28日、国の33行政機関で問題とされていた障碍者の雇用数水増しで、なんと約8割の27機関で不適切な障害者数の参入があったことが発表されていた。平均雇用率は従来の2.49%から法定雇用率お大幅に下回る1.19%という信じられない結果であった。自己申告の持病の記述や健康診断の結果を元に本人の同意のないまま独自の判断で障害者に参入したいたというこれも信じられないことが明らかとなった。過去40年にわたって行われてきたというが、先の財務省の決済文書の改竄を上回る悪質な行為で、断じて許すことができない。
同日の発表によると、もっとも水増しの多かった役所は国税庁で1022.5人も水増しされていた。以下国土交通省の603,5人、法務省の559.5人、防衛省の315人、財務省の170人などと続くき、27省庁合計の水増し数は3460人にものぼる。この結果27省庁の障害者雇用者数の雇用率は1.29%となり、は法定の雇用率の2.3%を下回ることになる。民間の企業に対しては法定の雇用率を上回るよう指導し、それを下回る場合は未達成の雇用者1人当たり月に5万円、年にして60万円のいわゆる罰金を徴収している。その大元である厚生労働省は雇用率は2.75%と目標を達成しているものの3,5人水増ししていた。
民間企業には未達成の罰金を徴収するだけでなく、たしか未達成企業の名前を公表して2重の懲罰を与えているのである。行政の側でこうしたあくどいことを行っていながら、しゃあしゃあと自ら範を垂れていなかった事実は重いものがある。28日の段階では今後どう対処していくのか、ということについては踏み込んだ議論が行われなかったようだが、一部に国の機関も民間と同じように罰金を納めるべきだ、という声があるとしたら、とんでもないことだ、と言いたい。国にはオリジナルな収入があるところはほとんどなく、罰金を払う財源は国の税金で、結果的には国民の血税を回すことにしかならず、せめて責任者から給料を召し上げてそれを罰金とすることにしてもらいたいものだ。
民間企業に対して示しがつかないということより、当の障害者に対して一体どういう言い訳をするのだろうか。身障者に対し、国を挙げて雇用の拡大、あらゆることに機会の平等を訴えてきたことが台無しになりかねない。身障者の心に大きな傷を残したことは否定できず、今後の大きな政治目標であった2020年のパラリンピックに水を差すことにもなることだろう。いくら障害者に光をと口先で言っても足元でこんなことをしていてはすべてをぶち壊してしまうことになりかねないことだろう。
それと28日のテレビをみていて、国の障害者雇用についての関係閣僚会議では総責任者たるべき安倍首相の姿を見かけることがなかったのが解せなかった。中央の席には加藤勝信厚生労働相が座っていたのである。多分、来月の自民党総裁選の地方行脚で欠席ということなのだろうが、災害時にはいつも災害時の制服姿で中央に座っていかにも指揮をとっているような恰好を見せつけているのに、肝心の今回は姿をみかけなかった。とりようによっては障害者雇用より総裁選のが大事ということをみせつけたわけで、安倍首相の物事に取り組むスタンスがようくわかった。政府、国、なかでも首謀者の安倍首相はもっと国民に寄り添った政治を行ってほしいものだ、と強く思った。