鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

バイチュウで2週間めまいが続いたうそのような本当の話

2008-10-31 | Weblog
 先日、中国へ出張した時のことである。帰国する前の日に大連の中華料理店で現地のスタッフを交えて宴会となった。夕刻に地下駐車場から上に上がるのに大勢のお客で混みあい、会社の会合だけでなく中国人の家族連れでも賑わっていた。大連では名の通ったお店のようで、金ピカの装飾の豪華な部屋に通されて、中華料理店特有の大きな丸テーブルの席に着き、まず青島ビールで乾杯し、宴席が始まった。
 現地会社のトップが座を持つなかで、和やかに話が進んだ。この店は1階に大きな生け簀があり、お客が選んだものを料理してくれる仕組み。日本では見かけない動物とも植物ともつかない海産物があり、食してみて、やはり動物だ、と実感する場面もあった。そのうちに中国式の乾杯の話になり、中国では宴席では乾杯したお酒は必ず飲み干さないと失礼にあたる、という話が出て、現地人経営者が「10拝くらい干したことがある」と自慢し出し、みんなで乾杯しよう、という話になってしまった。
 乾杯するお酒は中国の穀物から造られた蒸留酒のバイチュウと呼ばれる白酒で、ラベルを見るとアルコール度数は52度となっている。ウオッカが60度くらいあるので、ウオッカよりは度数は低いが、恐ろしく高いアルコール度数である。人数分のガラスのコップを頼み、各人の前に1つづつ配られ、ほぼいっぱい注がれた。丸テーブルの端をトントンと叩いて、一気に喉に流し込む。喉と食道がカーッと熱くなる。最初に飲んだ青島ビールが丁度、口直しにいい、ということで、ビールを喉に流し込むと水みたいな味である。
 鈍想愚感子はそんなにお酒に強くないので、1回だけで勘弁してもらったが、残りの人は中国式だと言って、向き合った同士で「乾杯」と言っては杯をあけていた。
 この中国出張は初日から、毎朝4時か、5時起きで、夜は結構遅くまで飲んだりしていて、睡眠不足のままきていて最終日にはもうバテバテになっていた。そこへバイチュウが加わったわけで、翌日なんとか帰国したものの、睡眠不足と疲れとアルコールの負担が加わって、身体は極度の低下を示していた。帰国早々は緊張が解けずにこわばっていたが、2日目くらいから軽いめまいがし出した。通常、きついお酒を飲むと、目の白いところが破裂し、赤くなるのだが、今回はそうしたことはなく、すべて身体の中にアルコールが沈潜してしまったようだ。
 おかげで、医者に罹るほどでもないが、軽いめまい症状が1週間くらい続いた。朝起きるとクラクラとし、日中でも目をつぶると軽いめまい状態になり、夜寝るとしばらく目がグルグル回った。当初は年とってめまいがしたのか、と自分の体力のなさにがっかりしていた。それが、2週間くらいして、ようやくめまい症状がなくなり、バイチュウのアルコールが体内から消えたのがわかった。
 バイチュウの瓶は2度と見たくない。アルコールに弱い人だったら、バイチュウを乾杯して死んでしまう人がいる、というのもむべなることだ、と思った。
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失われていくプロの聖域

