27日は東京都議会の傍聴に出かけた。昨年、石原慎太郎前都知事の際に東京都議会での石原節を聞きたいものだ、と思って傍聴に出かけたが、予算委員会の日程にしか合わせられず、次は本会議でと思っていたら、あっさりと退陣してしまった。そのあとを受けた猪瀬直樹都知事の答弁ぶりも聞きたいものだ、と思っていた。前日のNHKニュースで本会議の代表質問で、民主、自民、公明、共産4党の幹事長らからの質疑の模様を伝えていたが、3党ともさきの都知事選で433万8936票もの圧倒的な票を獲得し、圧勝した猪瀬知事にごますりのような質問しかせずに及び腰である、と伝えていたので、その通りかどうか確かめたい気持ちもあった。
平成2年12月に建てられた東京都庁のなかで都議会は議会棟の最上階にあり、堂々たるもので、入場にあたり、荷物検査はもちろんのことだが、目の前で携帯電話の電源まで切らせる徹底したものだった。この日は一般質問で、第1党の民主党の議員から各自持ち時間10分程度の質疑が始まった。質問が終わって、答弁に入ったところ、まず最初に猪瀬都知事が壇上に立って質問の答えたが、答えたのは最初の質問の都のエネルギー政策に関してだけの部分で、その後の質疑でも特に都知事に対して質問があったものについてだけの答弁で、せいぜい2、3分のものだった。その他のほとんどは教育長や総務局長ら幹部職員が入れ替わり答弁に立って、議員側もそれで納得しているようだった。
昨年から東京都議会のほか、神奈川県庁や横浜市議会、川崎市議会を傍聴してきているが、首長がこんなに楽なのは東京都議会だけであるのに驚いた。神奈川県庁などは代表質問であれ、一般質問であれ、回答のほとんどは知事がこなしており、都知事はいかに楽をしているかよくわかった。石原前知事が知事業の傍ら、いくつかの本の著述をこなし、さらには毎週テレビでの対談を行っていて、よくもそんな時間がとれるものだ、と感心していたが、そのからくりがよくわかった。石原都知事が都の職員をそう教育したのか、その前の青島幸男知事が何もしない都知事だったので、職員が自然とそういう風にしてしまったのか、実情はよくわからない。それに都の職員はそれだけ優秀なことも預かっているのかもしれない。
猪瀬知事は総選挙の陰で漁夫の利を得たのと、石原旋風にうまく乗ったのが圧勝の原因で、いずれ化けの皮が剥がれるのではないか、と思っていたが、これでえはなかなかそうはいかないだろう、と思った。
あと傍聴していて感じたのは神奈川県議会などでは、回答のあと、さらに議員が再質問して、議論をするのに東京都議会では質問して、回答する一方通行のやりとりだけで終始していたのが気になった。回答の半分以上は配下の官僚が作成した文書を読んでいるだけなのに、都知事や局長らの本音を引き出すのは容易なことではない、と思った。傍聴人に対してのアンケート用紙も配布されていなかったので、そんなことも書くこともできなかった。
もうひとつ、答弁席を眺めていて、知事の後ろの席に警視総監の西村康彦氏が控えていて、たまに答弁に立っていたが、それを見て改めて警視庁は都の組織なのだ、と思ったことだった。テレビドラマなどでよく警視庁が登場するので、一般の人は警視庁だけはつい全国組織だ、と思いがちだが、単に東京都の警察組織であることは意外と誤解されている。ということは警視庁は都の命令のもとにあり、都議会議員と極めて近い位置にある、と考えるとなかなかに意味深でもある、とも思った。
平成2年12月に建てられた東京都庁のなかで都議会は議会棟の最上階にあり、堂々たるもので、入場にあたり、荷物検査はもちろんのことだが、目の前で携帯電話の電源まで切らせる徹底したものだった。この日は一般質問で、第1党の民主党の議員から各自持ち時間10分程度の質疑が始まった。質問が終わって、答弁に入ったところ、まず最初に猪瀬都知事が壇上に立って質問の答えたが、答えたのは最初の質問の都のエネルギー政策に関してだけの部分で、その後の質疑でも特に都知事に対して質問があったものについてだけの答弁で、せいぜい2、3分のものだった。その他のほとんどは教育長や総務局長ら幹部職員が入れ替わり答弁に立って、議員側もそれで納得しているようだった。
昨年から東京都議会のほか、神奈川県庁や横浜市議会、川崎市議会を傍聴してきているが、首長がこんなに楽なのは東京都議会だけであるのに驚いた。神奈川県庁などは代表質問であれ、一般質問であれ、回答のほとんどは知事がこなしており、都知事はいかに楽をしているかよくわかった。石原前知事が知事業の傍ら、いくつかの本の著述をこなし、さらには毎週テレビでの対談を行っていて、よくもそんな時間がとれるものだ、と感心していたが、そのからくりがよくわかった。石原都知事が都の職員をそう教育したのか、その前の青島幸男知事が何もしない都知事だったので、職員が自然とそういう風にしてしまったのか、実情はよくわからない。それに都の職員はそれだけ優秀なことも預かっているのかもしれない。
猪瀬知事は総選挙の陰で漁夫の利を得たのと、石原旋風にうまく乗ったのが圧勝の原因で、いずれ化けの皮が剥がれるのではないか、と思っていたが、これでえはなかなかそうはいかないだろう、と思った。
あと傍聴していて感じたのは神奈川県議会などでは、回答のあと、さらに議員が再質問して、議論をするのに東京都議会では質問して、回答する一方通行のやりとりだけで終始していたのが気になった。回答の半分以上は配下の官僚が作成した文書を読んでいるだけなのに、都知事や局長らの本音を引き出すのは容易なことではない、と思った。傍聴人に対してのアンケート用紙も配布されていなかったので、そんなことも書くこともできなかった。
もうひとつ、答弁席を眺めていて、知事の後ろの席に警視総監の西村康彦氏が控えていて、たまに答弁に立っていたが、それを見て改めて警視庁は都の組織なのだ、と思ったことだった。テレビドラマなどでよく警視庁が登場するので、一般の人は警視庁だけはつい全国組織だ、と思いがちだが、単に東京都の警察組織であることは意外と誤解されている。ということは警視庁は都の命令のもとにあり、都議会議員と極めて近い位置にある、と考えるとなかなかに意味深でもある、とも思った。