ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

純と愛

2012年11月04日 12時24分15秒 | テレビの中から
国民の義務、NHKの朝ドラを相変わらず見ている。
今度の「純と愛」今までとかなり違ってて暗い。
顔を見ると相手の本性が見える、と言うのはあまり楽しいことではないらしい。
このドラマを見てると昔読んだある短編小説を思い出す。

漂流して、ある島にたどり着いた。
無人島だと思っていたその島に人が住んでいた。
その人は歓待してくれて、島を案内してくれた。
しかしふと奇妙なことに気づいた。
その人はいつも先頭を歩き決して後ろを振り返らないこと。
そこでそのわけを聞いてみたら、
・・・人の顔を振り返って見たらその人の本性がわかり、いやな顔をしてしまう。
それで不愉快な思いをさせたくないので、振り返らないのだ・・・という。
その話を聞いて、ぜひ振り返って自分を見てほしい!と頼んだ。
と言うのも自分は人から好かれるタイプ、人付き合いには自信があったから。
そして嫌がるのを頼み込んだ末、やっと最後に船で出発するときに振り返る約束をとりつけた。
そして出発の時・・・船が離れて行く・・・
そして振り返ったその顔は、今まで一度も見たことのないような、いや~な顔だった・・・という話。

人の本性が見えるということはあまり楽しいことではない。
どんな人にも良い面も悪い面もある。
その悪いことだけが見えるということは、人の本性が見えるというよりも、人の本性を半分しか見ていないともいえる。
この短編小説の場合、まだいい面も見ようという自制心がある。
しかし「純と愛」の「愛」の場合、このような自制心がかけている。
親の指輪を盗み、弟をいじめる子供をいきなり殴る。
客を装いアンケートに同僚の悪口を書いた女性を殴る。
こうなると超能力と言うよりも、やっぱり精神的な欠陥なのだろう。

人の心を読めることは人の心を理解することではない。
昔読んだ「読心機」という小説を思い出す。

人は考えるとき言葉で考える。
その頭の中の言葉を読みとる機械が開発された。
人の心がわかる!
その機械は爆発的に売れた。
・・・しかしそのうちぱったり売れなくなってしまった。
それは、人は考えたとおりに行動するとは限らないからだ。
殴ってやる!とか、殺してやる!とか思っても、実際にそのとおり行動する人はほとんどいない。
いやな奴だと思っても普通に付き合う。
いい人だと思っても付き合うとは限らない。
人の心でその行動を読むことは出来ない。
・・・結局読心機は何の役にも立たないことがわかったから。

テレビドラマで「愛」が人の心を読めば読むほど不幸になっていく。
自制心がきかない「愛」はまだ大人になりきっていないのだ。
でもこれってきっと誰にでも言えることかもしれない。
というより、自分のこととだぶってくる。
人の心を読む・・・というとどうしてもその人の悪い面ばかり読んでしまう。
そしていやになり付き合いをやめてしまう。
今までの人生、こんなことばかり繰り返してきたような気がする。
コメント
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