2008-10-30 | Weblog
 全日空が29日、パイロットの機乗前日に飲酒するアルコールの量をビールなら中瓶2本、日本酒なら2合までとする、と発表をした。最近、パイロットが前日の飲酒で規定を超えるアルコールが検出され、飛行機の出発時間を遅らせるケースが多発していることから、異例な措置となったもの。かつての花形職種であったパイロットのプロとしての自覚が薄れてきたというわけで、小学生並みの扱いを受けるようになったのは大いに嘆かわしいことだ。
 機長や副操縦士など乗員の飲酒規制は国に規定では乗務8時間前からとなっているが、全日空は社内規定で12時間前から規制している。もちろん、同社は乗務前に飲酒検査を行っており、呼気1リットル当たりのアルコールの量が0.1ミリグラムを超えると乗務させないことにしている。今年8月から新型の検知器を導入したところ、規定を超えるケースが続出し、乗員を交代させるなどを行ってきたが、それでも飛行機の出発時間を遅延させる事態が5件も出た。
 そこで、従来の乗務12時間前の飲酒禁止に加えて、前日の飲酒の量についても規制することにした。通常なら6~8時間で分解するとされているビールなら中瓶2本、日本酒なら2合までとした。もちろん、人によってアルコールに対する体質の強さ、弱さがあるので、一概には規制できず、あくまでも精神規定にとどまるのは否定できない。
 パイロットは大勢の乗客の生命を預かる重要な使命を帯びており、一瞬の状況判断の誤りがが飛行機事故につながりかねない。アルコールがそうした判断を狂わせるのは間違いなく、規制を強化するのは当然の措置といえる。だからこそ、パイロットは、一時のコンピュータ・プログラマーと同じく時代の花形職種として脚光を浴びたこともあった。
 それが、いまや飲食の内容にまで規制を加えられる児童と同じ立場に追いやられてしまった。最近の飛行機は操縦のほとんどがコンピュータで制御されており、作業は決められた手順に沿ってボタン操作するだけで済むと言われており、一説には計器飛行とも言われている。それだけ職人技に頼る部分は極めて少なくなっているわけで、全日空のアルコール規制はパイロットが自らをコントロールできなくなっている証左なのだろう。
 だからプロ意識が薄れているのかもしれないが。パイロットに限らず、プロと言われる職業が聖域を失っている、ということなのかもしれない。
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犯罪の温床となった新銀行東京なんてもう要らない

2008-10-29 | Weblog
 石原慎太郎東京都知事肝入りの新銀行東京の元行員が暴力団と組んで不正融資を画策した、として逮捕された。かねて関係各方面から素人商法としてヤリ玉に上がっていた新銀行東京の杜撰なマネジメントが改めて浮き彫りとなったわけで、新銀行東京をこれ以上存続させる意味がなくなった。石原都知事は「こうした事態を招いた旧経営陣の責任は重い」としているが、そんな経営陣を任命した自身の責任はもっと重い。
 警視庁に逮捕された新銀行東京の契約社員は在籍した1年間で約100社23億円の融資を担当した。元暴力団組員でソフトウェア会社「アシストプラン」の社長らと組んで改竄した決算報告書や借入金申込書を提出し、5000万円を融資させて詐取した。契約社員は詐取した5000万円のうち100万円を手数料として受け取り、なおかつ融資申し込みから5日間で手続きが完了するなで営業成績が評価され、新銀行東京から約70万円の成果手当が支給された、というから驚く。警視庁は他にも同様の詐取を行っているものとみて、余罪を追及する構え、という。
 この契約社員は旧住友銀行などに勤務後、06年1月に新銀行東京に入行、同4月に池袋出張所に着任、07年3月末に退職した。新銀行東京は石原都知事が「中小・零細企業のため」という大義名分のため04年に設立され、05年から「無担保・無保証融資」を看板に開業した。対人営業を軽視した書類中心の「自動審査システム」を採用したことも手伝って杜撰な融資が続出し、今年1月末で2345社285億円の焦げ付きに上った。取引した1万3000社のうち約5000社が赤字、もしくは債務超過にあることから、都から400億円の追加出資を受けたばかり。この裏にこうした不正融資があったとあっては経営陣の甘い管理体質が改めて問われるのは必至である。
 もともと都の経済局には高度化とか、近代化などという名目のもと中小・零細企業の先進的な試みを奨励するための融資・奨励金の類のものがある。この場合は都議会の予算のなかに盛り込まれるため、議会審議を経たうえで融資や補助が決定される仕組みとなっている。ところが、新銀行東京の場合は独立機関の体裁を取っているため、そうしたチェック機構が働かない。さらには銀行の融資に伴う審査については全くの素人集団で、とにかく融資案件を集めてくるしかなかったのだろう。
 外部からスカウトした専門家であるはずの元銀行員もふたを開けてみれば、暴力団とつるんだ不良行員で、管理のスキをつかれてみすみす犯罪の場を提供する羽目に陥ってしまった。
 都民の大事な税金を暴力団の資金源とするようなことは決して許されていいことではない。新銀行東京の不正融資には石原都知事の子息である石原伸晃議員がからんでいるような噂もある。そうなれば、なおさら当の石原都知事の他人事のような発言は放っておけないし、都民はもう黙ってはいられない。石原都知事に厳しく責任を問うべきである。
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こんなチームづくりでは日本はWBCで勝てない

