先日、中国へ出張した時のことである。帰国する前の日に大連の中華料理店で現地のスタッフを交えて宴会となった。夕刻に地下駐車場から上に上がるのに大勢のお客で混みあい、会社の会合だけでなく中国人の家族連れでも賑わっていた。大連では名の通ったお店のようで、金ピカの装飾の豪華な部屋に通されて、中華料理店特有の大きな丸テーブルの席に着き、まず青島ビールで乾杯し、宴席が始まった。
現地会社のトップが座を持つなかで、和やかに話が進んだ。この店は1階に大きな生け簀があり、お客が選んだものを料理してくれる仕組み。日本では見かけない動物とも植物ともつかない海産物があり、食してみて、やはり動物だ、と実感する場面もあった。そのうちに中国式の乾杯の話になり、中国では宴席では乾杯したお酒は必ず飲み干さないと失礼にあたる、という話が出て、現地人経営者が「10拝くらい干したことがある」と自慢し出し、みんなで乾杯しよう、という話になってしまった。
乾杯するお酒は中国の穀物から造られた蒸留酒のバイチュウと呼ばれる白酒で、ラベルを見るとアルコール度数は52度となっている。ウオッカが60度くらいあるので、ウオッカよりは度数は低いが、恐ろしく高いアルコール度数である。人数分のガラスのコップを頼み、各人の前に1つづつ配られ、ほぼいっぱい注がれた。丸テーブルの端をトントンと叩いて、一気に喉に流し込む。喉と食道がカーッと熱くなる。最初に飲んだ青島ビールが丁度、口直しにいい、ということで、ビールを喉に流し込むと水みたいな味である。
鈍想愚感子はそんなにお酒に強くないので、1回だけで勘弁してもらったが、残りの人は中国式だと言って、向き合った同士で「乾杯」と言っては杯をあけていた。
この中国出張は初日から、毎朝4時か、5時起きで、夜は結構遅くまで飲んだりしていて、睡眠不足のままきていて最終日にはもうバテバテになっていた。そこへバイチュウが加わったわけで、翌日なんとか帰国したものの、睡眠不足と疲れとアルコールの負担が加わって、身体は極度の低下を示していた。帰国早々は緊張が解けずにこわばっていたが、2日目くらいから軽いめまいがし出した。通常、きついお酒を飲むと、目の白いところが破裂し、赤くなるのだが、今回はそうしたことはなく、すべて身体の中にアルコールが沈潜してしまったようだ。
おかげで、医者に罹るほどでもないが、軽いめまい症状が1週間くらい続いた。朝起きるとクラクラとし、日中でも目をつぶると軽いめまい状態になり、夜寝るとしばらく目がグルグル回った。当初は年とってめまいがしたのか、と自分の体力のなさにがっかりしていた。それが、2週間くらいして、ようやくめまい症状がなくなり、バイチュウのアルコールが体内から消えたのがわかった。
バイチュウの瓶は2度と見たくない。アルコールに弱い人だったら、バイチュウを乾杯して死んでしまう人がいる、というのもむべなることだ、と思った。
現地会社のトップが座を持つなかで、和やかに話が進んだ。この店は1階に大きな生け簀があり、お客が選んだものを料理してくれる仕組み。日本では見かけない動物とも植物ともつかない海産物があり、食してみて、やはり動物だ、と実感する場面もあった。そのうちに中国式の乾杯の話になり、中国では宴席では乾杯したお酒は必ず飲み干さないと失礼にあたる、という話が出て、現地人経営者が「10拝くらい干したことがある」と自慢し出し、みんなで乾杯しよう、という話になってしまった。
乾杯するお酒は中国の穀物から造られた蒸留酒のバイチュウと呼ばれる白酒で、ラベルを見るとアルコール度数は52度となっている。ウオッカが60度くらいあるので、ウオッカよりは度数は低いが、恐ろしく高いアルコール度数である。人数分のガラスのコップを頼み、各人の前に1つづつ配られ、ほぼいっぱい注がれた。丸テーブルの端をトントンと叩いて、一気に喉に流し込む。喉と食道がカーッと熱くなる。最初に飲んだ青島ビールが丁度、口直しにいい、ということで、ビールを喉に流し込むと水みたいな味である。
鈍想愚感子はそんなにお酒に強くないので、1回だけで勘弁してもらったが、残りの人は中国式だと言って、向き合った同士で「乾杯」と言っては杯をあけていた。
この中国出張は初日から、毎朝4時か、5時起きで、夜は結構遅くまで飲んだりしていて、睡眠不足のままきていて最終日にはもうバテバテになっていた。そこへバイチュウが加わったわけで、翌日なんとか帰国したものの、睡眠不足と疲れとアルコールの負担が加わって、身体は極度の低下を示していた。帰国早々は緊張が解けずにこわばっていたが、2日目くらいから軽いめまいがし出した。通常、きついお酒を飲むと、目の白いところが破裂し、赤くなるのだが、今回はそうしたことはなく、すべて身体の中にアルコールが沈潜してしまったようだ。
おかげで、医者に罹るほどでもないが、軽いめまい症状が1週間くらい続いた。朝起きるとクラクラとし、日中でも目をつぶると軽いめまい状態になり、夜寝るとしばらく目がグルグル回った。当初は年とってめまいがしたのか、と自分の体力のなさにがっかりしていた。それが、2週間くらいして、ようやくめまい症状がなくなり、バイチュウのアルコールが体内から消えたのがわかった。
バイチュウの瓶は2度と見たくない。アルコールに弱い人だったら、バイチュウを乾杯して死んでしまう人がいる、というのもむべなることだ、と思った。