日経ビジネスの最新号によると、トヨタ自動車が自動車生産台数でGM(ゼネラル・モーターズ)を抜いて世界一の自動車会社になった、という。名古屋の財界のみならず日本の財界を牛耳り、世界へはばたこう、としているトヨタ自動車が名実ともに世界のトップ企業となったわけだ。ただ、そんなトヨタ自動車の足元を見ると、グループ従業員30万人だか50万人だかのうち、年間1億円を稼いでいるプレイヤーが何人いるのか、と問われると、おそらく1人もいないだろうことに愕然とする。
日経ビジネスの2月26日号の第二特集「先んずべし、トヨタ、世界最強への格闘」によると、2006年の自動車生産台数はGMが918万台なのに対し、トヨタは901万台としており、わずかにGMのが上回っている。ただ、GMが発表している数字はGM本体や子会社のほかにGMの出資比率が50%以上の上海GMや上海五菱汽車(出資比率34%)のような中国の拠点など6社以上の合弁会社の生産台数を含んでいる。これに対し、トヨタのは本体と日野自動車やダイハツ工業などの子会社だけで、中国など50%以上の出資会社の分は除外している。
トヨタノ50%以上出資の会社の生産台数は中国の3合弁会社の28万台、チェコノ合弁会社のうちのトヨタ車10万台、そしてGMとの合弁会社である米NUMMIで生産するトヨタ車35万台あり、これらを加えると、トヨタの生産台数は974万台となり、GMの918万台を抜いてめでたく世界一となる。
トヨタがなぜ生産台数をGmと同じ基準で算出しなかったのかはよく判らないが、いま世界一と喧伝されることが、いろいろと風当たりが強くなってはまずいという判断があったのだろう、と容易に推察される。
世界一となった企業にはそれなりの風格、品格が求められる。トヨタ自動車にそうしたものがあるのだろうか、と問われれば、否と言わざるを得ないだろう。人のものやことは知りたがるが、自分のことは聞かれても教えてもくれない体質は一向に直っているとは思えない。
名古屋の財界のみならず、いまや日本の財界を牛耳っているトヨタは一大王国を築いている。しかし、王国の繁栄を楽しんでいるのはごく一部のトップ経営層のみではないだろうか。先日、名古屋の人と飲んでいて、その人が言うには「あれだけ会社は稼いでいても、トヨタの従業員で1億円プレーヤーは1人もいない」と言い切った。言われてみて、確かにそうだ、と思い、鈍想愚感子は愕然とした。トヨタの従業員にとって世界一の生産台数なんて一体どこの会社のことだ、という感じであろう。
27日にトヨタが北米8番目の工場をミシシッピ州北部のブルー・スプリングスに建設する、と発表し、翌28日の朝刊各紙に第9工場や、メキシコ工場建設の計画が載っているが、先に女子秘書に対するセクハラで退任した社長を送り込んでいたことを考えると、世界一のロードを進む前にやることがあるだろう、と言いたい。
トヨタの経営者よ、世界一の座は従業員あってのもので、従業員に報いることをしないと、いずれトヨタもGMの二の舞になる、と言いたい。
日経ビジネスの2月26日号の第二特集「先んずべし、トヨタ、世界最強への格闘」によると、2006年の自動車生産台数はGMが918万台なのに対し、トヨタは901万台としており、わずかにGMのが上回っている。ただ、GMが発表している数字はGM本体や子会社のほかにGMの出資比率が50%以上の上海GMや上海五菱汽車(出資比率34%)のような中国の拠点など6社以上の合弁会社の生産台数を含んでいる。これに対し、トヨタのは本体と日野自動車やダイハツ工業などの子会社だけで、中国など50%以上の出資会社の分は除外している。
トヨタノ50%以上出資の会社の生産台数は中国の3合弁会社の28万台、チェコノ合弁会社のうちのトヨタ車10万台、そしてGMとの合弁会社である米NUMMIで生産するトヨタ車35万台あり、これらを加えると、トヨタの生産台数は974万台となり、GMの918万台を抜いてめでたく世界一となる。
トヨタがなぜ生産台数をGmと同じ基準で算出しなかったのかはよく判らないが、いま世界一と喧伝されることが、いろいろと風当たりが強くなってはまずいという判断があったのだろう、と容易に推察される。
世界一となった企業にはそれなりの風格、品格が求められる。トヨタ自動車にそうしたものがあるのだろうか、と問われれば、否と言わざるを得ないだろう。人のものやことは知りたがるが、自分のことは聞かれても教えてもくれない体質は一向に直っているとは思えない。
名古屋の財界のみならず、いまや日本の財界を牛耳っているトヨタは一大王国を築いている。しかし、王国の繁栄を楽しんでいるのはごく一部のトップ経営層のみではないだろうか。先日、名古屋の人と飲んでいて、その人が言うには「あれだけ会社は稼いでいても、トヨタの従業員で1億円プレーヤーは1人もいない」と言い切った。言われてみて、確かにそうだ、と思い、鈍想愚感子は愕然とした。トヨタの従業員にとって世界一の生産台数なんて一体どこの会社のことだ、という感じであろう。
27日にトヨタが北米8番目の工場をミシシッピ州北部のブルー・スプリングスに建設する、と発表し、翌28日の朝刊各紙に第9工場や、メキシコ工場建設の計画が載っているが、先に女子秘書に対するセクハラで退任した社長を送り込んでいたことを考えると、世界一のロードを進む前にやることがあるだろう、と言いたい。
トヨタの経営者よ、世界一の座は従業員あってのもので、従業員に報いることをしないと、いずれトヨタもGMの二の舞になる、と言いたい。