2008-10-28 | Weblog
 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の監督に原辰徳ジャイアンツ監督の就任が本決まりとなった。27日開かれたプロ野球のWBC体制検討会議で、加藤良三コミッショナーが提案し、だれも異論をさしはさまなかったので、決まりとなったもので、前回15日の会議からセパ両リーグの覇者が決まったことを受けての決定であるが、こんな安易な決定でいいのか、疑問が残る。これで、加藤コミッショナーが単に影のコミッショナー、渡辺恒雄読売ジャイアンツ会長の意を受けた傀儡であることがはっきりした。
 WBC体制検討会議は前回15日の第1回会合で、日本シリーズを制覇したチームの監督がいいなどの意見が出たものの、王貞治コミッショナー代行が「星野氏がいいのではないか」と発言したことで、ほぼ星野氏に依頼することで意見の一致を見ていた。渡辺会長が星野氏を推していることを受けたもので、ほぼその方向できていた。ところが、WBCの有力メンバーと目されるイチローが「現役の監督を排除するのは考えられない」と暗に星野氏の就任を否定する発言をしたり、落合博満中日監督が「野球を一番知っている野村克也楽天監督がいい」と発言したりして、一挙に星野氏就任は後退した。
 それで日本シリーズ制覇の監督がいい、ということになったが、決まるのは11月初旬になるので、それでは遅すぎる、ということで、にわかに原監督にする案が浮上した。パリーグ制覇の渡辺久信西武監督が辞退したこともあって、原監督に白羽の矢が立ったようである。原監督推薦の理由が13ゲーム差をひっくり返してセリーグを制覇したことが挙げられているが、単に13ゲーム差をつけながら制覇できなかった阪神がだらしなかったに過ぎない。
 野球を知っている人で原監督の采配がいい、と思っている人はそんなにいないはずである。金に任せてチームづくりをしてきた渡辺会長のもとで、言われる通りに踊っている雇われ監督に過ぎない。プロ野球をここまでだめにしてきた張本人である渡辺会長の腰巾着である。
 どうせ加藤コミッショナーは自分では見極められないから、渡辺会長にお伺いを立てて、原監督にする旨のご託宣を得たのだろう。あとは茶番でしかない。敷かれたレールの上を走っている輩に過ぎないのだから、原監督が辞退することなんてあり得ない。
 問題は原監督でWBCに勝てるのか、ということである。王コミッショナー代行が全面的に補佐するとは言っているが、健康面からそう前面には立てない。となると、コーチや選手の選任から、采配までを原監督がやらなければならない。そんな立場で野球に取り組んだことがないから、多分もう一人補佐する人が必要になってくる。補佐に星野氏をもってきたり、前回アテネオリンピックで監督代行をして失笑を買った中畑清氏をもってくるようなことだけはしてもらいたくない。そんなことをすれば、またぞろイチローが「本気で勝つつもりがあるのか」と疑問を投げかけるに違いない。
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金融危機に吹き飛ばされた解散・総選挙

2008-10-27 | Weblog
 26日、麻生首相は東京・秋葉原で首相就任後初めての街頭演説を行った。漫画オタクに理解を示す数少ない政治家として一部の若者に人気のある麻生首相は6月に起きた秋葉原通り魔事件に哀悼の意を表した後に当面する政治課題について所信を述べ、それなりの効果を上げた。なにかと暗い話の多いなか、マスコミに格好の話題を提供したが、秋口に吹き荒れた衆院の解散風はいまやすっかり影をひそめた感じである。年内はおろか来春、もしくは任期いっぱいの来年夏まで延期されるとの声まで出始めた。
 その最大の理由がサブプライムローン問題をきっかけにして起きた世界金融危機で、総選挙どころではなくなってしまった。日本は被害者であるが、世界中を舞台とした金融問題だけに株式、為替相場がモロに影響を受けるので、放置しておくわけにはいかない。麻生首相はもともと「株式、為替相場の動向には一喜一憂しない」主義ではあるが、グローバル経済の波の渦に飲み込まれて日本企業が翻弄されるとあっては、日本政府として対策を講じざるを得ない。
 ということで、補正予算を組んだり、中小企業に対する優遇策や景気振興策を取ったりしてきている。また、ことが世界的に起きていることから、G8、もしくはG20首脳会議で協調できることはしよう、との機運が盛り上がってきている。麻生首相は「仮に総選挙中であってもG8首脳会議が行われば出席する」と最優先で応じる構えを見せている。
 いまだに金融危機の先行きは見えないだけに日本だけでなく各国が協調して新しい金融秩序を構築しない、といけない。その渦中にあるだけに総選挙どころではない、という気分になるのは当然のことだろう。船が沈みかかっているのに海軍の組織をどうするか、議論をするようなもので、総選挙は意識の彼方にいってしまっている、というのが正直なところだろう。
 片や民主党は相変わらず政権交代をするために総選挙をと声高に叫んでいる。自民・公明党に任しておいて不安ではあるが、ことこの金融危機に対しては自公でも民主党でも変わりはないだろう。党を超えた段階で取り組まざるを得ないところまできている。自民党の間で、解散を先に延ばそうとの声が高まっているのは民主党の勢いを削ぎ、その間に風も変わってくるだろう、との読みがあるからだろう。
 それにしても麻生首相は運のいい政治家である。ホテル三昧で一部のマスコミから袋叩きにあっているが、国民はいもの当面する金融危機の先行きが気になって、麻生首相の素行を非難する気にもならず、ほぼ黙認した形となってしまっている。麻生首相になってほぼ1カ月経つが、特にいいことをした記憶もない。単に世界金融危機から派生する諸問題への対応をしているに過ぎないのだが、だれがやっても同じことをしたのだろうが、なんとなく前任、前々任の安倍、福田氏より明るい印象がある。この明るさが取り柄なのだろう。この意味では麻生首相はついているといえるのかもしれない。
 もっともこの明るいキャラで救われるとしてもせいぜい半年である。当面する金融危機への処方箋をきちんと描き、実践しない限り、来るべき総選挙では勝てないことになるだろう。

追記 27日の東証株式市場は朝方は小幅高で持ち直したか、と思われたが、午後になって三菱東京UFJ銀行の1兆円規模の増資が嫌気され、金融株を中心に大幅ダウンし、終値は前日比486円15銭安の7162円90銭と1982年10月以来、実に26年ぶりの安値を記録した。止まらぬ円高も拍車をかけたようで、世界金融危機の影響はとどまるところを知らない。
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本場イタリアの本格的オペラを垣間見た「リゴレット」

