鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ソフトバンク商法の化けの皮が剥がれ、総帥孫正義の野望を打ち砕いた今回のソフトバンク上場劇

2018-12-20 | Weblog

 

 19日、東証第一部市場に話題のソフトバンクが上場した。証券会社らの期待を裏切って初値は売り出し価格の1500円を下回って1463円、その後は失望感が広がってかズルズルと売られ、結局、終値は売り出し価格を15%も下回る1282円となる史上まれにみる大暴落と相成った。ソフトバンクグループ(SDG)がソフトバンク株上場による調達額は2兆6000億円と過去最大規模の上場はSDGの総帥である孫正義氏の野望を打ち砕く惨憺たるものとなった。

 SDGはソフトバンク株の配当を年75円と同業他社の利回りを上回る5%とはじき、当初から株式の売り出し価格を1500円にしていた。だから、発表当初は人気は上々だったが、今月に入ってからスフトバンク携帯の通信障害が起きて総務省が調査に入ったり、世界に中国のファーウェイ排除の動きが出ているのを見て、ソフトバンクに対する不信感が広がってソフトバンク株の上場を危ぶむ声が出始めて、熱は急速に冷えてしまった。

 でも、ソフトバンク上場を強行したわけだが、予想通りの結果と相成った。上場株数は17億3000万強ののぼるが、19日はそのうち15%余にあたる2億7000万株が売り出された。残りの14億6000万株はまだ保有されたままとなっているものの、今日20日以降も保有し続けるかどうかは定かではない。19日にはこうした株式市場の動向を見て、ソフトバンクの携帯電話を解約したユーザーが1万件を超えた、という。

 もともとソフトバンクは携帯電話会社ではあるものの、グローバルに企業買収を繰り返して、見方によっては携帯電話業を騙りながらIT分野での投融資を行っており、さながらマネーゲームで企業運営しているようなふしがうかがえる。総帥の孫正義氏はサウジアラビアの王族に取り入って合弁事業を立ち上げたり、米トランプ大統領と直に話し合う機会を持ったりして、国際ビジネスマンとしてマスコミに登場している。その一方で、本尊のソフトバンクが通信障害を起こした時には何の釈明もしない。パフォーマンス好きな孫正義氏らしくない振る舞いである。

 昨日も午後3時半から記者会見に現われたのはソフトバンクの社長の宮内謙氏で、孫氏の姿はなかった。今回の上場劇を仕組んだのは孫正義氏であることは衆目の一致するところで、逃げたと思われても仕方がないだろう。

 一方で、専門家の関心はSDGが手にした2兆6000億円の使い道に移っていて、ベンチャー投資の拡大に走るとみる向きが多い。しかし、今回の上場劇で、ソフトバンクに対する世間の見方は一変したと見るべきだろう。SDGのビヘイビアというか、パーフォーマンスは事業の中身よりマネーにあり、それに大衆や世間を巻き込んでいく、というものがはっきりしたとはいえないだろうか。一説には。ソフトバンクグループの借金は10兆円以上あるといわれており、その金利支払いだけでも普通の会社が年間に稼げる額をはるかに超えている。そんな会社がとんだり跳ねたりすることにもうこれ以上付き合わされるのはごめんだ、と思うべきなのではなかろうか。

追記 25日、東証市場はトランプショックで日経平均で前日比1010円安の1万9155円と2万円を割り、1年8カ月ぶりの低い水準となった。このなかでソフトバンク株は低値1240円、終値1270円で前日比45円安と比較的緩やかな下落にとどまったものの、ざっと計算して新規上場で2兆6000億円を集めた金額のうち4000奥円をわずか1週間のうちに投資家に失わせたことになる。今回の株価暴落はトランプショックといわれているが、これにソフトバンクショックが加わったものともみることできる。ソフトバンクの剥がれた化けの皮がさらに株式市場に追い打ちをかけるのではないか、と懸念される。

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年金生活者にゴールドカードは似合わないことを如実に実感させられた顛末

2018-12-11 | Weblog

 先日川崎駅近くのパスポートセンターへパスポートの申請に行った時のことである。申請書に必要な項目を記入して、自宅で撮影した写真などと窓口に提出すると、写真のメガネの部分に照明が映りこんでいて、担当者は「これでいいかどうか聞いてきます」と奥へ引っ込んだ。しばらくして戻ってきて、「やはりOKが出ませんでした」と言い、「隣の部屋でもう一度写真を撮り直して下さい。料金は1800円かかります」と言った。素人写真で済まそうとケチったのが災いしたようで、やむなく写真屋へ赴いた。

 窓口で1800円支払い、写真を撮ってもらうと、すぐにディスプレイに撮ったばかりの写真が映し出され、「これでいいか」と聞かれたが、写りがよくないので、もう一度取り直してもらった。写真が出来上がるまで、椅子に座って待っていると、中年の女性が寄ってきて、「ゴールドクレジットカードを作りませんか。作っていただければ今回は写真代をサービスします。現金で1800円お渡しします」と誘ってきた。クレジットカードは沢山所有していて、減らそうと思っているので、躊躇していると、件の女性は「ゴ-ルドカードだと空港のVIPルームが無料で利用できるうえ、旅行保険もついてます」といい、さらに「初年度の会費は無料で、2年目からは1万800円の会費がかかりますが、ご負担になるようならすぐに脱会していただいても構いません」という。

 そこまでこちらの思っていることをあけすけに言われてはもう断れない。で、承諾して入会の手続きに入ると、タブレット端末に当方の住所、電話番号など属性を撃ち込んでいき、年収の入力になって、ゴールドカードの会員らしい金額でないとはねられないかな、と若干懸念しながら、ここは正直に記入し、無事手続きを終えた。で、数日してクレジット会社から入会申し込みのお礼のメールが届き、「正式な入会についていま審査中で、結果については後日連絡する」と記してあった。ゴールドカード会員だと慎重だなと思いながらも単なる手続きだろう、理解していた。

 ところが、その3日後、クレジット会社からのメールで「残念ながら貴殿は入会資格に合格しませんで、入会は見送らせていただきます」と伝えてきた。やはり懸念したように年金プラスアルファ程度の年収ではゴールド会員の資格は獲得できなかった。年金生活者が会員ではゴールドカードに傷がつくとでも判断されたのだろう。予期してはいたとはいえ、実際に入会を拒絶されるとこちらの身のほどを思い知らされた感じであった。

 で、11日にパスポートセンターへパスポートの受け取りに行った際に受け取り票に貼る収入印紙1万6000円の購入窓口に行くと、その斜め後ろに先日の女性がカウンターの前に座っていた。それで、入会資格がなくて入会を拒絶された旨を伝えると、どうやら本社からその連絡は来てなかったようで、痛く恐縮していた。こちらとしては1800円の写真代をクレジット会社に払ってもらったことになり、ひょっとして件の女性に本社からなんらかの叱責が及ぶのではないかとも懸念されたが、どうやらそこまで頭の固い上司はいなかったようで事態は平穏に収まったようだった。

 ともあれ、年金生活者を取り巻く環境は日増しに厳しさを増しているようで、これからはいろいろ目配りしながら行動していくことが大事になっていることを実感させられた一件であった。

 

 

 

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わずか3人の出演だけでも観客を飽きさせない楽しい舞台の演劇「スカイライト」

2018-12-09 | Weblog

   9日は東京・初台の新国立劇場で英劇作家デイヴィッド・ヘア作の演劇「スカイライト」を観賞した。劇場に入ると、真ん中に舞台がこしらえてあり、両サイドから観客席があり、四方の2階からは舞台を見下ろすという構造になっている。舞台にはベッドからテーブル、ソファー、それに台所がついていて、さながら1人暮らしの部屋がしつらえてあり、玄関はそのまま下へ階段でつながっていて、反対側には浴室があるといった趣きで、わずか3人の登場人物がここで演技をするといった感じだった。

 ロンドン郊外の質素なアパートに暮らすキラが重い荷物をぶら下げて家に帰ってくるシーンから舞台は始まる。お風呂にでも入ろうかな、と思っていると、突然来客が「開いていたから」と部屋に入ってくる。キラが驚いてみると、3年前に別れてきたトムの息子エドワードだった。何事かと聞くと、母親のアリスが1年前に亡くなって以来、父親はすっかり元気をなくして、今日も喧嘩してきた、という。それでキラにトムを励ましてやってほしい、ということだった。でもキラは久しぶりの再会に感激して、懐かしい思いで話し込むが、夜も更けたので、エドワードはそうそうに引き上げる。

 それで、キラはシャワーを浴びようとすると、しばらくして夜中の訪問者としてトムが突然やってくる。一体何しに来たのか、といぶかるキラに対し、「どうしているのかな」とあいまいなことをいいながら、2人はかつてアリスに隠れて不倫をしていたことを話し始め、お互いの近況を交えながら、微妙な話し合いを続けていく。トムはキラに「なぜ突然いなくなったのか」と問いただす。それに対しキラは「2人の仲がアリスに知られてしまったから」と答える。それに納得しないトムは「それでいまは幸せか」などとキラの様子を聞き出していく。そのうちにトムは運転手を外に待たしたままであることが判明し、キラはそうしたトムの仕打ちをなじり始める。

 それでトムは運転手をかえして、キラと話し込むうちにベッドに寝込んでしまう。夜半に目を覚ましたトムはキラが起きて仕事をしているのに驚き、起き出す。そして話はまた二人の思い出話に及び、キラはかつてトムがキラからもらった手紙をうっかりしまい忘れてアリスに見つけられてしまったことを思い出し、「それはトムがわざとしたことだ」とトムを責め立てる。それはミスだと抗弁するトムはキラに「もう一度やり直そう」と持ち掛けるがキラは頑として応じず、ついにはトムを追い出してしまい、トムはキラにふられて、すごすごと帰途につく。

 それで寝込んだキラは翌朝、一番に再び現れたエドワードに起こされる。何事かと思って起きると、エドワードは前夜にキラが「クロワッサンの豪華な朝食を食べたい」と言っていたのを聞いていて、ホテル勤めの友人から朝食セットを借りてきて、キラの部屋で朝食をとしゃれこみ、一瞬、幸せな気分を味わったところで幕となった。

 主演の蒼井優とトム役の浅野雅博の絶妙な掛け合いが見ている者を飽きさせず、楽しい演劇であった。スカイライトはトムが大金を投じ闘病生活を続ける妻のアリスが退屈しないように大理石の床と天井から太陽の光が注ぐスカイライトの病室をしつらえたことから取ったようで、実際には出演しないアリスの存在がこの演劇の大きな要素を占めていることをうかがわせるタイトルであった。何よりも2時間余の舞台をわずか3人の演者だけでもたせるのは原作の出来によるものだ、と思わせた。

 

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眞子さまの結婚に関する秋篠宮殿下の発言は問題である、もっと家庭内で詰めてから発言すべきだった。

2018-12-01 | Weblog

 秋篠宮殿下が11月30日の誕生日を前に先日記者会見し、「新たに即位する天皇が行う大嘗祭の経費22億円を国費で賄うのはいかがなものか」と発言したことが問題視されているようだが、天皇家の私費にあたる「内廷会計」で賄うべきであるとの意であるようだが、基本的にはいずれも税金で賄われているもので、金額の多寡が問題であることならいざ知らず、どの予算のなかで行われようと、庶民にとってはどうでもいいことである。秋篠宮は兄である皇太子の振る舞いについてなにか含むところがあるのではないか、と推察される。

 それよりも秋篠宮の発言でもっと問題なのは眞子さまの結婚について、「いまでも二人が結婚したい、という気持ちがあれば、それ相応に対応をすべきだ」と公の場で広言したことである。いかにも相手の小室圭さん側に問題があるような発言であるが、確かにそうではあるものの、事は二人の問題で、まず娘である眞子さまに事柄の孕む問題をして指摘し、いかに対応すべきかを親子でじっくりと話し、そのうえで秋篠宮家としてのスタンスを明確にし、その旨を相手側に伝えて、方向が見えた段階で外部に明らかにすべきだった、と思われる。

 結婚は2つの家に課せられた問題で、お互いが努力して築きあげていくべきものである。もちろん、結婚する2人の気持ちが最優先されるべきものであり、そのうえで、まずお互いの家でそこへ至るまでの課題なり、道のりを築きあげていく努力をすべきである。そうしたことを秋篠宮家なり、小室家がしてきたか、と振り返るとどうもそうした経緯を伺うことはできないようである。

 秋篠宮家は皇族で来年には皇嗣2位、3位の立場に立つ重要な家である。その舵取りを担う秋篠宮が一家の大事な問題について、こんなに愚かなことをしでかすのは皇位継承者2位を担う資格があるのか、と疑わざるを得ない。記者会見の場でいかにも第3者的な発言をして、ボールを小室家側に投げるような仕打ちは許されない、と思う。小室家側も母親が失踪したり、義父らしき人への借金を踏み倒すなどおかしいところが散見されるが、皇室を相手とするには最初から格落ちの感があったようで、まず無理だろう。普通の家なら恐れ多くて言いたいことも言えない恐縮してしむのも理解できないわけではないが、ここは歯を食いしばってもなんらかの対応をすべきだろう。

 これで心配なのは眞子さまの心情だろう。親の秋篠宮の配慮を欠いた発言で、もう平常な心で公務に臨むことはできなくなるのではないか、と懸念される。小室圭さんと出会ったことが不幸なことだったと諦めるしか、手は残っていないような感がするが、ご本人がいかに対応するか、周りのとりわけ、美都子妃殿下が心の傷をいたわっておやりんびなることが大事なことなのだろう。秋篠宮殿下の心ない発言がいかに眞子さまの心を痛めつけたのかを思いやることこそが望まれる。皇室の一挙手一投足をこと細かに報道する皇室ジャ^ナリストなるものが存在するようだが、ここは静かに見守ることが必要だろう。

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