鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

「あれこれ議論する前に直接、現地に来て被災者の生の声を聞いてほしい」と訴えた西本理事長

2015-02-28 | Weblog

 27日未明のテレビ朝日の「朝まで生テレビ」を見た。テーマは「激論 あれから4年 原発再稼働と日本のエネルギー」でつい最近明らかとなった昨年4月から福島原発の放射能汚染水が太平洋に流しれていたことを東京電力が隠していた事実をきっかけに日本のエネルギーのあり方までみっちり3時間にわたって激論を戦わせたが、番組の最終盤に福島在住のパネラーのNPOハッピーロードネット理事長の西本由美子氏が「いままでの議論は東京なでのもので、今度は福島で行ってほしい」とばっさり切り捨てていたのが印象的だった。

 この日の「朝まで生テレビ」には山本一太自民党衆院議員や阿部知子民主党衆院議員、飯田泰之明大准教授、池田信夫アゴラ研究所所長、嘉田由紀子元滋賀県知事ら12人のパネラーが出席し、田原総一朗氏の司会のもとにもうすぐ東日本大震災から丸4年を迎えるのに依然として不祥事の続く福島原発の現状から鋭く切り込んでいった。放射能汚染水が太平洋に流されていたのを1年近くも黙っていた東電や原子力規制委員会、経済産業省に対して全員が厳しい意見を述べた。そのなかで嘉田由紀子元滋賀県知事が「環境省は3.11事故以前には原子量放射能については全く関知していなくて、経済産業省と文科省が監視していた」との事実を指摘していたのに驚かされた。

 次いで原発再稼働について議論が移り、マスコミの世論調査じはじめ視聴者アンケートでは原発再稼働に対して圧倒的に反対とする意見が多いのに、与党の自公両党は無論のこととして、民社党はじめ野党の多くが賛成を表明しているのはいかがなものか、との意見が表明された。それでもパネラーのほぼ全員が再稼働を認める意見で、はっきりと反対を表明したのは福島から参加していた2人の女性パネラーのほか嘉田元知事程度だった。あとは使用済み核燃料の廃棄処理の問題や日本のエネルギー基本計画などについて議論が行われた。

 そして、番組の最後に司会の田原総一朗氏から感想を聞かれた西本由美子理事長は「3.11から1年目、2年目と心がすごく重かった。いまはさらに心は重い、口に出す元気も無くなっている。今日、この席に座っていて、感じたのはここは東京で、私たちはいないということだ」とばっさりと切り捨てた。そして「4年目、5年目に向けて、福島へきてもらって若者たちの声を聞いてほしい」と語った。東日本大震災の被害に直接遭った地元の人が実際に感じていることを耳にしてほしいというわけで、これぞ生の声だと強く感じた。

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厄介な静脈瘤に最新の器械で手術する、という魔法に注意しなければならない

2015-02-25 | Weblog

 友人の夫人、Kさんのことである。Kさんは永年右脚の静脈瘤を患っており、年々ひどくなってきたことから、手術をすることに決め、適当な医院を探し、夫と相談のうえ東京・北青山にあるD医院に罹ることにした。その友人によると、ネットで検索したところ、真っ先に目につき、読んでみたところ、最先端の技術もあって、手術した患者の評判も良さそうな感じだった、という。

 初めてD医院に予約を取って訪れたところ、手術そのものは半日で終わることと、手術そのものは欧州から輸入した医療器械を用いるため、以前は健康保険がきかなかったが最近は認められて健康保険も利用できるようになった、と説明を受けた。ただし、それだと何回も追加手術の形で通院しなくてはならず、自費だと1回の手術で済む、というが片脚20万円(両脚だと倍)ほどかかる、という。どうやら自費と保険の場合に用いる機器が違うようで、自費で用いる機器は最新のもで、保険としてはまだ認められないのだ、という。

 Kさんは保険のきくコースを選択し、昨年夏にKさんは夫に付き添われて、D医院に行き、早速、静脈瘤手術を受けた。静脈瘤手術そのものは1時間弱で終わり、約6万円弱払って、歩いて帰った、という。その後術後の検査のほか、2回ばかり追加の手術を終え、Kさんはこの2月に最後の手術を受けようとしたところ、医院から「脚の上の方にも処置をしなければならず、さらに最初からの手術を施さなければならない」と言われた。すでに8万円近くを支払っており、さらに最初からの手術を受けるとなると、合計の医療費は20万円近くかかってしまうことになる。最初にD医院からもらった資料を改めて見たところ、「片脚自費で20万円、保険適用で3割負担で7万円)となっていて、どこにも1箇所とは書いてない。

