ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

口蹄疫

2010年05月21日 09時17分19秒 | 田舎暮らし
昔イギリスでウサギの被害に悩んでいた。
それでウサギを退治するために外国からウサギに強いウィルスを入れた。
すると効果てき面、ウサギはすっかり絶滅状態になった。
すると不思議なことに森が広がった。
でもそのうち再びウサギが増えだすと森の進出が止まった。
それはウサギが木の新芽を食べていたためだ。

このことでいろんなことを考えさせられる。
今、鹿や猪は農家に大きな被害をもたらす害獣として退治されている。
でももし絶滅したら・・・
森が広がり竹林が広がり、日本の中山間地はジャングルになってしまうだろう。
過疎化と高齢化で里山の手入れができない日本で里の環境を守っているのは鹿や猪の害獣なのかもしれない。

またウサギの話でウィルスによっても種は絶滅しないこと、ウィルスに強い個体が生き残ることがわかる。
有性生殖はウィルス対策によりできたと言われている。
有性生殖によって親とどこか違った子ができる。
そのためウィルスで死ぬ個体もでるけど生き残る個体もでる。
またウィルスにとっても個体の死はウィルス自体の死につながる。
というわけで弱くなったウィルスと病気に強い固体(耐性を持った個体)が生き残ることになる。

いったい鳥インフルエンザで野鳥は絶滅しただろうか?
カラスやスズメが絶滅しただろうか?
絶滅したのは人が意図的に絶滅させた特定地域の鶏だけではないか。

今宮崎の牛が絶滅しようとしている。
どうして病気にかからなかった牛、耐性をもった牛まで殺してしまうのか。
どうして死亡率の低い口蹄疫のために、口の中にできものができたというだけで治そうとしないで、殺してしまわないといけないのか。
これではいつまでたってもウィルスに勝つことはできないし、これからも大量殺戮は続くだろう。

しかし次のようなことも考えられる。
宮崎牛の種牛はほんの数頭だという。
ということは宮崎の牛の遺伝子は似かよってて個体差は少ないだろう。
これだとウィルスによって絶滅、あるいは絶滅状態になることは予想できる。
もちろんこれは宮崎の牛だけでなく日本の牛全体に言えるだろう。
鶏の場合は更に深刻で牛は妊娠しないとミルクは出ないけど、鶏は雄がいなくても卵を産むことができる。
そのために雄鶏を飼ってる養鶏農家はまずないので、遺伝子の個体差は牛よりもはるかに小さいだろう。
ということは鳥ウィルスによって鶏が絶滅することも充分考えられる。
というわけで病気に弱い肉が市場に出回ることになる。
これがはたしていいことだろうか?

いったい大量に殺すより他に解決策はないのだろうか?
人が病気になったらどうするだろう?
治るまで看病するだろう。
飼っている動物だって同じじゃないか。
なんとか治ってほしいと思うだろう。
病気になったから殺してしまえ!
これが今の日本の常識なのだろうか?

それは畜産農家、特に大規模な畜産農家の利益を優先して考えているからではないだろうか?
山羊飼いだったらどうだろう?
近くに病気が発生したというだけの理由で、大切に飼っている元気な山羊を殺せるだろうか?
たとえ病気にかかっても看病して治ってほしいと思うだろう。
これが普通の人間の気持ちではないか。
病気にかかったから、あるいは病気にかかってもいないのに殺してしまうというのでなく、
病気にかからなかった家畜を、あるいは病気が治った家畜を育て増やしていく他、ウィルスに勝つことはできないのではないだろうか?
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする