29日は東京・二子玉川の109シネマズでトム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブルーーデッドレコニングを観賞した。コロナウイルス感染もあってここ1年、すっかり映画鑑賞から遠ざかっていたので、久しぶりの映画鑑賞となった。宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」とどっちにしようかな、と迷ったが、面白さのうえではこちらかな、と思って選択した。ミッション・インポッシブルシリーズでは7作目となり、相変わらずのトム・クルーズの画面いっぱいにきびきびした動きを見せるのは流石だと思ったが、恐らくこれが最後のシリーズ作となるのではないか、と思われた。
映画はいきなりロシアの潜水艦が敵方潜水艦から見えない状況で潜航していくシーンが現れ、その秘密をいかに作り上げたかを記録した文書を隠した場所の金庫を開けるカギをいかに保管しているかが明らかとされる。そうした折に突然目の前に現れた敵国潜水艦を打ち負かすために発射した魚雷が反転して攻撃してきてしまい、乗組員のほぼ全員が死去してしまう惨事に見舞われてしまう。
このことが欧米の情報筋に漏れ伝わり、秘密にしていたはずの問題のカギの所在についても知るところとなってしまった。そしてトム・クルーズ演じるイーサン・ハントの情報部隊にも問題のカギの所在を突き止め、それをなんとしても奪い取ることが命令として下され、イーサンはじめ隠密部隊は中東から欧州にかけて問題のカギを求めて動き回る。とりわけパリではカギを持っているとされる女性諜報員を追いかけて必死の追撃作戦を展開し、街中を縦横無尽に走り回るシーンには次から次へとあの手この手の追撃シーンが繰り返され、画面一杯に右から左へ動き回るいつも場面が大々的に展開された。
そして追撃の最後となる場面がパリからトルコのイスタンブールまで走るオリエント急行の列車内で問題のカギを持っているとされる女諜報員がもう一人の別の女諜報員が持っているもうひとつのカギと組み合わせると作動する仕組みとなっていることを列車内で確認することとなり、イーサンはその現場にオートバイでかけつけ、列車内で奪い取ることを計画する。
ところが、イーサンが駆け付けた時にはすでに受け渡しが終わっており、改めてクリミア半島のセバストポリでそのカギが有効に作動するかを確かめることとなっていた。ところがイーサンが駆け付け、オリエント急行に乗り込んだ時には何者かに橋が爆破され、列車は最後部の食堂車から谷底へ落下していき、イーサンはかろうじて持参していた落下傘で難を逃れ、逃げ延びて一命をとりとめた。肝心のカギはセバストポリに持ち込まれて使命を果たしたのか、わからないままに映画は終了してしまった。ロシアの発明がどうなったのかも触れずしまいでなんだか消化不良のまま、ジ・エンドとなってしまった。
オリエント急行にはコロナ前の2019年にパリからイスタンブールまでかみさんと乗車したことがあり、その車内をトム・クリーズが走り回る姿を見て懐かしい感じがした。そのオリエント急行の食堂車はじめ数台が谷底に落ちていくシーンは強烈で、オリエント急行を運営するベルモンド社がこの映画の制作に多大な協力しているのだな、とも実感した。パリ、ベニスでの相変わらずのスピードあふれる自動車での暴走、そして活劇シーンの迫力はいつも通りのものだったが、60歳を超えシニア層となったトム・クルーズにとってはしんどそうな場面も見られ、この映画が最終作となるのではないか、との感想を持った。