 Kさんによると、D医院は最初に訪れた時から自費での手術を薦めており、「保険で手術する」と言ったら、途端に応対が冷ややかになった、という。そのうえ、こうした対応である。D医院は自費でも保険適用でも医療代の収入が同じであるはずなのに、こんなことをしてさらに医療代収入を水増ししようとしている、のはおかしなことでもある。友人はK夫人とD医院を訪れて、夫人が手術を受けている間、待合室で待機していたが、その間待合室にあるテレビはD医院の医者が朝のワイドショーに出演して静脈瘤手術のことを語っている番組のVTRを何回も流していたことを妙に感じた、とも言っていた。

 Kさんは2回目の静脈瘤手術は取り止めることにしたのはもちろんで、できればもうD医院には足を踏み入れたくない、とも言っていた。静脈瘤という一見厄介な症状に対して、最新の器械で手術する、といわれれば一般の人は頭から信用してしまうことだろう。そうなれば、医者の言う通りにするしかないことになる。医は仁術である、はもはや死語になりつつあるのだろうか。

追記 その後、件の友人はネットで調べ、東京都医療安全支援センターなるところへ電話して、相談したところ、相手はこちらの話を聞くだけで、特に適切なアドバイスを得られるには至らなかった。診療のあり方として適切かどうか尋ねたら、社会保険事務所に相談することを薦められ、その通りにしたが、そこでも最後は「該当の医院に直接聞いてみるのがいい」という程度で、期待外れに終わった。友人は改めて奥さんが最初にもらってきた資料をじっくり読み、料金体系の表の注記に「同一部位に対して1箇所のみ」と記載しているのに気付き、これが医院の手なのか、と思い合った次第。

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戦争の悲惨さを描いたクリント・イーストウッド一流の反戦映画だった「アメリカン・スナイパー」

2015-02-23 | Weblog

 23日は東京・渋谷のTOHOシネマズ渋谷でクリント・エーストウッド制作兼監督の映画「アメリカン・スナイパー」を観賞した。封切りして3日目、かつ米アカデミー賞にノミネートされていることもあって、平日の午後にもかかわらずほぼ満員で、改めて日本でのクリント・イーストウッドの人気の高さをみせつけてくれた。2001年米国同時多発テロ後の米国のイラク侵攻時に史上最高の160人を射殺し、伝説のスナイパーで、となった米人スナイパー、クリス・カイルの自伝をもとにした実録で、スナイパーの人生を追うことによって戦争の悲惨さを訴えた映画で、さすがクリント・イーストウッドで、と思わせた名作であった。

 「アメリカン・スナイパー」は米国のイラク侵攻時に志願したクリス・カイルが米軍の戦車に近づいてくるイラク人母子に対して銃を向けてねらっているクリス・カイルに対し、無線で交信している上官が「爆弾を投げつけるような素振りがあったら、狙撃せよ」と命令を下し、母子に照準を合わせる場面から始まる。そこから、映画はカイルの少年時代に父親に連れられて猟に出かけたシーンのい回想に移る。鹿に照準を定めたカイルに対し、父親が「よくねらって撃て」と命令を下し、見事に仕留める。そこからカイルの生い立ちに始まり、カウボーイ時代に兄弟で牛追いで暮らしたりしているいるうちに同時多発テロ事件を眼のあたりにし、カイルは米軍に志願することを決意する。

 そして、冒頭の場面に戻り、カイルの懸念した通りにイラク人母子は爆弾犯であることが判り、まず子どもが戦車に爆弾を投げつけようとした瞬間に打ち殺し、次いで爆弾を手に取って戦車に近づいた母親を見事撃ち殺し、戦争とはいえ、ほろ苦い気持ちとなる。それで20人のイラク人を射殺したとしてカイルは伝説のスナイパーとしてもてはやされるようになる。その後も次から次へと射殺の戦績をあげていく。そのうちにイラク人のなかにオリンピックの射撃競技でメタルを獲得した射撃の名人がいることが分かり、お互いが意識仕合い、壮絶な対戦を繰り返す。

 その間にカイルは恋愛をし、結婚をして子どもを作り、休暇をとって家に帰ることを繰り返しながら、米軍のスナイパーとして4度にわたってイラクに入り、4度目にイラク人スナイパーと対決し、見事に仕留めることになる。そのイラク人スナイパーには同僚の幾人かを目の前で殺されており、やっと復讐を果たし、これでスナイパーとして仕事を終えた、という気持ちになり、帰国することを決意する。

 ところが、帰国してみると、幸せな家族との生活のはずが他の人には聞こえない幻聴が聞こえてきたり、ちょっとした仕草が気になって異常な行動をとったりして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかっていることが判明する。医者の診断を得て、戦争から帰還した兵士と交わることによって、その傷が和らげられるのではとのアドバイスに従って、交わることとなって、交流を続けていく。しかし、しばらくしたある日、その行為も心ない元兵士によって裏切られ、カイルは殺されてしまい、米軍の盛大なカイルの死を惜しむ葬儀を描いて映画は終わる。

 映画を見ているうちはいかにも戦争賛美の映画か、と思わせるほどの壮絶な戦争シーンが続いて、まさかクリント・イーストウッドがそんな映画を作るはずがない、と思っていたら、最後になって、戦争のひどさ、残酷さを描いたクリント・イーストウッド一流の反戦映画であって、納得した次第。おそらく米アカデミー賞の受賞作となるのは間違いない、と思った。

追記 23日、「アメリカン・スナイパー」は米アカデミー賞の作品賞、主演男優賞などにノミネートされ、うち音響編集賞のみを受賞することとなった。他の映画賞では監督賞を受賞しているようだが、アカデミー賞ではそこまでの評価を得るには至らなかった。米国内で作品の評価をめぐって様々な論争が起きているようだが、これまでクリント・イーストウッドが作ってきた作品では一貫して戦争の悲惨さ、残酷さを批判するスタンスをとってきており、この「アメリカン・スナイパー」もその延長戦上にあり、たとえ、アカデミー賞では1つの賞しか獲得できなかったとしてもだからといって作品の評価を貶めるものだはないのは明らかだろう。

 

 

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ネットの進展などで陶磁器業界にも変革が進んでいるのを改めて知った

2015-02-21 | Weblog

 20日の日経夕刊に陶器小売りの名門だった「たち吉」が投資ファンド運営のニューホライズンキャピタル(NHC)の軍門に下る、との報道が出ていた。たち吉といえば、陶器販売の大手で創業1752年の老舗でもある。そういえば、最近、百貨店などでたち吉の名前を見かけなくなったと思っていたが、ここまで追い込まれているとは思わなかった。報道によると、2014年の売上高は約46億円で、収益悪化で債務超過に陥り、NHCは約11億円を投じたち吉の再生を支援し、たち吉の全事業を引き継ぎ、立て直しを図る、という。

 「たち吉」は全国の陶磁器産地の窯元から陶磁器製品を仕入れて、たち吉ブランドで全国の百貨店やアウトレット店舗で販売してきて、陶磁器業界のリーダーでもあった。それが、ここまで苦境に追い込まれようとは思ってもみなかった。ネットの普及で、産地の窯元やメーカーが直接消費者へ売り込みをしていることや、海外から安価で品質のいい陶磁器製品が輸入されていることから、たち吉のイメージが崩れてきて、結果として経営基盤が損なわれることとなったのであろう、と推察される。

 そこでかつて同僚だったK氏がたち吉と付き合いのある陶磁器の卸し会社の経営に携わっていることを思い出し、早速そのA社のホームページを開いたところ、いまだに取締役会長として第一線に名前を連ねているのに驚いた。A社はすでに本社を東京に移しており、たち吉へ商品を卸しているとは一言も謳っておらず、代わりに桂由美や宇野千代、それにMOTTAINAIなどのオリジナルブランドの商品がズラリと掲載されていて、かつての業容とは様変わりしていた。これだとブランドの管理が大変で、企業としてスムーズな運営を図るのが難しそうな感じがした。事実、売上高はバブルのはじけるピーク前の1989年には100億円あったのがいまは半減の44億円になってしまい、それでいて従業員は233人となっていて、1人当たり売上高1900万円と卸売業としては決して高いとはいえない状況であることが見てとれた。

 そういえば、今月はじめに東京ビッグサイトで開催されていたギフトショーで配布さていた小冊子にA社の名前を見かけたので、出展ブースを探してみたが、どこにあるのか見つけられなかった。グループ出展で、名前だけの出展というよくあるケースだったのかもしれない、と思って帰ってきたlことがあったのを思い出した。その前に行ったテーブルウエア展では全国各地の窯元の産地がこぞって出展し、いつものように盛んであったので、その裏でこうした構造改革が進展していたとは思いもしなかった。陶磁器業界に限らず他業界でもネットの進展に伴う構造変革は進んでいるのであろうが、K氏にはこうした構造変革の進む中で、知恵と工夫でなんとしても生き残って存続していってほしいものだ。

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ナッツ姫といい、40歳過ぎても大人になりきれていない人のいかに多いことか

2015-02-12 | Weblog

 12日、韓国で大韓航空機内で乗客へのナッツのサービスがなっていない、としてスチュアーデスを叱咤し、あげくのはて航空機の発着を遅延させたとして、起訴されたナッツ姫こと、チョ・ヒョナ前大韓航空副社長に対する判決が懲役1年とされた。普通なら執行猶予がつくのに実刑となったことは韓国内の世論に配慮したものとみられる。日本のレポーターが報じていたが、韓国内の世論調査では韓国民の70%が「執行猶予がつくのは適切ではない」と答えていた、という。チナッツ姫は当時40歳で、然るべき常識を持ち合わせていないにもかかわらず、要職につけていた大韓航空の経営体質にも問題ふがありそうだ。

 大韓航空は韓国10大財閥のひとつとされる韓進グループの傘下にあり、韓進グループの会長である趙亮鎬氏が帝王教育もしないまま、娘を要職に登用したことが今回の事態を招いたことは明らかで、40歳になっても人としての振る舞い、常識を兼ね備えないのに責任ある立場に君臨していたのは韓国に限らず、日本でも散見されることである。特に週刊誌沙汰となる芸能人やスポーツ選手の家庭にはありがちなことである。

 同じ12日午後に東京地裁の501号法廷で開かれた損害賠償訴訟でも同じような光景が繰り広げられていた。メルセデス・ベンツ・ファイナンスが山形市の海和工業所を相手どって起こした裁判で、遠隔地のためビデオで証言台に臨んだ41歳になる海和工業所の経営者の娘さんはたまたま訪れたベンツの販売店で、「ベンツを買うにはどんな手続きが必要なのか」とセールスマンに聞いて、契約を結ぶに至ってしまった。当の娘さんは過去にいわくがあってクレジットカードが発行されないいわゆる禁治産者扱いとなっていたため、親に黙って実家の会社が契約することで、契約を結んでしまった、という。

 ベンツ側の質問によると、娘さんは過去に父親が亡くなって入ってきた保険金6000万円を勝手に持ち出し、使ってしまったことがあるうえ、いまは経営者となっている母親のクレジットカードを無断で使用して買い物をしたことがあり、今回もその延長線上でのビジネス行為であった。しかも10数年前から会社を設立して事業を行ってきているが、母親の名前を持ち出さないと取り引き業者の信用が得られない状態である、とも告白した。

 40歳というと結婚して人の親となっている年齢であり、世間的にはいっぱしの大人として存立基盤を固めつつある年齢である。孔子のいう「40にして立つ、不惑」の年齢である。にもかかわらず、ナッツ姫といい、この裁判のケースといい、子どものときの感覚が抜けきっていない人が多いのは一体どうしたことだろうか。すべては親の甘やかしから発するものであり、世の親は用心してかかるべきであろう、と深く心に戒めた。

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威張る人や過去の偉い役職を言う人はボランティアに向かない

2015-02-10 | Weblog

 過日、東京・調布市の味の素スタジアムで開催された夫婦で第6回中学生「東京駅伝」大会のスポーツボランティアに参加した。2年前に世界一周クルーズで知り合ったKさんの紹介で初めてスポーツボランティアなるものを体験し、人の役に立つことをするのはいいものだと実感し、昨年もエントリーしたが、大雪で中止となって、ことしが2回目の参加となった。事前に登録し、1カ月くらい前に送られてきた案内書によると、なんと総勢200人くらいを16班に分けた班のリーダーで、かみさんが副班長に任命されているではないか。1回しかやったことがないのにいきなり班長なんて大丈夫「かな、と思いながら、会場に赴いた。

 班長は集合時間の15分前に来ることとなっているので、その時間に行くと大勢の人が列を作って待っていた。班長だかrといって特に指令があるわけでなく、班を表示する札を渡され、集合場所でその札を掲げ、メンバーが集まるのを待って、点呼をすると、時間になっても13人のところ10人しかいない。受付で渡された名簿の赤字となっている3人がいずれも来ていない。事務局に確認するとどうやら欠席とのことだった。それで、全員を集め、前々回の経験をもとにどんなことをするかを説明して、休憩を順番に取ることを約束した。

 中学生「東京駅伝」は東京都が都内の市区町単位で中学2年生を対象に駅伝大会として開催しているもので、女子は30キロを16人が、男子は42.195キロを17人がタスキリレーして、勝負を競う。スポーツボランティアはコースの要所に立って、選手がスムーズに走行できるように監視するのが役目で、観客がコースに入ったりしないようにウオッチする。選手が倒れたり、不測の事態になったりすると、連絡し合って対応することおtなるが、そんなこよはまず起きない。ずっと立って競技の進行を見守ることなる。

 今回は天気予報が昼ころから雨との予報だったが、その通り、雨となり、気温が寒いうえに雨が降り続いて、監視員の役目も楽ではなかった。途中で事務局から雨合羽を支給されたが、それでもズボンはびしょ濡れで、靴のなかに雨がしみ込んで、寒さは並大抵のものではなかった。傘をさして監視員をするわけにはいかず、ずっと雨に打たれっ放しで、つらい役回りとなった。特に手袋をしていても絶えず雨がかっかるので、手が冷え切ってしまい、凍りついたような感じとなってしまった。家に帰ってからも右手がギクシャクした感じが残り、お風呂で温めても元には戻らなかった。翌日になって手の甲が腫れて膨れ上がってしまっていて、ちょっとした凍傷に罹ったような感じであった。

 それでも班の全員が途中、代わりばんこに休憩がとれて、なんとか競技が終わるまで無事に役割りを終えることができた。終わってみれば、極寒の天候のなか、全員大過なく無事に役割りを果たすことができて、満足な1日であった。

 家に帰って、受付の時にもらった「スポーツボランティア入門」の冊子を改めて開けてみて、そん中に「ボランティアに向かない人」として、自己の価値観しかない人、威張る人、金品を借りる人、人の陰口を言う人、過去の偉い役職を言う人などが列挙してあるのを見つけ、なるほどと思った。別にボランティアに限らない人と接するのに必要なことが書いてあるだけだが、こうして列挙されるとシニア世代の処世術を教えてくれるているような気がした。ボランティアをすることも大事だが、こうして心得を諭してもらえるのもありがたい、と思った次第。

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イスラム国とのやりとりの一切を明らかにしない日本政府の姿勢は問題だ

2015-02-09 | Weblog

 読売新聞のアンケート調査によると、イスラム国で殺害された後藤健二さんと湯川陽菜さんについて「自己責任である」とする意見が80%以上にのぼった、という。どういう設問をしたのか詳細はわからないが、湯川さんはともかく後藤さの死が自己責任であるとするのはどう考えても異常である。後藤さんは湯川さんを救出するためにシリアに入り、イスラム国に捕われの身となり、殺害されるに至ったわけで、これを自己責任とするのなら人命救助など誰もおこなわないことだろう。安倍首相の責任で殺害されたと言われるのを回避しようと必死にイスラム国を悪者にする情報を流し続けている政府の意向に沿った報道をする読売新聞はジャーナリズムの精神を政府に売る抜け殻の新聞と言うべきだろう。

 この事件の経過が徐々に明らかにされているが、イスラム国が後藤さんの奥さんに送付してきた20億円を支払えというメールに対して、日本政府はなんら手を打っていなかったことが判明した。「あらゆる手段を講じて人質の救出にあたる」という政府の公式見解は一体何だったのか。通常国会で野党からの質問に対して、「相手国のあることなので、やりとりの詳細は明かせない」との答弁を繰り返すのみで、ヨルダン、トルコ政府に対してどのような救出に関する情報のやりとりをしたのか一切明らかにしていない。現地ヨルダンに対策本部を設けてつめていた中山外務副大臣は一体、何をしていたのか、忙しそうなふりはしていたが、実際は何もしていなかったのではなかろうか。

 8日朝のTBSテレビの時事放談に登場した前原誠司元外相は「イスラエルで会見した安倍首相は当初、イスラム国に対抗する中東諸国にヒューマン・アシシタンス(人的援助)とインフラに2億ドルの援助をする、と言っていた。人的援助には兵士も含めれるだろうし、インフラには武器庫など軍事に関係するものが含まれる。それをあとで、非軍事的、かつ人道支援と言い換えている」と指摘した。しかも後藤さんの殺害が明らかとなった段階で、「『許されざる行為だ』として』その罪を償うためにイスラム国に報復する』と言明した」。さらに「イスラム国が日本人に指一本触れさせないために犯罪者を捕えに行くと言明した。その実効性はあるのか、また説明責任を果たす必要が生まれた」とも語った。

 日本政府はこうしたイスラム国とのやりとりを含めて詳細を一切明らかにしようとしていない。明らかにすれば、安倍首相の責任が明らかとなるのを避けているからに他ならない。時事放談で同席した石破茂地方創生大臣は専ら安倍首相の言っているイスラム国憎しの言を繰り返すだけで、前原議員の鋭い指摘に対しては無視するように隣でギロリと目を動かすだけで、何のコメントも発しなかった。2年前の自民党総裁選では安倍首相を上回る票を集めながら、総裁になれず、第2次改造内閣では次期首相に推す声のなかであっさりと地方創生大臣に就任し、自ら総裁の芽を摘んでしまった馬鹿殿ぶりを演じたお粗末な顛末を如実に表すような様だった。こんな大臣に囲まれている安倍首相に前原議員の指摘も届かないのだろう。

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安倍首相よ、責任回避のため、まるで児戯のようにイスラム国への憎悪をかきたてるのはやめてほしい

2015-02-03 | Weblog

 後藤さんを殺害したイスラム国に対する怒りは日増しに高まってきているが、事件をかくも悲惨な事態に招いたそもそもの原因は安倍首相の軽率な判断にある、ということにまで追求が及んでいない。習明けの2日、湯川さんに続いて後藤さんの殺害が明らかとなって初めての国会論戦だった参院予算委員会で、まず質問に立った民主党の議員はその点を安倍首相に鋭く質問するのか、と期待したが、おざなりの内容にとどまり、安倍首相は自らの責任に触れることなく、持論のイスラム国への対抗を述べるにとどまった。野党の民主党も情けない政党である。

 午後になって、再度質問に立った大塚耕平民主党議員は「日本人2人が拘束されているのに中東入りしたのは安倍首相の判断で、イスラム国に対抗するような言動が影響を与えるとは考えなかったのか」と迫ると、安倍首相は「脅しに屈すれば『テロに効果がある』とテロリストが考え、日本人がさらに巻き込まれる可能性がある。テロリストの思いを忖度するようなことがあってはならない」とあくまでもテロリストに対立する考えを述べた。事前にそそしたことを考えて発言内容を決めたとは、とても思えないし、それなら日本人人質への影響をどこまで考えたのか、と問いたい。結果的に殺害されてしまった責任は考えなかったのだろうか。

 国民のイスラム国への憎悪をかきたてることで、みずからの非を隠しおそうと目論む安倍首相の考えはどこか、おかしい。なぜ、湯川さん、後藤さんが殺害されるに至った責任は政府、および安倍首相にあることを認めないのだろうか。認めれば、自ら拠って立つ政治基盤が揺るぐとでも思っているのだろうか。確かに鈍想愚感子は安倍首相は辞任すべきだ、と思っているし、そう思っている国民は決して少なくないだろう。

 後藤さんのお兄さんは亡くなった後藤さんのことを無念に思うことと、ヨルダン政府はじめ関係者へ協力してもらったことに感謝の意を述べた。日本政府に対して恨みの一言も発していない。安倍首相はこのお兄さんやお母さんに対して悔みの一言も発していないのはどう考えてもおかしい。自らの言動がこうした事態を招いたのだから、直接出向いてお詫びすべきだろう。

 昨年9、10月にシリア入りした後藤さんに対して、外務省はシリアへの渡航について3回にわたって見合わせるように要請していたことが2日明らかとなった。それでも後藤さんはシリアに入り、囚われの身となって殺害されてしまったわけだが、これについて世耕弘成官房副長官は「だからといって、我々は自己責任論には立たない。国民の命を守るのは政府の責任であり、その最高責任者は安倍総理である」としている。この言を安倍首相はなんと聞くのだろう。それでも安倍首相はまるで児戯のように国民のイスラム国への憎悪をかきたてることで、自らの責任を逃れようとするのだろうか。

