27日未明のテレビ朝日の「朝まで生テレビ」を見た。テーマは「激論 あれから4年 原発再稼働と日本のエネルギー」でつい最近明らかとなった昨年4月から福島原発の放射能汚染水が太平洋に流しれていたことを東京電力が隠していた事実をきっかけに日本のエネルギーのあり方までみっちり3時間にわたって激論を戦わせたが、番組の最終盤に福島在住のパネラーのNPOハッピーロードネット理事長の西本由美子氏が「いままでの議論は東京なでのもので、今度は福島で行ってほしい」とばっさり切り捨てていたのが印象的だった。
この日の「朝まで生テレビ」には山本一太自民党衆院議員や阿部知子民主党衆院議員、飯田泰之明大准教授、池田信夫アゴラ研究所所長、嘉田由紀子元滋賀県知事ら12人のパネラーが出席し、田原総一朗氏の司会のもとにもうすぐ東日本大震災から丸4年を迎えるのに依然として不祥事の続く福島原発の現状から鋭く切り込んでいった。放射能汚染水が太平洋に流されていたのを1年近くも黙っていた東電や原子力規制委員会、経済産業省に対して全員が厳しい意見を述べた。そのなかで嘉田由紀子元滋賀県知事が「環境省は3.11事故以前には原子量放射能については全く関知していなくて、経済産業省と文科省が監視していた」との事実を指摘していたのに驚かされた。
次いで原発再稼働について議論が移り、マスコミの世論調査じはじめ視聴者アンケートでは原発再稼働に対して圧倒的に反対とする意見が多いのに、与党の自公両党は無論のこととして、民社党はじめ野党の多くが賛成を表明しているのはいかがなものか、との意見が表明された。それでもパネラーのほぼ全員が再稼働を認める意見で、はっきりと反対を表明したのは福島から参加していた2人の女性パネラーのほか嘉田元知事程度だった。あとは使用済み核燃料の廃棄処理の問題や日本のエネルギー基本計画などについて議論が行われた。
そして、番組の最後に司会の田原総一朗氏から感想を聞かれた西本由美子理事長は「3.11から1年目、2年目と心がすごく重かった。いまはさらに心は重い、口に出す元気も無くなっている。今日、この席に座っていて、感じたのはここは東京で、私たちはいないということだ」とばっさりと切り捨てた。そして「4年目、5年目に向けて、福島へきてもらって若者たちの声を聞いてほしい」と語った。東日本大震災の被害に直接遭った地元の人が実際に感じていることを耳にしてほしいというわけで、これぞ生の声だと強く感じた。