鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

都議会自民党の個人都民税10%減税の提案を斥けた小池知事からオーラは失せた

2017-02-28 | Weblog
 28日は東京・新宿の都庁へ行き、午後1時からの東京都議会本会議の代表質問を傍聴した。小池百合子知事が就任して以来、都議会の傍聴も満員と聞いていたので、開会30分ほど前に行ったところ意外と余裕で座席に座ることができた。最初に質問に立ったのは高木けい自民党幹事長で、小池知事との確執がうわさされている自民党を代表していかなる刃を放つものかと注目していたが、登壇する前に小池知事に頭を下げてなにやら融和ムードだったのには驚いた。しかも冒頭に「都自民党は都政改革に取り組んでおり、小池知事と同じ立場に立つ」と宣言したのには驚いた。

 しかも自民党は議員報酬の20%削減、および政務活動費の10万円カットにも賛成したと述べ、小池知事んが29年度予算で720億円の歳出削減行い、あまたの新規事業に着手する姿勢を見せたのを絶賛した。そして、自民党としてはこの歳出削減を原資として、新たに個人都民税を10%減税することを提案した。高木議員はこのほかにも豊洲市場の安全性や東京オリンピック・パラリンピックへ向けての準備状況、ラグビワールドカップ2019、東京都の魅力発信、大規模水害対策、中小企業対策など都が抱える諸問題について多角的に質問を浴びせかけた。
 
 なかでも光ったのは冒頭の個人都民税の減税案と小池知事が2020年にめざす東京都GDP120兆円への道筋の2つだった。これに対して小池知事はまず個人都民税の減税については歳出削減できる720億円についてはすでに待機児童対策費として403億円を投入することに決めているし、都民税を減税することは高額所得者を優遇することになるうえ、他の府県に先駆けて率先して減税することは好ましいことではない、として取り上げる考えのないことを表明した。さらに東京都のGDPをいまの95兆円から120兆円にするには官民あげて知恵をしぼって邁進することで達成したい、と抽象的なことでしか答えなかった。小池知事の答弁を聞く限りはいままでの改革を薦めるのだという姿勢はうかがえず、都政改革にかける意向はむしろ自民党のが強烈な印象さえ与えてくれた。

 東京都の29年度予算によると都民税は個人、法人あわせて1兆6605億円あり、このうち個人都民税は8802億円を見込んでいる。仮に都議会自民党の提案する10%減税が実施されれば880億円のい歳入減となり、歳出削減の720億円をすっかりつぎ込んでもおいつかないことになる。


 それでも東京個人都民税の減税を自民党が言い出したのには驚かされたが、これを斥けた小池知事にもさらに驚かされた。東京改革を標榜している小池知事としてはドンと呼ばれていた内田茂議員がこの7月の都議選には出馬せずに引退を表明しているなか、次なる標的をだれにしぼろうか、と思案しているさなかに自民党に寄っていくような姿勢はみせたくない、ということなのだろうか。高木議員としては小池知事とあい携えて都政改革に乗り出していく方針を立てていたのが、斥けられたことになる。

 ただ、高木議員は小池知事に豊洲市場に関連する地下水モニタリング調査費の落札価格や移転するか否かの決定、表費の明細について、再質問したが、ここでも明らかな答弁はなく、いままでの小池知事らしからぬ言動に終始した。これまで飛ぶ鳥を落とす勢いで進んできた小池知事からばオーラが失せた印象を持った。
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たった一人で東電を相手に損害賠償請求裁判に立ち上がった占い師の女性にエールを

2017-02-23 | Weblog
 22日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午前10時半から626号法廷で60代とみられる女性が東京電力ホールディングスを損害賠償請求してている民事訴訟裁判を傍聴した。2011年3月11日の東日本大震災以降多発している地震災害の損害賠償裁判かなと思ったものの、一女性が訴えているのも珍しいと思って、法廷に入るといわゆる第3者的な傍聴人はだれもいない感じだった。最近の東電を相手とする損害賠償裁判は原告が多数で傍聴席はぎっしり満員というケースが多いのに全くの想定外だった。

 証人に立ったのは原告一人だけで、まず代理人は原告の出身地を聞くと福島県南相馬市ということで東日本大地震の被害者であることがわかった。続いて家族状況や収入のことを聞き、突然霊魂に興味があることを尋ね、震災以前から九州の浅岡なる霊媒師と知り合いになり、携帯電話経由で恋愛や生活など悩みごとの相談に乗り、アドバイスや占いをするといった仕事をするようになった経緯を原告が説明した。なんでも相談者と1分間話すと50円もらえる約束で、それが郵便局でアルバイトして得る収入をも上回るようになり、震災前の15ケ月でトータル300万円にものぼった、という。