2008-10-26 | Weblog
 25日は東京・初台の新国立劇場で、オペラ「リゴレット」を観賞した。「女心の歌」で知られるイタリアオペラで、今回はいつものS席から1ランク下げたA席を申し込んだところ、2階の5列のほぼ中央の席となった。見渡すとほぼ満席で、金融危機不況の影響はどこにも感じられない感じであった。もっともこの公演のチケットの発売当時は金融危機のかけらしかなく、危機に陥った時はすでにチケットを確保済みで、こうした文化面に影響が出てくるのはまだ先のこととなりそうである。
 舞台が上がると、中世ヨーロッパのマントヴァ公爵の館に人々が集い、ドンファンで知られるマントヴァ公爵が現れ、腹心の部下に教会で出会った娘をものにしたい、と打ち明ける。また、公爵は「私にはあの娘もこの娘も同じ、皆を平等に愛するのだ」と高らかに歌い上げ、傍を通りかかったチェプラーノ侯爵夫人を誘惑しよう、とする。宮廷道化者のリゴレットは落ち着かないチェプラーノ侯爵をあざ笑い、マントヴァ公爵に邪魔な夫など首をはねてしまうがいい、と進言するので、宮廷中の反感を買う。そこへ娘を弄ばれたとしてモンテローネ伯爵が乱入し、マントヴァ公爵に抗議する。ここでもリゴレットは伯爵を笑い物にするため、怒ったモンテローネ伯爵は公爵とリゴレットを呪うので、一同は恐怖に凍りつく。
 場面は変わって、殺し屋とすれ違ったリゴレットが隠れ家に帰ると、最愛の娘ジルダが待っている。ところが、ジルダは教会で会った公爵扮する学生が忘れられず、リゴレットが去った後に忍び込んだ公爵と口づけを交わす。しばらくして帰ってきたリゴレットは宮廷人たちが集まってチェブラーノ公爵夫人を誘拐しようとしているのを目隠しして手伝わされるが、実は誘拐されたのは娘ジルダであることを終わったあとになって知る。
 第2幕は娘を必死で探し求めるリゴレットを宮廷人たちはいい気味だとからかう。そして公爵の寝室から痛ましい姿で走り出てきた娘ジルダを見て、リゴレットは復讐を誓う。第3幕では殺し屋の家で妹マッダレーナを必死でかき口説く公爵は「女心の歌」を高らかに歌いあげる。リゴレットはその姿を娘ジルダに見せて公爵の本性を暴こうとするが、恋に狂ったジルダはそれでも公爵のことを思いきれず、殺し屋が公爵を殺そうとするのを聞いて、身代わりとなって死地に赴く。その前に殺し屋に公爵の殺害を依頼していたリゴレットは翌朝になって、死体を取りに行き、受け取った死体が公爵であると確認しよう、とすると、公爵の歌う「女心の歌が聞こえてくる。空耳か、と思って死体を確かめると、娘ジルダであった。リゴレットはモンテローネ伯爵の呪いであることを思い知り、幕となる。
 最初は事前に粗筋を頭に入れていかなかったので、テンポの早い場面展開についていけなかった。両側の字幕に出る歌の訳を追いかけるだけで精一杯で、とても歌を楽しむまでにはいかなかった。休憩時間にパンフレットを金1000円也で購入して、あらすじをしっかり読んだら、展開がわかるようになった。
 いつもながら舞台装置は素晴らしいし、群衆の場面は演出が行き届いていて、見ごたえがある。主役のジルダを務めた小学校の先生上がりというアニック・マッシスもソプラノの声が通り、リゴレット、公爵役のラード・アタネッリ、シャルヴァ・ムケリアもいい咽を聴かせてくれた。本場イタリアの本格的なオペラを垣間みせてくれた。 
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承前 景気討論会の議論を顔色なさしめた株価暴落

2008-10-25 | Weblog
 23日の景気討論会での議論をあざ笑うかのように翌24日の東証市場はあっさりと8000円台を割りこみ、前日比811円90銭安の7649円08銭と暴落し、バブル崩壊後の最安値目前に迫った。その最大の要因は円高でロンドン市場では一時1ドル90円87銭と95年8月以来、13年2カ月ぶりの水準となった。三菱商事の小島順彦社長以下トップ経営者・エコノミストが大恐慌とはならない、とご託宣したその舌の根の乾かないうちでの大波乱ぶりで、パネラー4氏の顔色をなさしめた。
 23日の景気討論会では世界を覆う金融危機を前に総悲観となっている聴衆を前に4人のパネラーは全治2年で大恐慌になることはない、と大見栄を切った。周りが暗い時は多少でも明るい見通しを言うことが希望を与えることになる、とでも思ったのか、世界の金融危機は日本以外のところで発生した危機であり、なんとか持ちこたえてくれるのではないか、といった感じを持って、家路についた。
 ところが、一夜明けての東証市場は大幅な業績の下方修正を発表したソニーの売りをきっかけに折からの円高が加わって大幅なダウンとなってしまって、安心感をものの見事に打ち砕いてしまった。東証市場の暴落はそのまま、海外市場へ波及し、24日のニューヨーク市場もダウ工業株30種平均で前日比312.30ドル安の8378.95ドルを記録した。
 先日のNHKテレビ「クローズアップ現代」で放映していたが、現在の世界の実体経済の規模は5000兆円で、これに対し金融経済の規模は4倍強の2京2000兆円にものぼっている、という。サブプライムローンや、深尾光洋日本経済研究センター理事長の言うCDS(クレジット・デフォールト・スワップ)など信用経済が加わってのもので、もちろんこのなかにはストックとしての資産も含まれているので、すべてが架空のものではないが、今回の危機はこの信用経済が実体経済の規模に近づく過程での混乱ということなのだろう。
 もちろん、サブプライムローンやCDSなど信用経済が調整されていく過程で、輸出の減少や住宅需要の減少、個人消費の低迷などで実体経済が縮小すれば株価や債券市場に影響し、しばらく悪循環が続くということになる。
 為替についていえば、円高は日本の株価が変わらなくてもドル表示では円高になった分だけ株価は上がり、上がるはずのものが上がらなくなり、上方への硬直性を持つことになる。
 いずれにしろ、日本経済は全治2年どころか、向こう3年から5年は隔離病棟に入ったような状態で進む、ということなのだろう。
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世界金融危機は大恐慌にはならず、全治2年の重傷

