16日はことし最後の東急ハーヴェスト熱海伊豆山へ行くこととなり、かねてあると聞いていた8階の家族風呂に入ることにしており、いつもよりちょっと早めにでかけることとして、まずいつものように丸井溝の口店1階のパン屋のポンパドール店でランチを摂り、溝の口からJR南武線に乗り、登戸駅で降り、小田急線の小田原行きの快速急行列車に乗り込んだ。ところが、乗り込んだ途端、いつも肩にかけているカバンがないことに気がついた。トランクを右手に持っていて、左手には登戸駅構内で手にした小田急路線案内の冊子を持っていて、肩には掛かっているはずのカバンがなかったのだ。で、ランチを摂ったお店で椅子の先の台の下にカバンを置いたまま出かけてしまったのだった。早速、パン屋に戻って確かめるとともに引き取りに行こう、と決めて、登戸駅の改札を出ようとPASMOを改札にかざしたが、赤ランプがついて通してくれない。2,3回試みてみたがダメなので、駅員さんに聞いたら、「同じ駅での入札と出札はダメ」とのことだった。こんなことは初めてだったのだが、「忘れ物を取りにいかなくてはならない」と言ったら入札と出札を解除してくれた。
考えてみたら、人を見送るのに入場券なるもののを購入するので、同じ駅での入札と出札を認めると「入場券」なるものを無料でできることとなってしまう。こちらは家族風呂に入ることだけを考えて、なるべく早く熱海に行きたい、と思っていたので、そんなことまで思いは至らなかった。あせってもいたので、携帯での電話のかけ方もスムーズにいかなくて何回もダイヤルして数回目にやっとポンパドール店に電話がつながり、忘れ物を申告したら、即座に「カバンの忘れ物を預かっている」と答えてくれた。こちらの名前を名乗り、「すぐに取りに行きます」と伝えた。
そこで、南武線登戸駅から溝の口駅まで行き、駅に着いて丸井溝の口店1階のポンパドール店に入ると、お店の中の台の上に見慣れた鞄が置いてあった。お店の人に名前を名乗って、そのカバンを受け取った。もちろん、お礼も述べて、引き取り、再び南武線で、登戸駅まで戻った。道中はほとんど駆け足状態で、往復に約40分ほどかかった。登戸駅の改札に入ると、すぐにかみさんが見つかり、2人で再び小田急線で小田原駅に向かい、時間通り伊豆山に到着し、事なきを得た。
いつも熱海旅行はのんびりしたものだが、今回は家族風呂に入ることで、到着時間が決められていたうえ、帰ってくる翌17日には午後3時からガス器具設備の点検が予定されていて、行き帰りともせわしいスケジュールに縛られていて、心がどこか焦っていたのかもしれない。それで、やたら時刻を気にしていて、注意が散漫になっていた可能性がある。それと年のせいで”ボケ”なるものが生じているのかもしれない、とも思った。旅行していて、肝心なことが抜けている、こんなことは初めてのことである。カバンの中に大事な手帖と知人に出すお歳暮に添える手紙が入っていて、失くすようなことがあったら大変なこととなるところだった。
それでもふと忘れてしまうのだから、注意が散漫だったことと、いつもしないことをしてしまうのは年取った証拠と言われても否定のしようがない。今後はこうしたことが起きないようにしたいものであるが、果たして今後はしない、と言い切れるのか、はっきりと確信がもてないところがある。いまのところ、不面目なことを起こしてしまったのは事実なので、いまは今後はしないようにしたい、としか言えない。それにしても大いに反省したのは言うまでもない。
ともあれ、結果としては約束した時刻通りに家族風呂は2人だけで人豪華な温泉を楽しんだという面では得難い体験をした。ハーヴェスト熱海伊豆山のフロントのある7階の1階うえで、屋外ベランダの丸い湯舟と室内の四角形の湯舟の2つの湯舟があり、ゆったりと温泉に浸かれる感じとなっていり、まさにゴージャスな雰囲気のなか、熱海の海が遠く大島、初島が望める絶景の眺めも楽しめる。地下にある共同風呂とは違った温泉気分が楽しめる形となっている。じっくりと楽しんだおかげで、その夜はぐっすりと休むことができた。