 それが震災に遭ってからは原発の放射能汚染を避けるため震災の翌日に家を引き払いホウホウの態で東京の子供の家に逃れて仕事もみつからなくて生活するのに精いっぱいとなったうえ、目や精神を病み、不眠にもなってしまい、常時医者通いをし、とても人の相談に乗るような気にはならなくなり、浅岡とは一切の連絡を絶ってしまった。つまり、心が折れてしまった、というのだ。損害賠償の額は明らかにされなかったが、仮に東日本大震災がなければこの間に浅岡から得られた収入は1000万円にものぼった、ということになるだろう。それを東電に賠償してほしい、という訴えである。

 これに対して被告の東電側の代理人は原告が郵便局の休業補償としてすでに東電から220万円余をもらっていることや浅岡からもらった300万円が源泉徴収されていないし、確定申告もしていないことことを暴いたり、浅岡からの振り込みが大震災後もあることの理由や、震災後の通院の状況などを質したりした。代理人が「郵便局の仕事はいつ辞めたのか」と聞いたら、原告が「郵便局が津波でなくなってしまったので、当然仕事もなくなってしまった」と回答していたのは衝撃的な場面だった。

 確かに大震災のせいで占いの仕事はなくなってしまったのは明らかであるが、それが東電の責任と問えるかどうかはこの裁判のほかに集団で東電を訴えている裁判の動向も参考にしないと判断できないこともある。ただ、この裁判の水野有子裁判長はほかの東電が訴えられている集団訴訟裁判でも裁判長を務めており、的確に判断できる立場にある。他の集団訴訟は地震の災害の損害のみを訴えているのに対し、この裁判では地震発生前まで得られていた収入がなくなってしまったという点で汲むべきところがある。

 証人尋問を終えて水野裁判長は両隣の判事2人とともの奥へ引き揚げ、しばし協議したうえ、再度法廷に現れ、原告、被告双方に対し、「和解に応じる意向はあるか」と尋ねた。双方とも「内容次第」と答え、次回は和解を協議することとなったが、すんなり和解に至るとは考えにくく、結局は東電が少額の賠償金を出すということに落ち着くのではないか、と思われる。それにしても東電は弁護士2人に任せて一人も裁判に立ち会わず、証人も出さないのはやや傲慢な印象を与える。その意味でも孤軍奮闘している原告にエールを送りたい気になった。
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いまどきFAXで申し込み受付をするなんて、文芸春秋社のセンスが問われかねない

2017-02-12 | Weblog
 先日、文芸春秋社が主催するセミナーに参加しようと思って、申し込み用紙をFAXしてみようとみたら、我が家のFAXが全然機能してくれない。考えてみればここ1年以上、FAXを受信したことも送信したことがないことに思い至った。我が家のFAXはブラザー工業製の790CLというもう10年以上使用している電話兼FAXであり、早速取扱説明書を取り出し、お客様相談窓口に電話してみた。ところが、数年前に当初の電話番号から変わっている番号に何回かけても「こちらは損保ジャパンです」と名乗り、埒があかない。仕方なく、名古屋のブラザー工業本社に問い合わせたら、もう「この790CL機機種は製造していない」ということで、ともあれ相談センターの電話番号を教えてもらった。

 で、かけてみると、今度は10分近く待たされたうえ、「FAX自体の問題かどうか見るために一度コピーしてみて下さい。コピーできれば通信回線の問題ですから、もう一度電話下さい」ということだった。で、コピーしてみたら、やはりコピーできなかった。それで、いつから製造していないのか、と聞いたら、6年前にもう販売も停止していて、従って修理も受け付けていない、という。となれば買い換えるしかない、ということになる。それでもまだ使用しているのだから、なんとか使えないものか、と思って、ブラザー工業のホームページを開き、今一度確かめることとした。

 そうしたら、ホームページには電話で問い合わせる以上にメンテナンスのことがこと細かく記載されていた。FAXしようとする用紙をコピーにとってFAXすることや、手動送信することなどがアドバイスされていて、相談窓口よりよほどわかりやすい。でもあれこれ試してみたが、結局、もう使えないということがわかった。

 考えてみれば、いまFAXを使うようなことはほとんどなくなっている。パソコンでのメールに添付して書類は送付できるし、ほとんどがメールで用が済む。それにいまや黒電話を備えていない家庭も多い。ビジネス面でもFAXを使って必要なことを伝えるような場面もぐっと少なくなっている。この間も銀行の人と話していて、FAXを使わなくなった、という話を聞いたばかりだった。日本のビジネスを進化させた機器として電卓とFAXは往時は革命的な役割りを果たしてきたが、その使命は終わりつつある、といってもいいだろう。ブラザー工業はいまやFAXはプリンターとの複合機としてしか売り出していない、という。

 時代を先取りしているはずの出版社、そのなかでも先頭を走っていると思われる文芸春秋社がFAXでセミナー希望を受け付けているのもおかしい、いといえばおかしなことである。スポンサー付きのセミナーで参加者名簿をスポンサーに提供することになっているからか、担当者がFAXでの申し込み記録をそのままスポンサーに渡せば簡単、とでも考えたのかもしれないが、時代を考えなかった手落ちといえるかもしれない。件のセミナーには参加することを諦めたが、主催者としては思わぬ不入りとなるかもしれない、と思った。
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