30日は1955年以来の自民党政治に終止符を打つ歴史的な日となった。大方の予想通り、民主党が過半数を大きく上回る308議席を獲得し、自公は合わせて135議席と改選前の331議席から激減した。小泉元首相以来の人心を顧りみない放逸な政策運営ぶりに堪忍袋の緒を切った選挙民の怒りのマグマが一挙に爆発した感じである。小選挙区制度そのものの弊害が民主党の一人勝ちをもたらしたともいえるが、国民が民主党を応援したというより、自公政権にうんざりした結果の色彩が強く、民主党の政策運営次第では逆の結果を招くことになるのは明らかである。
30日は午後2時過ぎに近くの小学校に投票にでかけたところ、行き交う人が多く、いつもと違う雰囲気を感じた。午後2時現在の投票率は26.7%と掲示板に表記してあり、前回より高そうだった。校庭の出口にはいつもは見かけないNHKの調査員らしき女性が立っていて、出口調査をしていて、NHKの選挙報道も力が入っていることをうかがわせた。
午後7時55分になってNHKテレビが選挙結果の報道番組が始まった。報道の仕方を説明した後に、投票が締め切られ、直ちに選挙結果予測が画面に映り、事前の予測通り、民主党が300前後の議席を獲得し、政権交代は間違いないと報道され、画面の下に個別の候補者の当選確実を伝えるテロップが流れ出した。各党別の当選者数も表記され、自民党が伸び悩むなかで、民主党はぐんぐん数字を伸ばしていった。まだ具体的な集計票数も出ていない段階での、NHK独自の出口調査に基ずく予想である。
その数字を見ながら画面には自民党の菅義偉選対委員長代理がびっくりしたような表情で映っていて、無理矢理コメントを求められ、「真摯に受け止めなければならない」と語っていたのが印象的だった。
午後9時半過ぎに民主党の獲得議席予想が過半数の240を超えたところで、鳩山由紀夫民主党代表が党の開票速報センターで共同インタビューに引っ張り出され、率直な感想を聞かれ、予想通りになるとしたらとの前提で、「国民のみなさまに感謝している。政府与党に大変な憤りをぶつけ、政権交代が結実しそうな状況となっている。予断は許さないが、選挙中から手応えは強いものを感じていた。勝っても驕らずに国民のみなさまの勝利に結びつけていきたい」と謙虚に語っていた。
続いて画面に登場した麻生太郎首相は敗北を認めたかたちで、「責任を感じている。総裁は辞任する」と明言していた。
大勢は決したとして、さっさと就寝し、翌31日朝になって、やはり予想通りの民主党の歴史的大勝という結果になったことを確認した。自民党は46年ぶりに首相経験者の海部俊樹氏が落選するなど大物議員が枕を並べたようのい討ち死にしていたうえ、小泉チルドレンがほとんど敗退した。小沢一郎代表代行が刺客といsて長崎2区に送り込んだ福田衣里子さんが防衛相の久間章生氏を打ち破ったことが象徴的な結果となった。また、自民党と過去10年政権を担当してきた公明党が小選挙区では9戦全敗し、特に太田明宏代表が東京10区で民主党の女性候補に敗れたことも画期的なことだった。
ただ、気になったのは今回の自民党の大敗をもたらした張本人である小泉純一郎の子息の小泉進次郎氏や安部晋三元首相が当選したことで、古い自民党の体質の残ったローカル選挙区では新しい風が吹かなかったようだ。
最終的な投票率は期日前投票が前回の1.56倍にも伸びたことが大きく効いて69.28%と小選挙区制が導入された平成8年以降最高となり、このことが民主党の圧勝を招いたのは間違いない。今回のように事前の予想通りに推移した総選挙も珍しい。とりわけ、NHKの出口調査をふまえた大勢の予想は個々の候補者の当落予想では多少の狂いは出たものの、ほぼ当たっていた。かつては支持者が手に汗握って、当落がどうなるか、得票数字を追いながらテレビ画面に見入っていたかつての開票結果報道をガラリと変えた。NHKの選挙結果報道が予測を前面に押し出し、有権者に鮮明に訴えるようになったのは前回の東京都議選からだろうか、以前はこんなに結果予測が当たったという記憶がない。NHKに引きずられて他の民放各局も全国ネット局を総動員して特別な報道体制を敷いているが、減量経営を強いられていてNHKのような大量動員はできず、大勢の読みに関してはNHKの報道を後追いして格好をつけているに過ぎない。舞台裏ではNHKの報道を逐一テェックしながr、独自に取材しているようなふりをしているに過ぎないのが実態である。新聞は時間の関係で翌日の朝刊紙面をつくるのが精一杯で、てんからNHKの敵ではない。その意味では総選挙のリアルタイムでの結果報道は実はNHKの独壇場なのである。今回ほどそれがはっきりとしたことはかつてないことである。
選挙結果報道ではNHKの圧勝で、出口調査という手法を編み出したことによる成果といっていいだろう。あとは個々の候補者の当落予想の精度を高めてもらうことを期待したい。
追記 31日の東京株式市場は95円17銭高の1万6291円31銭と民主党への政権交代を歓迎した。というよりすでに織り込み済みということなのだろうか。少なくとも景気てこ入れなど経済政策については当面変化はない、と判断したのだろう。
それと31日付けの毎日新聞を見て驚いたのは森喜朗元首相が石川2区で民主新人の女性候補の猛追を振り切り、からくも当選した後に地元紙以外の報道陣をシャットアウトして選挙事務所で支援者との万歳をした、という事実だった。「さんざんマスコミにふりまわされた。当選が決まる瞬間は写真に撮ってもらいたくない」と言った、という。石破茂前農水相が31日朝にテレビ各局のインタビューに登場し、冷静に自民党の出直しを語っていたのとは対照的だった。こんな時代遅れの森元首相のような御仁がのさばって いる限り、自民党の蘇生はない、と強く思った。
30日は午後2時過ぎに近くの小学校に投票にでかけたところ、行き交う人が多く、いつもと違う雰囲気を感じた。午後2時現在の投票率は26.7%と掲示板に表記してあり、前回より高そうだった。校庭の出口にはいつもは見かけないNHKの調査員らしき女性が立っていて、出口調査をしていて、NHKの選挙報道も力が入っていることをうかがわせた。
午後7時55分になってNHKテレビが選挙結果の報道番組が始まった。報道の仕方を説明した後に、投票が締め切られ、直ちに選挙結果予測が画面に映り、事前の予測通り、民主党が300前後の議席を獲得し、政権交代は間違いないと報道され、画面の下に個別の候補者の当選確実を伝えるテロップが流れ出した。各党別の当選者数も表記され、自民党が伸び悩むなかで、民主党はぐんぐん数字を伸ばしていった。まだ具体的な集計票数も出ていない段階での、NHK独自の出口調査に基ずく予想である。
その数字を見ながら画面には自民党の菅義偉選対委員長代理がびっくりしたような表情で映っていて、無理矢理コメントを求められ、「真摯に受け止めなければならない」と語っていたのが印象的だった。
午後9時半過ぎに民主党の獲得議席予想が過半数の240を超えたところで、鳩山由紀夫民主党代表が党の開票速報センターで共同インタビューに引っ張り出され、率直な感想を聞かれ、予想通りになるとしたらとの前提で、「国民のみなさまに感謝している。政府与党に大変な憤りをぶつけ、政権交代が結実しそうな状況となっている。予断は許さないが、選挙中から手応えは強いものを感じていた。勝っても驕らずに国民のみなさまの勝利に結びつけていきたい」と謙虚に語っていた。
続いて画面に登場した麻生太郎首相は敗北を認めたかたちで、「責任を感じている。総裁は辞任する」と明言していた。
大勢は決したとして、さっさと就寝し、翌31日朝になって、やはり予想通りの民主党の歴史的大勝という結果になったことを確認した。自民党は46年ぶりに首相経験者の海部俊樹氏が落選するなど大物議員が枕を並べたようのい討ち死にしていたうえ、小泉チルドレンがほとんど敗退した。小沢一郎代表代行が刺客といsて長崎2区に送り込んだ福田衣里子さんが防衛相の久間章生氏を打ち破ったことが象徴的な結果となった。また、自民党と過去10年政権を担当してきた公明党が小選挙区では9戦全敗し、特に太田明宏代表が東京10区で民主党の女性候補に敗れたことも画期的なことだった。
ただ、気になったのは今回の自民党の大敗をもたらした張本人である小泉純一郎の子息の小泉進次郎氏や安部晋三元首相が当選したことで、古い自民党の体質の残ったローカル選挙区では新しい風が吹かなかったようだ。
最終的な投票率は期日前投票が前回の1.56倍にも伸びたことが大きく効いて69.28%と小選挙区制が導入された平成8年以降最高となり、このことが民主党の圧勝を招いたのは間違いない。今回のように事前の予想通りに推移した総選挙も珍しい。とりわけ、NHKの出口調査をふまえた大勢の予想は個々の候補者の当落予想では多少の狂いは出たものの、ほぼ当たっていた。かつては支持者が手に汗握って、当落がどうなるか、得票数字を追いながらテレビ画面に見入っていたかつての開票結果報道をガラリと変えた。NHKの選挙結果報道が予測を前面に押し出し、有権者に鮮明に訴えるようになったのは前回の東京都議選からだろうか、以前はこんなに結果予測が当たったという記憶がない。NHKに引きずられて他の民放各局も全国ネット局を総動員して特別な報道体制を敷いているが、減量経営を強いられていてNHKのような大量動員はできず、大勢の読みに関してはNHKの報道を後追いして格好をつけているに過ぎない。舞台裏ではNHKの報道を逐一テェックしながr、独自に取材しているようなふりをしているに過ぎないのが実態である。新聞は時間の関係で翌日の朝刊紙面をつくるのが精一杯で、てんからNHKの敵ではない。その意味では総選挙のリアルタイムでの結果報道は実はNHKの独壇場なのである。今回ほどそれがはっきりとしたことはかつてないことである。
選挙結果報道ではNHKの圧勝で、出口調査という手法を編み出したことによる成果といっていいだろう。あとは個々の候補者の当落予想の精度を高めてもらうことを期待したい。
追記 31日の東京株式市場は95円17銭高の1万6291円31銭と民主党への政権交代を歓迎した。というよりすでに織り込み済みということなのだろうか。少なくとも景気てこ入れなど経済政策については当面変化はない、と判断したのだろう。
それと31日付けの毎日新聞を見て驚いたのは森喜朗元首相が石川2区で民主新人の女性候補の猛追を振り切り、からくも当選した後に地元紙以外の報道陣をシャットアウトして選挙事務所で支援者との万歳をした、という事実だった。「さんざんマスコミにふりまわされた。当選が決まる瞬間は写真に撮ってもらいたくない」と言った、という。石破茂前農水相が31日朝にテレビ各局のインタビューに登場し、冷静に自民党の出直しを語っていたのとは対照的だった。こんな時代遅れの森元首相のような御仁がのさばって いる限り、自民党の蘇生はない、と強く思った。