鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

陸上競技界の粋な試み

2006-11-15 | Weblog
 先日、陸上競技の為末大選手らトップアスリート数人が都内の小学校を訪れ、自らの技を披露することで、小学生に陸上競技の素晴らしさを直接見てもらう、という初めての試みを実施した。今後、全国各地の小学校を回って陸上競技のPRに努める、という。だれの発案か知らないが、小学生にトップアスリートのすごさを実際に目で見て、肌で感じてもらう、ということは素晴らしいことで、今後、陸上競技をめざす児童が出てきて、いずれオリンピック選手になる人が現れるかもしれないし、なによりも児童にとって世界最高水準の技を見るということはいま話題となっている教育のあり方というものをも教えてくれる。
 この試みは「キッズアスリート・プロジェクト」というものだそうで、400メートル障害の為末大、100メートル走の朝原宣治、棒高飛びの沢野大地、女子走り幅跳びの池田久美子選手ら日本の陸上競技のトップアスリート7人が、東京都杉並区の和田小学校の校庭で開かれた。全校生徒230人の前で100メートル走、棒高飛びの技をデモンソトレーションしたあと、高学年の児童に陸上教室を開いた。目の前で朝原選手が走るのを見て、「早い!」との声が起きたり、沢野選手が校舎の2階に届く5メートルの高さのバーをクリヤーするのを見て、「すごい!」との歓声が沸いた。100メートル走では選手と一緒になって競争している児童の姿が実に楽しそうだった。
 鈍想愚感子も中学生の頃に近くのプール開きの際に当時のオリンピック競泳の山中毅選手が来て、見守る観衆の前で自由形の泳ぎを披露したことがあるが、とにかく早いのにびっくりしたことがある。その後、バタ足だけで泳ぎのうまそうな子と競争したが、あっさりと抜いていったのもはっきりと覚えている。テレビや競技場で目にするのと直接目の前で見るのとではまるで違う。直接見る方がインパクトが強いし、強烈に記憶として残る。
 これも中学校時代のことであるが、当時の担任が陸上競技の部長をしていて、体育の時間に陸上競技の良さ、素晴らしさをしきりに説いていた。世界のスポーツで40億人のすべてがエントリーできるのは陸上競技だけで、オリンピックの花形で米国、ソ連がメタル獲得に最も力を入れているのが陸上競技だ、と言っていた。言われてみれば、確かにそうだが、だからといって陸上競技にそれほど魅力を感じなかった。そんな時に今回の「キッズアスリート・プロジェクト」のような企画があって、目にしていればまた違って見えたのだろう。
 いま子供の世界では野球、サッカーが全盛である。それ以外にも陸上競技はじめいろんな世界があるのだ、ということを身体で教えてくれるこんな試みがもっともっとあれば、いま話題になっているいじめの問題についても少しは解決の糸口を与えてくれるのではなかろうか。
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