2008-10-24 | Weblog
 23日は東京・大手町の日経ホールで開催された「景気討論会」を聞きにいった。世界的な金融危機不況がとどまるところを知らないなかでの景気討論会とあって、会場はびっしり満員。前日に東京市場は円高要因も加わって631円56銭安の8674円69銭と今年に入って6番目の下げ幅を記録し、この日も朝から続安で、一時は8000円割れ寸前までいった。司会の小孫茂日経編集局長が「8000円を割ったら、この携帯が鳴ることになっています」と実況中継するほどの緊迫した雰囲気で議論が進んだ。
 まず、国際金融危機の現状をどう見るか、というところから議論に入り、武藤敏郎大和総研理事長らが「公的資金の注入を決めたが、まだ不透明」、木内登美野村證券チーフエコノミストが「パニックを沈静化させるには時間がかかる。各国共同で金融の仕組みつくりに取り組まなければならない」とまだ治まるまでに時間がかかる、と表明したなかで、深尾光洋日本経済研究センター理事長が「サブプライムローン問題の他に金融機関の賭けのようなCDS(クレジット・デフォールト・スワップ=担保債務証券)問題があり、一説には54兆ドルもの規模に膨れ上がっている可能性がある。今後、突然資金がショートして破産する金融機関がでてくることが予想される。このあたりをしっかりと開示していかなければならない」と語り、会場をドキリとさせた。
 ただ、今回の金融危機は1930年代の大恐慌とは異なり、G7の枠組みがるkとや、政策対応のスピードも早いし、セーフネットの整っているので、実態経済が当時のようになるとは考えにくい、ということで意見でと統一された。
 そして、経済成長の見通しになり、08、09年ともGDPはマイナス成長で、景気が上向くのは2010年になってから、つまり全治2年の不況に入る、ということでもパネラー4氏の意見は一致した。しかし、日本経済を取り巻く不安要因はいずれも外部要因ばかりで、日本経済が根底から揺さぶられているのではない、という妙な安心感があり、景気の悪い話をいしている割には暗さは感じられなかった。金融危機も対岸の火事視している風があり、日本の金融機関には株価の下落による自己資本比率の低下という問題をつきつけるくらいの影響しかない、という感じで、一方で果たして楽観していいのか、やや突っ込み不足の感もあった。
 この後「補正予算は当面の痛み止め程度の効果しかなく、中長期的な成長を見据えた産業の再構築が必要。それに税制改革、社会保障、財政改革、地方財政の立て直しにも取り組むことも必要」(武藤理事長)との発言があった。最後に「「米国一国優位の世界経済構造の変化が起きており、今後日本のグランドデザインをどう描いていくか」(武藤理事長)との疑問を投げかけて終わった。
 なんとか、この日は8000円台割れは回避したが、世界経済の先行きは相当に暗いものがあることを実感した。
 
