モリエール全集を読み終えた。
パスしようと思っていた10巻目の資料集まで読んだ。
10巻目にあった尾崎紅葉訳の「夏小袖」(守銭奴)も面白く読んだ。
これはかなり自由な訳だけど原作には忠実で守銭奴を読んだことのある人だったらすぐに「夏小袖」を見たら「守銭奴」だと気づくだろう。
当時評判になったらしく何度も各地で上演されたらしい。
戯曲は読むものではなくまず劇としてみるもの。
特に喜劇は時代の影響を受ける。
それでその時その場に応じて台詞の言い回しをかえないと劇そのものが生きてこない。
大筋さえ原作に忠実だったらいい。
ただ全集となると学術的な意味もあり原作に忠実でないといけないだろう。
資料集の中に過去の翻訳と今度の全集の翻訳の対比があった。
それを見ると今回の訳の方が最も読みやすい。
この点も評価できる。
さてモリエール全集を読み、もう少しこのルイ14世の時代を旅してみようかと思っている。
次はラシーヌを読んでみよう。
ラシーヌの最初の作品はモリエール劇団で演じられた。
でもあまり受けなかった。
ラシーヌはそれをなんと役者の演劇が下手だったから、と劇団のせいにした。
新人の作品を取り上げてくれたことに感謝しないといけないところなのに・・・
それ以来当然ながらモリエールとラシーヌの関係はうまくいっていない。
それで逆にラシーヌに興味をもって読んでみようかと思った。
もちろん全集ではなく代表作をいくつか読んで済ませるつもりだけど・・・