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安倍首相は後藤さんら殺害の責任を取って、一刻も早く辞任すべきだ

2015-02-01 | Weblog

 1日未明、イスラム国に捕われていた後藤健二さんが殺害されたことがインターネット上に公開された画像で明らかとなった。日本政府、ならびに安倍首相がこれまで取ってきた施策が全く効果のないものだったことが証明されたわけだ。安倍首相がこんなタイミングで中東諸国を訪問し、イスラム国へ対抗する態度を表明したことが今日の事態を招いたわけで、この責任はすべて安倍首相にある。みすみす湯川さんを含め日本人2人を殺害に導いたのは日本政府の対応のまずさにある。

 事件発生以来、日本政府は度々「全力を尽くして人質の救出にあたる」と表明してきた。緊急閣僚会議を開き、国会の審議中に岸田外相はじめ閣僚が中途退出し、いかにもそうした風を装ってきた。しかし、いまや肝心の人質2人が殺害されるに至って、一体どんな救出活動が行われてきたのか、全容を国民の前に明らかにすべきだろう。後藤さんの奥さんのもとにイスラム国からメールが来ていたことがわかっている以上、相手のメールアドレスは判明しているわけで、日本政府としてこのメールアドレスにどんなメッセージを送ったのか、公表すべきだろう。少なくとも最初に2億ドルの身代金を要求してきたのに対し、回答をすることはできたはずである。

 緊急閣僚会議でどんなことが話し合われたのか、議事録も公開すべきだろう。単にマスコミ向けのパーフォーマンスだったとは言わせない。現地、ヨルダンに置いた対策本部の中山副大臣はいかにも忙しそうに交渉にあたっていたようだが、何をしていたのか、これも公開すべきだろう。後藤さんが生存している段階では交渉の手のうちを明かすわけにはいかなかっただろうが、いまは説明義務を負うことだろう。それとなによりもを先月の安倍首相の中東訪問を決意したのはだれで、イスラム国に対抗する諸国へ2億ドルの援助を決めたのはだれであったか、を改めて追及されるべきだろう。

 官邸は早速、菅官房長官が「卑劣な行為は断じて許せない」と表明したが、自らの責任については一切触れていない。続いて午前6時40分から官邸ロビーで記者会見した安倍首相も「テロ行為に強い憤りを感じる」と強調するのみで、記者団から「一連の対応について問題あったと思いませんか」との質問に対し、無視したように立ち去ってしまった。こんな無責任な安倍首相の態度には一視聴者として、強い憤りを感じざるを得ない。こんな状況では安倍首相は後藤さんの奥さんや母親へ謝罪するようなことはないことだろう。

 安倍首相は国会で今回の事件を受けて、海外で拘束された日本人の救出に対し、自衛隊を海外派遣できるようなことも考えたい、と自ら目論む憲法改正へ持っていこうとしていて、全く反省の気持ちがない。こんな国民の気持ちを理解できない首相は一刻も早く辞任すべきだろう。

追記 安倍首相は自らの行為を反省することなく、専ら「イスラム国の野蛮な仕打ちに強い憤りを感じる。米英など連合国と連携してイスラム国と対抗していく」と強調している。まるで自らの非はないとでも言いたいようである。これで、日本は安倍首相以下全国民がイスラム国と敵対することとなったが、そんなことで、国民全体を危険にさらすようなことを首相からもたらすようなことは御免蒙りたいものだ。安倍首相が辞任しないのなら、できればこんな国から逃げ出したい、と思っている国民は少なくないことだろう。いまはむごたらしい殺害のイメージばかりが広がっているが、時間が経てば、国際社会で日本は好戦的な国として受け取られ、いままでのように平和国家、日本にイメージが失われていくことになるだろう。 冷静に考えて、安倍首相が決して足を踏み入れようとしない中国、韓国の国民がイスラム国からこんなひどい目に遭ったようなことは聞いたことがない。中韓のトップは安倍首相のようにイスラム国を敵に回すような言動はしない。安倍首相の外交は間違っているとしか言いようがない。 

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