イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「美味礼賛 上」読了

2010年08月26日 | Weblog
ブリア・サヴァラン 関戸秀雄 戸部松実 訳 「美味礼賛 上」読了
この本は、知る人ぞ知るグルメ本の草分けのような本だ。
著者はフランス人でフランス革命を生き抜き、この本も1825年に書かれたということだ。
昔々はよくいたような、博学卓識の人だったようで、解剖学者であり、生理学者、化学者、天文学者、考古学者、文学者、作詞、作曲もしたらしい。裁判所の判事なんかを勤めた高級官僚だったようだ。
原題は「味覚の生理学」ということで、中身もただただこの料理はうまいとかまずいとかではなく、味覚や「食べる」という行為がもつ意味など、この時代にこんな分析がされていたのかと思うほど科学的風に書かれている。しかし、堅苦しい文体ではなくおおらかな筆致で書かれているからすんなり読めてしまう。「釣魚大全」もそうだったが昔の本というのは詩的な書かれ方をしているように思う。
出てくる料理はヨーロッパの王宮文化が頂点に達した時代の著者の経験をもとに書かれているだけあって凝って凝って凝りまくっているようだ。


序文には20の鉄則のようなものが書かれている。11番目には食べる順序として、「身のあるものから軽いものへ。」と書かれている。僕はどうも貧乏性で、一番美味しいものを最後に食べる癖がある。トンカツが出たらキャベツを先に食べる口だ。グルメ失格ということだ。この本を読み始めてから意識はしてみるのだがやっぱりキャベツとヒジキは先に食べてしまう。さすが46年の性癖は治らない。
その前の10番目。宴会に出ないやつは○×△だ。などという上司はよく読みなさい。

魚食については、生殖本能を呼び起こすと書かれている。よく、釣師はスケベが多いと言われるが、本当かどうか・・・。
ただし、釣って食べる人に限られると思うが・・・。

全編薀蓄に富んだ内容だ。
下巻も楽しみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする