30日朝のTBSテレビの「時事放談」にコメンテイターとして出演していた半藤一利氏がことしの重大ニュースのトップに「尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化」をあげていた。自民党が大勝した衆院選やロンドンオリンピックをおしのけて対中問題をトップにあげるのはそれだけ中国と日本の関係が重要であることを改めて認識させてくれた。半藤氏はこのきっかけを作ったのは石原慎太郎前東京都知事である、とも語った。この暴走老人はその後も国会で波乱の芽ともなり、日本の国政をも撹乱しようとしている。
半藤氏によれば、中国は自らいざこざを起こそうとはしない国である、という。ここ1、2年尖閣諸島の領有をめぐり、中国と日本の間ではさざ波が立つような状態できていたが、ことし一挙に悪化したのは石原慎太郎氏が国連の場で尖閣諸島を東京都が購入する、と宣言したからだ、ともいう。そもそも東京都が遠く離れた尖閣諸島を占有する、という発想をすること自体異常なことである。この段階ではまだ国政に打って出よう、などとは考えてはいなかったのだろうが、年齢からしていずれ後継者のだれかに都知事の任を託さなければならない段階に至っていることは当然考えなければ」ならないことである。だとすれば、東京都が尖閣諸島を領有して中国と対等に渡り合うことなどだれがやっても手に余ることである。
にもかかわらず、公然と領有化を公言し、あとへ引けなくなった当時の野田首相が国有化せざるを得なくなって、日中関係は修復が不可能になるほど悪化した。中国に進出していた日本企業が直接に被害にあったほか、日中間の貿易や観光客の大幅な減少で日中双方に莫大な損害が発生する事態を引き起こした。中国籍の船舶や飛行機が尖閣諸島近辺の日本の領海や領空を脅かしているのはいまや日常茶飯事となっている。こんな事態を引き起こした当の石原慎太郎氏は深刻化する日中関係を横目に、チャッカリと日本維新の会代表に収まって先に開かれた国会の首相指名選挙に名を連ねて悦に入っている。
こんな御仁の存在、仕様を世間の人はなぜ許して放っておくのだろうか。数日前の読売新聞の編集手帳によると、かつて評論家の故江藤淳氏が石原慎太郎氏の言動ぶりを評して無意識過剰」と言ったことがある、という。江藤氏によれば、石原氏が人にどう思われようようと考えずに言いたいことを言うのは「俺は俺の道を行く」前に「他人が気にならぬ」との思いがあるからだ、という。江藤氏は1997年に亡くなっているが、生きていれば石原氏と同じ80歳で、同じ文芸の世界でかたや芥川賞作家、かたや評論家としてともにめしを食ってきた仲間である。破天荒な若者の生態を描いて芥川賞を得て、そのままの姿勢で政界に打って出て、言いたい放題やりたい放題の言動を続けている石原氏に友情の気持ちを持って評したのだろうと思われるが、ここまでくると単なる放言として放っておけない。国を揺るがすような害をもたらすのでは暴言老人ではなく、”老害”である。再びこのようなことをしでかす前に、日も早く表舞台から退いてもらいたいものだ。
半藤氏によれば、中国は自らいざこざを起こそうとはしない国である、という。ここ1、2年尖閣諸島の領有をめぐり、中国と日本の間ではさざ波が立つような状態できていたが、ことし一挙に悪化したのは石原慎太郎氏が国連の場で尖閣諸島を東京都が購入する、と宣言したからだ、ともいう。そもそも東京都が遠く離れた尖閣諸島を占有する、という発想をすること自体異常なことである。この段階ではまだ国政に打って出よう、などとは考えてはいなかったのだろうが、年齢からしていずれ後継者のだれかに都知事の任を託さなければならない段階に至っていることは当然考えなければ」ならないことである。だとすれば、東京都が尖閣諸島を領有して中国と対等に渡り合うことなどだれがやっても手に余ることである。
にもかかわらず、公然と領有化を公言し、あとへ引けなくなった当時の野田首相が国有化せざるを得なくなって、日中関係は修復が不可能になるほど悪化した。中国に進出していた日本企業が直接に被害にあったほか、日中間の貿易や観光客の大幅な減少で日中双方に莫大な損害が発生する事態を引き起こした。中国籍の船舶や飛行機が尖閣諸島近辺の日本の領海や領空を脅かしているのはいまや日常茶飯事となっている。こんな事態を引き起こした当の石原慎太郎氏は深刻化する日中関係を横目に、チャッカリと日本維新の会代表に収まって先に開かれた国会の首相指名選挙に名を連ねて悦に入っている。
こんな御仁の存在、仕様を世間の人はなぜ許して放っておくのだろうか。数日前の読売新聞の編集手帳によると、かつて評論家の故江藤淳氏が石原慎太郎氏の言動ぶりを評して無意識過剰」と言ったことがある、という。江藤氏によれば、石原氏が人にどう思われようようと考えずに言いたいことを言うのは「俺は俺の道を行く」前に「他人が気にならぬ」との思いがあるからだ、という。江藤氏は1997年に亡くなっているが、生きていれば石原氏と同じ80歳で、同じ文芸の世界でかたや芥川賞作家、かたや評論家としてともにめしを食ってきた仲間である。破天荒な若者の生態を描いて芥川賞を得て、そのままの姿勢で政界に打って出て、言いたい放題やりたい放題の言動を続けている石原氏に友情の気持ちを持って評したのだろうと思われるが、ここまでくると単なる放言として放っておけない。国を揺るがすような害をもたらすのでは暴言老人ではなく、”老害”である。再びこのようなことをしでかす前に、日も早く表舞台から退いてもらいたいものだ。