テレビ東京の菅谷定彦社長が28日の記者会見で、同社の大株主となった元衆院議員、糸山英太郎が経営する会社が番組のスポンサーをしていたのに、幹部が挨拶に行かず「大口スポンサーへの礼を失した」として、担当役員2人を厳重処分注意、担当部長を戒告処分にした、と29日付けの読売新聞が報じた。大株主になったのに挨拶に行かなかったのが問題なのか、番組スポンサーなのに敬意を表さなかったのが問題なのか、はっきりしないが、コ-ポレート・ガバナンス上、企業は株式保有の目的を適切に把握することは重要なことであり、担当役員を処分うんぬんより、そうした重要な情報がトップに上げられない会社の体制こそ問題にされるべきである。
糸山氏が経営する新日本観光は昨年4月から今年3月までテレビ東京のゴルフ番組のスポンサーだった。糸山氏がテレビ東京株を取得したとの情報が流れた8月下旬に菅谷社長と面談した際、「誰も挨拶に来ないのはおかしい」と批判した、という。挨拶というより、テレビ東京側はなぜ株式を取得したに至ったかを当然、リサーチすべきだったろう。そのうえで、トップが訪問して会社の現状などを説明して、なんらかのコンサンサスを得ておくことは踏むべき手順だった、と思われる。
昨年来、ライブドアや楽天のマスコミへの大量株式取得で、マスコミ各界にM&A旋風が起きたばかりである。増して、テレビ東京は日本経済新聞が株式の33.3%を保有しているので、M&Aの帰趨によっては新聞社の経営にも影響を及ぼしかねない。一見、放送法で守られているような印象があるが、フジテレビ対ライブドアの時でも明らかになったように上場している以上、常にM&Aの脅威に晒されている。テレビ東京は確か、この春に監査役室長に内部統制室長を兼任させる人事を発表するなどコンプライアンス面でどうか、と思われる組織体制をとっている。マスコミの一翼を担っているとの認識が足りないのではなかろうか。
28日の社長記者会見では06年3-8月の営業収入は383奥2500万円で前年同月比3.7%増となっているが、うち利益に直結するスポット広告は113億3700万円で同4.1%減と若干変調を来たしてきている。だから、大口スポンサーうんぬんという話が出てくるのかもしえれないが、コンプライアンスと営業は全く別次元の話である。混同して事のよしあしが判断されるようでは会社の行く末が案じられよう。
菅谷社長はなにかと問題の出てきた日本経済新聞の社長にと推す声もある、と聞く御仁である。ここは毅然とした姿勢でコーポレート・ガバナンスを確立してほしいものだ。
糸山氏が経営する新日本観光は昨年4月から今年3月までテレビ東京のゴルフ番組のスポンサーだった。糸山氏がテレビ東京株を取得したとの情報が流れた8月下旬に菅谷社長と面談した際、「誰も挨拶に来ないのはおかしい」と批判した、という。挨拶というより、テレビ東京側はなぜ株式を取得したに至ったかを当然、リサーチすべきだったろう。そのうえで、トップが訪問して会社の現状などを説明して、なんらかのコンサンサスを得ておくことは踏むべき手順だった、と思われる。
昨年来、ライブドアや楽天のマスコミへの大量株式取得で、マスコミ各界にM&A旋風が起きたばかりである。増して、テレビ東京は日本経済新聞が株式の33.3%を保有しているので、M&Aの帰趨によっては新聞社の経営にも影響を及ぼしかねない。一見、放送法で守られているような印象があるが、フジテレビ対ライブドアの時でも明らかになったように上場している以上、常にM&Aの脅威に晒されている。テレビ東京は確か、この春に監査役室長に内部統制室長を兼任させる人事を発表するなどコンプライアンス面でどうか、と思われる組織体制をとっている。マスコミの一翼を担っているとの認識が足りないのではなかろうか。
28日の社長記者会見では06年3-8月の営業収入は383奥2500万円で前年同月比3.7%増となっているが、うち利益に直結するスポット広告は113億3700万円で同4.1%減と若干変調を来たしてきている。だから、大口スポンサーうんぬんという話が出てくるのかもしえれないが、コンプライアンスと営業は全く別次元の話である。混同して事のよしあしが判断されるようでは会社の行く末が案じられよう。
菅谷社長はなにかと問題の出てきた日本経済新聞の社長にと推す声もある、と聞く御仁である。ここは毅然とした姿勢でコーポレート・ガバナンスを確立してほしいものだ。