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ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

雄鶏

2009年05月01日 09時25分59秒 | 鶏の話
先日雄鶏が一羽やってきた。
もちろん一人できたのではない。
ミクシィで知り合った人がつれてきたのだ。
この雄鶏は大阪の街の中でペットとして飼っていた鶏。
鳴き声がうるさいと近所の苦情でやむなく手放すことになったらしい。
一度は「もらってもいいけど、そのうち食べちゃうよ」、とやんわり~でもないか~断ったのだけど、貰ってくれる人が見つからなかったたらしい。
それで再度頼まれたので、引き受けることにしたのだった。

もちろん食べちゃうといったけど、こうなったらさすがにたべるわけにはいかない。これからずっと飼っていくつもりだ。
まあ雄鶏の一羽くらい何とかなるだろう。
ただ心配なのはほかの鶏と仲良くなれるかということ。
当分は離して飼うけど、そのうちいっしょにする。
きっと血まみれの喧嘩をすることになるだろう。
そして鶏界の序列が決まってなんとか仲間に入ることになる・・・と思う。
もちろん最後まで仲間に入れなくてずっと一人ぼっちということもある。
(実は今一羽、最後に生まれた雄鶏が、モル随分大きくなったのだけど、ずっと一人ぼっちで暮らしている。こんなにならなければいいのだけど・・・))

ところでこの雄鶏なかなか気性が激しく近づくと突っついてくる。
しかしこれは気性が激しいというよりは単にわがままなだけかも知れない。可愛がられてお山の対象、井の中の蛙のような状態かも。
ながいことカゴの中で飼われていたので、きっと運動量が少ないだろう。これでは我が家の鶏に太刀打ちできない。
さっそく網越しに喧嘩をしてたちまちやられてしまった。
やはり当分は離して飼ってそのうちいっしょにしよう。
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次の日、とり小屋に入ると一羽隅っこで頭を隠して身動きしない鶏がいる。
死んだのだろうか?
・・・それはやってきたばかりのあの雄鶏だった。
顔は血だらけ・・・でも無事だった。
でもどうして?
どうやら網越しに喧嘩してて網が破れて他の鶏が雄鶏の部屋に侵入してきたらしい。
今までは小山の大将だったのできっと自分が一番強いと思っていたのだろう。
そして今「敵を知り己を知れば百戦危うし!」の心境に違いない。

それから餌をやりに行くと、もう突っつくことはしなくなった。そして隅っこでじっと外を見つめていた。大阪に帰りたいのかな。
でもねぇ、もう帰る家はないんだよ。これからずっとここで暮らすんだよ。
それにはまず自分の弱さを知ること。これはもう充分わかっただろう?
次に逃げることを覚えること。喧嘩しようなんて思わないでね。
それから自分の居場所を見つけること。
後は身体を鍛えてじっと時を待とう。
そのうちみんな受け入れてくれるかも知れないよ。
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その後食欲もどうにか出てきた。
雄鶏は我が家特製の発酵飼料にも慣れてきたし、性格もすっかりおとなしくなった。というより臆病になった。
自分の弱さを思い知らされショックだったのだろう。
今まで狭い天井の低いところで飼われていたのだろう、来たときは足をまげて歩いていたけど最近はまっすぐ伸ばして歩けるようになった。
あとは他の鶏と仲良くなってくれたらいいのだけど、これはまだまだ時間がかかりそう。

ためしに部屋から出して他の鶏といっしょにしてみた。
しばらくは何事もなくのどかな雰囲気。ほかの鶏も知らん顔。
これはあんがいすんなりいけるかな・・・と思ったら、さっそくボス鶏が突っかかってきた。
ほっとけなくてついボス鶏を蹴ったら、今度は他の雄鶏が近づいてきた。外を見ながらさりげなく。
そして突然雄鶏に跳びかかってきた。なかなかの頭脳派だ。

どうやらまだいっしょにするのは早そうだ。
まだ当分の間離して飼うことになるだろう。
そしてそれまで何度かこのような試練を重ねることになるだろう。
でもまあ何とかなるだろう。
人が余り介入しないほうがいい。
時をまとう。