17日夕、折りからの雨の中、国会周辺で自公が推し進める安保法案に対する市民の反対集会が開かれているなかで、参院特別委員会で民主党など5野党が反対するのを尻目に強行採決で可決してしまった。この深夜にかけて自公政権は参院を開催し、参院でも強行採決を果たし、安保法案を成立させたい意向のようである。来週は大型連休で会期末まで残り少ないうえ、安倍首相の国連への出席を控えていて、なんとしても今週中に成立させたいというのが官邸の考えのようである。
国民の60%余が成立に反対し、80%以上の国民が「与党の説明が十分に尽くされていない」としているのに安倍政権の強行ぶりは目に余るものがある。17日夕のTBSテレビに出演した自民党の平沢勝栄衆院議員は「たとえ安保法案が通っても次の内閣で廃案にすればいい」と国民の反発をそらそうと気楽にうそぶいていたが、ことここに至ってこんな暴挙は許せない。憲法学者の大多数が憲法違反であるとしており、国民の大多数が成立に反対しているのに強行採決で通してしまう自公、および次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の国会議員はまさに民意を無視した行動である。
安倍首相の頭の中にはかつて国民の反対を押し切って日米安保条約を可決成立させた祖父の岸信介元首相の行動がイメ-ジとして植えつけられており、今回もいずれ国民から評価されるという妙な幻想があるようだが、日米安保条約は直接戦争に踏み込むものではなく、憲法9条のもとでしっかりと歯止めがかけられていた。これに引き換え、安保法案は憲法を改正することなく、戦争への道を一気に突き進んでしまおう、というもので、決定的に異なるものである。
それを改悪してしまう安倍首相の罪は重い。そうした御仁を首相に担ぎ、国民を裏切る自公の国会議員、および安保法案可決に賛成した次世代の党、日本を元気にする会、新党改革の国会議員は次期総選挙でバッテンをつけられ、だれからも支持を得られない議員としてバッチを失うことになるだろう。冷静に考えれば、そんな国会議員を選んだ国民は反省をしなければならないだろう。ただ、いまはこうした暴挙をくい止めることはできないので、次期総選挙の時にこそ鉄槌を加えることを忘れてはならない。
それと今回成立するであろう安保法案については成立後に国民一人一人がこの安保法案は憲法違反だとして安倍首相以下を訴える行動を起こすことで、一大国民運動にもっていくべきだ。まずこの安保法案を憲法違反だとして廃案すべきだと訴えるのをはじめ、安保法案が成立したことで、戦争への不安が掻き立てられ、精神的苦痛を蒙ったとして成立に賛成した自公および次世代の党など3党の議員一人一人に損害賠償請求裁判を起こすべきだ。そして、次期総選挙で自公を野党に追い込むのにつなげることだ。こんな自公はじめ安保法案の成立に力を貸した議員を追い落とすべきだ。