リオデジャネイロでのオリンピックで日本人選手が過去最高の41個のメダルを獲得し、バドミントン、カヌー、男子卓球などオリンピックで初めてのメダルを手にするなど華々しい活躍をした。これを受けてか、首相官邸ではそのなかでオリンピック史上初めての個人種目四連覇を成し遂げた女子レスリングの伊調馨選手に国民栄誉賞を授与することで、調整に入った、と報道された。4年前に伊調選手とともにオリンピック三連覇を成し遂げた吉田沙保里選手に国民栄誉賞を授与しているので、その辻褄合わせに授与の意向となったようだが、ここまで露骨に国民への人気取りをするとは安倍政権も末期に入った証拠ではなかろうか。
4年前に吉田選手にだけ国民栄誉賞を授与した際に伊調馨選手の周辺では「どうして吉田選手だけに?」と説明のできないもどかしさを感じたに違いない。当時は世界選手権での連覇と合わせて13連覇といかにもとってつけたような説明がなされたようだが、それほどレスリング界に詳しくない鈍想愚感子は不信に思った記憶がある。伊調選手自身も悔しい思いをしたことは容易に想像できた。国民栄誉賞そのものが受ける側の事情というより、授与する方の思惑が優先するものであることを思い知らせてくれた。
それから4年経って、吉田沙保里選手は日本人選手団の団長という責を負ってか、決勝ではいつものような切れのいい動きがなく、無様な敗戦の憂き目に遭ってしまった。国民のだれもが四連覇は動かぬものと思っていただけにテレビ画面を見ていて「まさか」と思ったに違いない。当の吉田沙保里は思ってもみなかった敗戦に我を忘れて表彰式までの30分間ずっと泣きっぱなしであった。吉田沙保里は今回のオリンピック前に所属していた綜合警備保障から独立し、個人事務所を構え、一説には報道陣に会見の取材に対して1回3万円の取材費を徴収するなど評判が芳しくなかった。
それに引き換え、伊調選手はその前日に終了4秒前に逆転の技を決めてオリンピック個人種目初めての四連覇を成し遂げていた。それでも翌日に吉田沙保里の四連覇が続くものと見られていたので、そんなには騒がれなかったようだった。それが神の配剤か、四連覇の快挙は伊調選手だけのものとなって、改めて伊調馨のすごさが評価されることとなった。
で、首相官邸は伊調選手への国民栄誉賞授与の意向となったわけだが、そんな人気取りに伊調選手があっさりと乗るようなことがあっていいものだろうか。首相官邸は4年前にどうして吉田選手と同時に状よしなかったのかをとくと説明しなければならないだろう。伊調選手はそれを聞いたうえでもらうことにしたらいいだろう。大リ-グのイチロー選手のように「まだやることがありますから‥…」と辞退することがあってもいいと思う。
どうせ国民栄誉賞なんて時の政権が自らの人気取りを考えて恣意的に授与するものなんだから、どうしてももらわなければならないなんてものでもない。いまの安倍政権は頼みのアベノミクスが崩壊しかかっていて、内閣支持率をなんとか維持していきたい、とやっきになっている。伊調選手はそんな路線に易々と乗っかることはない、と思う。
4年前に吉田選手にだけ国民栄誉賞を授与した際に伊調馨選手の周辺では「どうして吉田選手だけに?」と説明のできないもどかしさを感じたに違いない。当時は世界選手権での連覇と合わせて13連覇といかにもとってつけたような説明がなされたようだが、それほどレスリング界に詳しくない鈍想愚感子は不信に思った記憶がある。伊調選手自身も悔しい思いをしたことは容易に想像できた。国民栄誉賞そのものが受ける側の事情というより、授与する方の思惑が優先するものであることを思い知らせてくれた。
それから4年経って、吉田沙保里選手は日本人選手団の団長という責を負ってか、決勝ではいつものような切れのいい動きがなく、無様な敗戦の憂き目に遭ってしまった。国民のだれもが四連覇は動かぬものと思っていただけにテレビ画面を見ていて「まさか」と思ったに違いない。当の吉田沙保里は思ってもみなかった敗戦に我を忘れて表彰式までの30分間ずっと泣きっぱなしであった。吉田沙保里は今回のオリンピック前に所属していた綜合警備保障から独立し、個人事務所を構え、一説には報道陣に会見の取材に対して1回3万円の取材費を徴収するなど評判が芳しくなかった。
それに引き換え、伊調選手はその前日に終了4秒前に逆転の技を決めてオリンピック個人種目初めての四連覇を成し遂げていた。それでも翌日に吉田沙保里の四連覇が続くものと見られていたので、そんなには騒がれなかったようだった。それが神の配剤か、四連覇の快挙は伊調選手だけのものとなって、改めて伊調馨のすごさが評価されることとなった。
で、首相官邸は伊調選手への国民栄誉賞授与の意向となったわけだが、そんな人気取りに伊調選手があっさりと乗るようなことがあっていいものだろうか。首相官邸は4年前にどうして吉田選手と同時に状よしなかったのかをとくと説明しなければならないだろう。伊調選手はそれを聞いたうえでもらうことにしたらいいだろう。大リ-グのイチロー選手のように「まだやることがありますから‥…」と辞退することがあってもいいと思う。
どうせ国民栄誉賞なんて時の政権が自らの人気取りを考えて恣意的に授与するものなんだから、どうしてももらわなければならないなんてものでもない。いまの安倍政権は頼みのアベノミクスが崩壊しかかっていて、内閣支持率をなんとか維持していきたい、とやっきになっている。伊調選手はそんな路線に易々と乗っかることはない、と思う。