1年前に国民の大きな期待を背負って発足したイタリアのモンティ首相が頓挫しよう、としている。プロの政治家をすべて切って、学者や評論家など民間人だけで組閣し、思い切った経済改革を試みたが、その実が出なくて国民の反発を招いているようだ。イタリア各地でモンティ首相反対デモが起きるほどにまでなっている。プロ政治家には政治を任しておけないと学者のモンティ氏に国の運命を託したのだが、やはり政治はプロに任せるべきだ、ということになるのか、同じような状況に追い込まれつつある日本としても見過ごない。
イタリアのモンティ首相は昨年11月に就任し、経済改革に着手し、当初は国債の利回りは低下し、有識者や国際機関、欧米の政治指導者から称賛を浴びた。就任早々、勤続年数に基づく早期退職制度を廃止する一方で、女性の退職年金を大幅に引き上げるなど経済改革を含む300億ユーロの緊縮政策を断行し、さらには全労働者保護の供与や、臨時雇用契約の撤廃を見送る代わりに臨時職員を採用する企業の税率を引き上げた。労働改革のねらいは制度の二重性に取り組むことにあり、高齢労働者が終身雇用で手厚く保護される一方で、権利も福利厚生もない臨時労働者の数が拡大している、という格差を縮小することが必要だ、とモンティ首相は説明している。しかし、専門家はねらいについては称賛するが、民間部門しか対象としていないため、効果は限られる、としている。
また、首相のサービス部門の規制改革案はコスト削減と競争力引き上げをねらいとしているが、改革そのもんが小幅で公益や銀行部門に切り込んでいない、との批判が強い。
そうこうしているうちに頼みのイタリア国債の利回りが再び上昇するに及んで、モンティ首相の経済改革は批判され、支持率も低下しだした。イタリア出身のエコノミスト、ハーバード大のアルベルト・アレシナ教授とミラノのボッコーニ大のフランチェスコ・ジャバッツイ教授は首相の打ち出したサービス部門と雇用市場の改革を効果なしと退け、経済成長を押し上げる機会を逸したと痛烈に批判した。両教授はイタリア経済の見通しを改善させるには抜本的見直しが残された唯一のカードだ、と指摘している、という。こうした批判はイタリア財界、メディアからも出ており、遂にベルルスコーニ前首相までもがつい最近「支持撤回」を言い出した。
ただ、大きな期待を背負って船出しただけに、依然としてモンティ首相には多くの支持者がいるが、昨年11月に就任した当時ほどの熱は見られず、冷めてきている、という。
モンティ首相は1年でイタリアを再生させる、約束のもとに発足した内閣で、まもなくその1年が経とうとしている。日本にもプロの政治家の政治はもうんざりだ、とする声が多く出ておあり、イタリアのケースは他山の石として注目されていた。それだけにやはり政治はプロが関与しないということになるのか、見逃せないところだ。
イタリアの場合、内閣からすべての政治家を排除して発足しただけにその点が行き過ぎた、ということだろう。要は政治家の取捨選別を行ったうえで組閣すべきだったtぽいうことになる。ただ、問題はその選別をだれが行うのか、という問題は残る。学者、有識者など民間人が入った第三者機関で選別するのがいいだろうが、そのメンバーを一体だれが決めるのか、という問題がまた出てくる。選挙以外に公正で、的確な機関がなんとか生み出せないもんか、それが問題だ。
イタリアのモンティ首相は昨年11月に就任し、経済改革に着手し、当初は国債の利回りは低下し、有識者や国際機関、欧米の政治指導者から称賛を浴びた。就任早々、勤続年数に基づく早期退職制度を廃止する一方で、女性の退職年金を大幅に引き上げるなど経済改革を含む300億ユーロの緊縮政策を断行し、さらには全労働者保護の供与や、臨時雇用契約の撤廃を見送る代わりに臨時職員を採用する企業の税率を引き上げた。労働改革のねらいは制度の二重性に取り組むことにあり、高齢労働者が終身雇用で手厚く保護される一方で、権利も福利厚生もない臨時労働者の数が拡大している、という格差を縮小することが必要だ、とモンティ首相は説明している。しかし、専門家はねらいについては称賛するが、民間部門しか対象としていないため、効果は限られる、としている。
また、首相のサービス部門の規制改革案はコスト削減と競争力引き上げをねらいとしているが、改革そのもんが小幅で公益や銀行部門に切り込んでいない、との批判が強い。
そうこうしているうちに頼みのイタリア国債の利回りが再び上昇するに及んで、モンティ首相の経済改革は批判され、支持率も低下しだした。イタリア出身のエコノミスト、ハーバード大のアルベルト・アレシナ教授とミラノのボッコーニ大のフランチェスコ・ジャバッツイ教授は首相の打ち出したサービス部門と雇用市場の改革を効果なしと退け、経済成長を押し上げる機会を逸したと痛烈に批判した。両教授はイタリア経済の見通しを改善させるには抜本的見直しが残された唯一のカードだ、と指摘している、という。こうした批判はイタリア財界、メディアからも出ており、遂にベルルスコーニ前首相までもがつい最近「支持撤回」を言い出した。
ただ、大きな期待を背負って船出しただけに、依然としてモンティ首相には多くの支持者がいるが、昨年11月に就任した当時ほどの熱は見られず、冷めてきている、という。
モンティ首相は1年でイタリアを再生させる、約束のもとに発足した内閣で、まもなくその1年が経とうとしている。日本にもプロの政治家の政治はもうんざりだ、とする声が多く出ておあり、イタリアのケースは他山の石として注目されていた。それだけにやはり政治はプロが関与しないということになるのか、見逃せないところだ。
イタリアの場合、内閣からすべての政治家を排除して発足しただけにその点が行き過ぎた、ということだろう。要は政治家の取捨選別を行ったうえで組閣すべきだったtぽいうことになる。ただ、問題はその選別をだれが行うのか、という問題は残る。学者、有識者など民間人が入った第三者機関で選別するのがいいだろうが、そのメンバーを一体だれが決めるのか、という問題がまた出てくる。選挙以外に公正で、的確な機関がなんとか生み出せないもんか、それが問題だ。