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最大の問題は産婦人科医の不足にある

2008-10-23 | Weblog
 今月4日に東京都内の7つの病院に受け入れを断られた後に妊婦が死亡した事件が22日になって突如判明した。この妊婦は妊娠35週と4日目で脳内出血を起こしていたのが致命傷となって死亡したもので、単なる妊娠だけではなかったことが伝わらなかったようだ。東京都は都内22カ所にあるリスクの高い妊婦に対応する周産期母子医療センターと都、消防を結ぶ「周産期医療情報ネットワーク」を形成しており、緊急の場合に患者の受け入れが可能なセンターが一覧できるシステムを構築しているが、今回はこのシステムが機能しなかった、という。
 死亡した妊婦は4日午後7時頃頭痛などを訴え、救急車で江東区のかかりつけの産婦人科医院に運ばれたが、脳内出血を疑い、脳神経科と産科のある病院に運ぶことを決め、近くの都立墨東病院に連絡したが、「当直が1人しかいない」と断られたので、「周産期医療情報ネットワーク」を検索し、東京慈恵会医科大病院など3つの病院に問い合わせたが、いずれも満床などを理由に受け入れを拒否された。さらに3つの病院にも問い合わせたが、満床を理由に受け入れを拒否された。
 そこで、再度、墨東病院に受け入れを要請し、当直医が外にいた産科部長に緊急登院を求め、件の妊婦をうけいれた。が、その時には妊婦はすでに呼吸停止状態になっていた、という。で、帝王切開で胎児を取り出した後に、妊婦の頭部の手術を実施したが、3日後に症状を悪化させ、死亡に至った。
 問題は妊婦が脳内出血を起こしていたことがかかりつけの病院から執刀した墨東病院に伝わっていなかったことで、双方の病院の医師が「伝えた」、「聞いていない」と泥試合の会見を行っている。専門家同士のコミュニケーションですら意思疎通の行かないことがるのだから、素人が医師に病状を正確に伝えることは至難の技ということになろう。
 また、今回はなぜ2週間以上も経ってから、事件が明るみに出てくるのだろうか。妊婦の肉親が問題だ、として都なり、マスコミに訴えたからだろうか。今回は執刀した墨東病院も都立であり、「周産期医療情報ネットワーク」も都が運営しているシステムで、東京都側の対応不備が明らかで、訴える先が絞り易かったことから、大々的に取り上げられることになったのだろう。いずれ、裁判沙汰となり、然るべき責任者への追及が行われることになるだろう。
 最大の問題は産婦人科医そのものの数が足りないことで、いかにシステムを完備したとしても、医者の数が少ないことには変わりはなく、その対策を講じることが先決だろう。今回は不幸中の幸いで、胎児の命だけは取り留めることができたが、本格的な対策を講じないと、こうした悲劇は再発することだろう。 
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最後まで人騒がせだった三浦和義

2008-10-22 | Weblog
 三浦和義・元輸入雑貨販売会社社長が移送先のロサンゼルス市警の留置場で死亡したが、弁護側の依頼した病理学者が鑑定した結果、三浦元社長は自殺でなく他殺であった、と発表し、改めて議論を呼んでいる。しかし、冷静に考えると、三浦元社長は前妻の殺害事件の共謀者として米司法当局から訴追を受けており、有罪は免れないと見られていたことからして、あえてその罪人を殺す理由が見当たらず、弁護側がなんらかの意図を持って申し立てているとしか思えない。
 弁護側の独自鑑定によると、元社長の遺体の背中には殴打されてできたとみられる内出血があったほか、咽には首を絞められてできた可能性がある血腫が見つかった。これらは首吊りでできる傷ではない、という。これに対して、ロス市警は鍵のかかった部屋で見つかっていることから、先の自殺との発表を変える意向はない、としており、弁護人のグラゴス氏の再検視の要求も拒否する考え、という。
 三浦元社長の自殺も唐突で、20年以上にわたって無罪を主張して日本での裁判では無罪を勝ち取ってきた常人を超える強い精神力を見せてきたのに、米国に収監された途端、急に弱気になった背景には一体何があったのか、共謀罪以外に暴かれて困るような犯罪が隠されていたのか、それとも死亡保険金を多額にかけていて、妻子に残そうとでもしたのか、本当の理由はよくわからない。ひょっとすると、偽装で米検察側を欺こうとしたところ、誤って本当に死んでしまった、というブラックミステリーが真相だったりするのかもしれない。
 しかし、多くの人が思っていたように今回の米国の共謀罪での有罪は免れなかったところであり、異国の留置場で恐怖に駆られたのは間違いない。それでも自殺に追い込まれるまでは至らないだろう。増して、第三者が三浦元社長を殺す理由はさらさら考えられない。三浦元社長を殺してメリットのある人がいないからで、留置場内にいる他の容疑者に依頼して三浦元社長を殺害するような人もいた、とは考え難い。
 となると、グラゴス弁護士が米司法当局なり、ロス市警に対してなにか他の目的のもとに言いがかりをつけて譲歩を勝ち取ろう、としていることしか考えられない。いずれにしろ、三浦元社長は最後まで人騒がせな御仁であったことは間違いない。将来、物好きな小説家や、ルポライターが小説の材料にでもするかもしれないが、読みたいとは思わない三文小説にしかならないだろう。
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