イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「おさかな談義」読了

2016年11月09日 | 2016読書
三浦定之助 「おさかな談義」読了

出版は1995年だが書かれたのは昭和16年と18年の戦前ということだ。奥付に書かれている紹介によると、著者は潜水技師で漁場の調査などをやっていて魚に対する造詣が深い。となっている。戦前に書かれた著作が再度出版され、それも400ページを超えるものとなるとそれなりに有名な人なのかもしれないが、それ以上はネットを調べてもなにもわからなかった。
1種類ずつの魚について、漁法はもとより著者の思い入れみたいなものを平均14ページくらいの分量で書かれている。ある意味、大作だ。

戦前というか、明治、大正時代の話が多いので、網が藁や麻、釣り糸もテグスは当たり前で、綿、絹を使っている。船も帆掛け船に櫓掛けの船という今では隔世の感がある内容になっている。
そんな装備で朝鮮や樺太、ロシア領まで魚を獲りにいっていたというのも驚きだ。
昔の人は今の人より

どういう理由、どういう順番でそれぞれの魚種を取り上げたのかはわからないが、最後の魚はボラになっていた。
このブログにも何度か書いたが、僕もボラという魚には思い入れがある。
臭いとか不味いとか釣り人には嫌われて外道の筆頭のように扱われているが、小さい頃、この魚を釣っていなければぼくはこれほど魚釣りを好きにはなっていなかったと思う。
この魚を臭いと言って嫌う人は本当は魚のことを分かっていないか、本当にいい釣り場を知らないのだと思う。水がきれいな気持ちのいい釣り場で釣ったボラはものすごく美味しい。

その魚を一番最後に取り上げてくれていたというのがこの本を読んでいて一番うれしかったことだ。
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2 コメント

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Unknown (森に暮らすひまじん)
2016-11-09 19:00:42
 「この魚を臭いと言って嫌う人は本当は魚のことを分かっていない」
 その通りです。先入観、食べず嫌い・・・。
ボラを三枚に下ろし、味塩を振って一晩冷蔵庫で寝かせれば、どんなに美味しいことか。
 味塩を振るのは、吉兆の料理長に教えてもらったのですが、今から30年ほど前のことです。
チヌやグレを釣っていてボラが掛かると、喜んで持って帰ります。
 但し、1尾だけですが・・・。
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Unknown (イレグイ号)
2016-11-13 18:09:28
森に暮らすひまじんさん、
いつもコメント、ありがとうございます。

沿岸で大量に捕獲できたであろうボラは昔の人にとっては貴重な蛋白源であったと思います。
人の暮らしと密接につながりがあったからこそことわざに出てきたり出世魚としていろいろな名前をもらっているのだと思います。
僕も最近は腕を上げて?チヌを釣るとそれだけで十分な量になるので最近は家に持って帰ることがなくなりました。
味塩を振って一晩寝かせるというのはこぶ締めのような感じなのでしょうか。
来年の春はぜひとも試してみようと思います。
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