ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

善哉と汁粉

2010年05月04日 06時23分28秒 | 田舎暮らし
ぼた餅とおはぎ、というとすぐにぜんざいと汁粉が頭に浮かぶ。
これははっきり定義できるのではないだろうか?
小豆の粒粒が残っているのがぜんざいで残ってないのが汁粉。
ネットで調べたら次のように書いてあった。

 •御前汁粉 – 漉(こ)し餡を用いている。
 •田舎汁粉 – つぶし餡を用いている。
 •善哉 - ぜんざいとも表記され、粒餡を用いている。

あるいは次のようにも定義できる
 上品なのが汁粉、野蛮なのがぜんざい

でも好みから言えば野蛮なぜんざいの方が好きだ。
ただ飲むだけの汁粉と違って、粒粒を食べる楽しみがある。

ぜんざいといえば大阪の法善寺横町に「夫婦善哉」というぜんざい屋がある。
大阪風なというか浪速風な風情のある店でここではぜんざいと汁粉がセットで出てくる。
水掛不動にお参りして「夫婦善哉」でぜんざいを食べるというのが観光コースみたいなもので、そのために地元の人はかえって入りにくく、大阪にはながいこと住んでたけど一度しか入っていない。
味は? まあ普通の善哉だった。しかも生ぬるかった。

汁粉というと長崎の卓袱料理の最後にデザートとして出てくる。
卓袱料理は和食と洋食(オランダ)と中華料理が混ざった不思議な料理でとっても好きなのだけど、これら3つの文化がまだ充分にこなされていない江戸時代の名残を感じる。
それで卓袱料理を食べて酒もいっぱい飲んだ後に汁粉がでるとさすがにうんざりして残す人も多い。えっ、何これ?デザートに汁粉ねぇ・・・
砂糖が貴重だった頃、汁粉は最高のもてなしだったのだろう。
幕末から明治にかけて多くの外国人が長崎にやってきて渡航記を残している。その中でプーチャーチンの一行と来たオブローモフの作者ゴンチャロフは野菜の砂糖漬けをだされてあきれていた。
卓袱料理の最後に出る汁粉もその名残だと思うと歴史が身近に感じられる。そういえばトロクスンのいう白い大粒の豆を甘く煮たものが深皿に山盛り出てくるのにもまいる。美味いのだけどなんせ量が多いのでこれまたほとんどの人が残す。

善哉と汁粉あまり食べないけどたまに食べると、いろんなことを思い出してなつかしい。
コメント
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