イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「学名で楽しむ恐竜・古生物」読了

2022年04月16日 | 2022読書
土屋健/著 芝原 暁彦/監修 谷村 諒/イラスト 「学名で楽しむ恐竜・古生物」読了

この本は、「アノマロカリス解体新書」の著者と同じ人なのだが、そんなことはまったく気にしていなくて、生物の学名についての蘊蓄の本が新聞で紹介されていたのだが、その本がなかったので似たような本を借りてみたということだ。

恐竜や地質時代に生きた生物を、あいうえお順に並べたという辞書形式になっている。
それぞれの名前がどういった由来で名付けられているかということが簡潔に書かれている。

学名というのは、属名と種小名というふたつの単語で構成されている。これは人間でいうと、姓と名前のようなものらしい。例えば、ホモ・サピエンスの「ホモ」の種族の「サピエンス」という種類となる。そして、その名前を付ける時には、その生物の何らかの特徴を表すことが望ましいと一応は推奨されている。
また、名前を付けた人がそこに自分の名前を盛り込むというとはまずやらないとか、同一の生物に別の人が異なる名前をつけたとすると、先に付けた名前が優先されるという、命名の先取権というものがあり、のちの研究でその名前がまったくその特徴を表していない場合でも最初の名前がずっと使われるという、ちょっとおもしろい結果になったりすることもあるらしい。
たまに人の名前が入っている生物があるが、これは献名というもので、その分野で功績があった科学者に対する敬意を込めて名付けられている。命名の先取権によっては、どう見てもイカだけれども、エビという名前がついていたり、あとから調べたらほ乳類なのに爬虫類を表す「サウルス」という言葉が入っている生物がいたりするのである。

まあ、結局、名前なんてただの符号のようなものだから何でもいいのだということなのかもしれない。人も名前で仕事をするわけではないのである。

この本には世界各地で発見された生物の名前が掲載されているが、日本で発見された生物には必ずと言っていいほどその化石が発見された場所の名前が付いているということに気付く。例えば、有名なフタバスズキリュウ(学名は、フタバザウルス・スズキイ)は福島県にある、双葉層群というところから発見された。ちなみにスズキイというのは鈴木直というひとが発見したからだが、この人が命名したわけではないのでこの名前が献名されているというわけだ。ほかにも、ニッポンという言葉が入っている名前も多かったりする。
ほかの国で見つかった生物には、確かにその特徴を表すような「大きな顎」だとか、「トカゲの王」というような名前が付けられているだけでどこで見つかったかみたいな名前はまず出てこない。まあ、トカゲの王というのも相当抽象的ではあるけれども・・。

やはり、そこにはなんだか日本人的な、お国が大切であるというような感覚であったり、地元に錦を飾りたいであったりというような気持が強く出ているなと思うのである。

まあ、名前を付けられた彼らも、自分がそんな名前であったということも知らずに絶滅していったわけで、どちらにしてもたかが名前なのである。

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