18日にほぼ毎週見ているTBSのサンデーモーニングを見ていて、スポーツコーナーの解説者に落合博満と中畑清の落中コンビが出てきて、いつも通りのプロ野球の結果報告から始まって、今週のスポーツ界のあれこれについて、結果紹介、コメントを紹介していった。そのなかで10日ほど前から始まった夏の高校野球甲子園大会に触れ、司会の膳場貴子が両氏にコメントを求めたところ、中畑氏が「全部テレビで観戦している」と答えたのに対し、落合氏が「私は高校野球は見ません」と答えたのに一瞬、耳を疑った。野球に興味を持つ人なら夏の高校野球甲子園大会を一切見ないなんてあり得るのか、と思ったからだ。プロ野球に携わる以上、高校野球からプロ球団に入る選手は毎年数多くいるし、高校野球界の要人と顔なじみであることがプロ野球人に欠かせない条件であると思っていたのにそれを半ば否定するような感じを与えたからでもある。
鈍想愚感子は子どもが野球をやっていて、神奈川県の東海大相模高校に入学し、夏の甲子園大会には出場できなかったものの、いつも半ば母校の動静には目を光らせていて、ことしは宿年のライバルの横浜高校を決勝戦で破っての甲子園出場とあって、2回戦からずっとテレビを見ながら応援してきた。ところが、残念ながら19日の準々決勝の第1戦で、関東第一高校に2対1で敗れてしまった。中盤まで両軍の投手の好投で0対0の接戦となり、東海大相模が6回裏の攻撃で初めて得点圏に走者を送ったが、攻守に阻まれ、得点には至らなかった。その直後、相手の関東第一高の先頭バッターに投げた初球をレフトスタンドにホームランを打たれてしまい、結局2対1で敗れてしまった。
東海大相模高校野球部の監督は数年前から原俊介・元巨人軍選手に代わっており、夏の甲子園大会ス出場は初めてのことだった、思う。原俊介監督は監督が正面に立って野球をしている感じがあり、しばらく低迷するだろう、と思っていたら、その通りだった。それが、20日くらい前の神奈川県大会決勝戦後の監督インタビューでは角張ったところがとれて、柔らかい印象だったので、甲子園大会では期待できるのかな、と思っていたが、まだそこまでいっていないことが裏付けられたような感じもした。
子どもの野球の応援に行っていた時から、この世界はやたら小姑が多くて、人間関係が大変だというのは随所に感じてきたことだった。いまでもそんな世界の頂点に立つ落合博満氏が「高校野球を一切見ない」と公言するのはそうした周りの声に耐えかねてのことだろう、と思われる。何か一言、落合氏が発言すれば、それが回り回って、どんな波紋をもたらすか、予想のつかないことが起きかねない、と懸念してのことだろう。実際には家で見ているのかもしれないが、対外的には「見ていない」ことで通して、実際にはその世界に詳しい人からこっそり動静を聞いて、必要な情報はチャッカリ入手しているのかもしれない、とも思った。