来たり、勉強に来たりしました。

 勉強に来てくれるのが一番うれしいのですけれども。

日々是好日
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