鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

早朝の密室会議に何が

2006-11-06 | Weblog
 やや古い話になるが、この2日、午前7時39分、東京・赤坂の赤坂プリンスホテルの「ブルーガーデニア」で安倍晋三総理と日本経済新聞社の杉田亮毅社長らとの朝食会が開かれた。よくある政治家とマスコミトップとの会合ではあるが、そこに同席していたのが日本経済新聞の高橋雄一編集局長であったのが、やや物議を醸しているのだ。編集局長が同席する以上、なんらかの取材ということになるのだろうが、今日に至るまで日本経済新聞の紙面を見る限り、その形跡はない。密室で何が話し合われたのか定かではないが、果たして編集局長が同席する必要があったのか、今後、議論を呼びそうだ。
 3日付けの各紙2面下の首相官邸の欄に2日の安倍首相の動静が掲載されている。日本経済新聞と毎日新聞には朝食会には杉田亮毅日経社長らとしか出ていないが、朝日、読売新聞には高橋編集局長の名前がはっきりと出ている。朝日、読売がなにゆえに編集局長の名前まで明記したのか、わからない。日経の報道姿勢が政府べったりであることを言いたかったのか、単に官邸番の記者が取材してわかったから書いたのか、わからない。朝日、読売とも「高橋編集局長ら」としており、2人以外に同席した人がいたことを匂わせているが、その特定はしていない。
 安倍首相は8時53分には国会に出席しているので、朝食会はせいぜい1時間足らずのものであった、と推察される。その1時間弱の間に密室での話し合いが、発足間もない安倍政権に対するお追従とアドバイスだけに終わったとするのなら、そんな席に編集局長がいることは疑問である。取材で行った、というのなら即刻記事にすべきである。もちろん、編集局長といえども一私人であるから、どこへ行こうが、だれと会おうが自由である。しかし、相手が総理大臣である限り、その動静は公になる、ということを忘れてはならないだろう。
 日本経済新聞社はいま課題が山積している。業績は過去最高のものとなっているが、今年になって株式のインサイダー取引や、厚生労働省の補助金搾取、痴漢と社員の不祥事は続出しているし、株式の譲渡問題では社員OBとの係争が続いているなどコーポレート・ガバナンス上必ずしもいい状況にはない。
 杉田社長、ここは身辺クリーンにして、自らガバナンスを高めていかなければならない時期であるのに、千慮の一失と言われても仕方ないだろう。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする