鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

振り込め詐欺グループからの着信記録が残っていて、一瞬「すわ、逮捕へ」と勇んだものの

2014-08-31 | Weblog
 先日のことである。午前9時半ころ、家の黒電話が鳴ったので、かみさんが受話器を取ったところ、男の弱々しい声が聞こえてきた。どうやら、三男からのようで、傍で聞いていると、「身体の調子が悪くて病院に行った」という内容らしい。三男は家庭のトラブルを抱えて、このところ音沙汰を聞かなかったので、精神的なダメージから身体を壊してしまったらしい。ようくあるケースで、こりゃ見舞いにでも行かないといけないかな、と思いながら、なおも聞いていると、三男は「会社から電話が行くはずで、行かなかったか」と聞いているようだった。かみさんが「会社はどこにあるの」と聞くと、「品川」とおよそ的はずれな回答をしたので、振り込め詐欺だと分かり、電話を切ってしまった。
 このところ、我が家には長男、もしくは三男の名を騙り、しばしば振り込め詐欺らしき電話がかってくるようになった。その都度、警察に連絡していたところ、いずれも神奈川県下の高校を卒業しているので、その高校の卒業者名簿をもとにかかってくるようだった。今回もそのようで、また警察に連絡しようかな、と思って、携帯への着信記録を見ると、その時間に携帯から電話がかかってきて、発信元の携帯の電話番号が記録されていた。いままでこんなことはなかったので、早速地元の警察署の振り込め詐欺の担当部署に電話し、電話の詳細と着信記録が残っていることを伝え、番号も伝えた。
 振り込め詐欺グループは電話を架ける際には発信元を通知しない「非通知」で電話するのが常で、こんなドジを踏むのは珍しいことである。だからといって、素人がその番号に架けても空とぼけられるだけで、埒があかないのは目に見えている。そこは警察に任せるべきだと思って、ご注進に及んだわけだが、受け付けた警官はそれほど感激した様子はなく、「一応伺っておく」感じで、ひどく冷静だった。振り込め詐欺グループは使い捨ての携帯をいくつも持っていて、たとえ番号が判明してもその筋からの追及があっても容易には足のつかないようにやっている、とは聞いていたが、専門家である警察なら、その壁を突き破ってくれるのではないか、とも期待した。
 ところが、ご注進から10日経っても当に警察からは何の返答もなく、なしのつぶてであった。お礼の電話でもかかってくればいいのに、と思ったのが馬鹿みたいに思えてきた。やはり、携帯の番号がわかっただけでは振り込め詐欺グループを捕まえるには至らないのだ、とも思っていた。
 しかし、30日になってかみさんが突如、「先日の振り込め詐欺の電話の男はつい2カ月前に長男の名を騙って電話してきた声によく似ている」と言い出したので、それならと警察に問い合わせることとした。長男の名を騙って電話してきた際も冒頭「いつ来るのか」と切り出し、かみさんが時々長男の家を訪問しているのを知っていて、こちらの家庭の事情を徐々に聞き出そうとカマをかけてきているようで、気味が悪い感じがしていた。そのあたりの事情を伝えながら、先日の携帯電話の番号の一件はどうなったのか、と聞くと、やはり携帯電話の番号だけでは犯人検挙にまで至らないということを諄々と説かれた。今度はもののわかった中年の警官のようで、そう説明されるとそれ以上踏み込むわけにはいかず、あっさりと引き下がらざるを得なくなってしまった。
 振り込め詐欺グループも必死になって仕掛けているわけで、そこまでドジではない、ということがわかっただけでも収穫とみるべきだろう。かみさんには「今度かかってきたら、一旦切って、こちらから息子にかかえることにするように」と指示することにした。
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温情あふれる裁判長の采配に美人姉妹の冷え切った関係は元に戻るのか?

2014-08-21 | Weblog
 20日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。408号法廷の午後1時半からの損害賠償請求民事訴訟を傍聴した。原告、被告とも妙齢の美人で、いずれもたった1人で法廷に乗り込んできているのが異様な感じだった。普通はは証人は宣誓を一緒にするのだが、原告側がそれを阻み、1人で宣誓し、法廷に厳しい雰囲気が漂った。まず証言台に立った原告は2年前にネットで大麻を常習しているとか、暴力団との付き合いがあるとか、中傷の記事が投稿され、「本業のモデルの仕事をすべてやめざるを得ず、事務所のみならずスポンサーにも多大な損害を与えた」として被告を訴えるに至った経緯を語った。警察にも届け、犯人を特定してもらおうとしたところ、数日してネットに投稿記事を載せたのは実の姉であることが判明したと告白した。
 その姉から数日して電話があったことから判明したのだが、実の姉がそうしたことをした背景には外からは伺い難い姉妹の確執があったようだ。原告によると、大麻を吸ったのは6年位前に2、3回だけで、それも「姉と一緒に吸った」という。その姉がネットに投稿したと知って、原告は驚くとともに両親を交えて姉と話し合いの場を持ったが、当の姉は謝罪すこともなく、「嫌がらせしてやろう、と思っていた」と自ら行った行為について反省のそぶりも見せなかった、という。
 一方の被告である姉は証言台に立って、「2年前に妹が社内吊り広告に出ていることを知って、大麻の常習者である妹が人前に出て仕事をしているのはけしからぬことだ、と思ってネットに投稿した。社会のためにもよくないことだ」とおよそ実の姉らしからぬ言明をした。ネットに事実を投稿することで、本人のため、社会のためになると思った」と公言した。原告にもその時、「過去に大麻の吸引やや暴力沙汰があるけど大丈夫か」と確認したところ、妹からは「みんなやっていることだ」と言ったので、「みんなに知ってもらいたいと思って投稿した」と語った。
 モデルとして活躍する妹に対し、嫉妬心があったのではと思われたが、その点については代理人から触れられることはなかった。ただ、被告に対し、原告の代理人から「ネットに投稿する前に他の方法を考えなかったのか」との質問があり、被告は「思いつかなかった」と答えた。
 被告は投稿の際に実名でなく、幼いころの友人の名前を語っていたのも不審な点である。その点を裁判長に聞かれ、「妹は普通に話してわかる人ではないから」と答えた。その後、裁判長から「妹さんが大麻を吸っていることを本人の口から聞く以外に確認したことがあるか」と問われ、「「特にしていない」と答えた。それに対し、裁判長は「妹さんが人とは違うと思っているのなら、大麻吸引の言動は誇張とは思わなかったもか」と畳みかけられていた。
 さらに裁判長は被告に対し、「自分のやったことはいいことだと思っているのか」と聞き、被告は「はい」と答えた。
最後に裁判長はこれからどうするか難しい」と裁判ではなく、姉妹の行く末を案じるような発言をし、双方とも13階の37部に来るように命じ、協議することで法廷をあとにしたが、裁判の結果よりも姉妹の仲が未来永劫に別れたままとなるのを避けたい、とも思惑がありありだった。その意味では裁判官の温情があふれた稀有な裁判であった、といえそう。
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いままでの路線を大幅に変えた武井咲のプロ根性路線の「ゼロの真実」の成果はいかに

2014-08-12 | Weblog
 TBSテレビの毎週木曜日夜に放送している「ゼロの真実 松本真央」はいま話題の女性科学捜査官を武井咲が主演しているが、その武井咲が出演中にニコリともせずに厳しい表情で役に取り組んでいることに驚かされる。2、3年前に美形タレントで売り出した武井咲が新境地を開拓せんと取り組んだドラマであるのはわかるが、これまでの絶えず微笑を欠かさなかったかわい子ちゃんから一転して、徹底したプロ意識に凝り固まった役に挑戦しているのが面白い。武井咲自身はもちろん、所属事務所にとっても華麗なる挑戦といってよく、タレントの使い捨て時代の生んだ策ともいえそうだ。
 「ゼロの真実」は事故、もしくは事件で亡くなった遺体を解剖する東京都医務監察院に新進の若手女性医務官が登場するシーンから始まる。所員が事務室にやってきて、見慣れぬ女性が壁に向かって倒立している姿にまず驚く。しかもその女性は若いし、美人であるが、ニコリともせずに自らの使命を果たそうとし、所員が打ち切ろうとする解剖作業を徹底して取り組み、難事件を解決に導く。サラリーマン世界のなかで嫌われかねない徹底したプロ意識を見せる主人公、松本真央は孤立しかねないところを真矢みき演じる先輩の女性医務官が救う。
 先週も都下の陋屋で発見された女性のミイラ化した遺体を解剖し、事故として処理しようとする同僚に対し、疑問点を次から次へと発見し、遂には他殺、しかも交換殺人であることを突き止め、事件を解決に至らしめる役をサラリと演じきった。無事に事が終わり、関係者からねぎらいの言葉をかけられてもニコリともせずに淡々と「仕事ですから」と躱すあたり、武井咲はいまどきの若い女性にはありえないキャラクターを見事に演じている。
 武井咲は2、3年前にデビューし、当初から主役をあてがわれ、演じる役はニコニコと微笑みを絶やさない典型的なかわい子ちゃんタレントだった。ただ、期待されたほど人気は出ずに同期の剛力彩芽が相変わらずの地位を保っているのに比べやや精彩を欠いているようにも見えた。
 だから、そうした局面を打開すべく打ち出されたのが今回の徹底したプロ意識に目覚めた真プロ路線だったのだろう。画面に登場する最初から最後まで一切の微笑をカットして、常に怖いというか、厳しい表情で役に取り組んだ。いままでの微笑路線とは一線を画した役つくりで、いままでの武井咲だったら想像もできない役にファンは驚くと同時に衝撃を受けるこてゃ間違いない。
 それほどまでして、武井咲の路線を変えさせたのは何だったのか。一人のタレントの生命を左右することなど事務所なり、マネージャーにとってはごく当たり前のこよなのかも知れない。この大胆ともいえる路線変更の結果がどうなるか、いまのところ出てはいない。いままでのテレビドラマの成否を占う視聴率で見る限り、それほどいい結果が出ているとは言い難い。
 武井咲はまだ21歳とテレントとしては走り出したばかりで、まだまだ長い役者生命を考えると、この先どういう路線を歩んでいけばいいのか、描きにくくなったのは間違いないところだろう。そんな一タレントのタレント人生を顧慮しているほどの余裕がないのがいまのテレビ界といえばそれまでなのだろう。
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夏らしい演目で大いに楽しませてもらった「八月納涼歌舞伎」

2014-08-10 | Weblog
 9日は台風の接近が気になるなか、東京・銀座の歌舞伎座に「八月納涼歌舞伎」の観賞に出かけた。午前11時からの開演に合わせ、松屋でランチを買い込んだうえで1階の3列21.22番席に着こうとすると、席にだれかが荷物を置いている。こちらで勝手にどけるわけにはいかないので、係り員を呼んでどけてもらった。開演まで売店でおみやげを買って、席に戻り、かみさんに「それらしき人が来たのか」と聞いてみると、全くそれらしき人は現われなかった、という。後ろの席は終演まで空いたままだったし、なんだか真夏の怪談らしき思いをした。
 肝心の演目は「恐怖時代」で、谷崎潤一郎原作の戯曲。我が子照千代に家督を継がせたいとお家騒動を画した家老の愛妾お銀の方が女中の梅野と家老、春藤靭負と陰謀を相談する場面から始まる。主君の子を懐胎している奥方を亡き者とせんとして、医者の玄沢から毒薬を入手することにしており、その毒薬を手に入れた途端、まず玄沢を毒殺してしまう。次いで。奥方に毒を盛る役を茶坊主の珍斉に申し付けることにして、娘とともに呼び出すが、梅野が企みを知った娘の由良を殺してしまい、恐れおののく珍斉に協力を約束させる。
 一方、梅野は小姓の磯貝伊織之介に惚れており、夫婦約束をしているが、当の伊織之介はお銀の方にぞっこんで、2人との密会にふける最中、殿様が日頃の不正ぶりを難詰する家臣の菅沼と氏家に諫言され、困っているとの知らせが届き、剣に自信のある伊織之介は即座に殿中に戻り、殿の命により、2人を忽ちのうちに切り捨ててしまう。その鮮やかな太刀裁きに惚れた殿はさらなる座興として、控えていた梅野に伊織之介と立ち会うように申し付け、これも一刀両断のもとに切り捨てる。
 そこへ奥方が毒を盛られ、死んだとの知らせが入り、珍斉に嫌疑がかかる。2人っきりとなったお銀の方と伊織之介は会心の笑みをもらすが、それを見た家老の靭負が難詰するが、逆に伊織之介に切って捨てられる。事の次第に珍斉はすべてを白状すると、お銀の方の愛する照千代が殺されてしまったことが判明する。絶望した伊織之介は今度は殿様も切り捨て、一緒に家来衆もすべて切り捨ててしまう。それを成し終えたお銀の方と伊織之介はお互いに刺し違えて絶命する。全員が死んだ、と思ったら、伏せていた珍斉がガバッと起き上ったところで、幕となる。
 なんともすざまじい殺人の連続で、いかにも夏らしい演目である。谷崎潤一郎の原作は読んではいるが、活字で読むのとこうして演劇で観るのではいかにも残酷な内容であることが一目瞭然で、ぞっと背筋が寒くなる思いがした。その残酷さを救うのが最後に珍斉がむっくと起き上がる場面なのだろうが、役者の中村勘九郎がまだ未熟で観客を笑わせるまでには至らなかった。まだまだ、亡き勘三郎の域には達していないことを実感させてくれた。
 相次ぐ殺人のシーンで殺された武士が死ぬ瞬間に眉間の間から赤い血を思わせる液が流れてきて、衣装にパッと広がっていくシーンはうまくできていて感心した。あと舞台が回り舞台で場面転換がすぐにできたのも歌舞伎座が新しくなってそうした装置が完備したからだろう、と思った。
 もうひとつの演目である「龍虎」は中村獅童と坂東巳之助の共演で、踊りそのものより衣装と顔の化粧が素早く早変わりしたことに驚かされた。巳之助は坂東三津五郎の次男とかで、歌舞伎の世界も世代交代が進んでいることも痛感させられた。ともあれ、いずれも夏を感じさせてくれる演目で、大いに楽しませてもらった。
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安倍首相よ、死に体の東京電力に任せっ放しの福島原発の放射能汚染水対策をなんとかせい

2014-08-08 | Weblog
 7日、東京電力が福島県相馬町の相馬双葉漁業協同組合に対し、福島第1原発の原子炉建屋周囲の井戸「サブドレン」から地下水を汲み上げ、浄化したうえで海に放出する計画を説明した。これまで放射能汚染した地下水対策としては凍土壁をつくることで汚染水を閉じ込めるとの策が公表されてきたが、この凍土壁との関連については新聞、テレビとも触れずにただ東電が地元に対して説明したとの事実だけを報道したのにはこれまでの原発報道に対する姿勢の一貫性を欠くものとして大いに疑問を持った。
 もちろん、この東電の説明に対して、相馬漁協の佐藤弘行組合長は「5月に始まった地下水バイパスで基準値を超す放射性物質が一部で検出された点を問題視する意見が相次いだ」ことを明らかにしたうえで、「地下水バイパスの基準値超えについて目に見える対策がなければ、今回の計画受け入れの障害となる可能性がある」と実質的に反対の意見を表明した。漁協組合員の意見はさらに強硬な反対が多かったようで、これまで東電の取ってきた汚染水対策との整合性が問われることとなりそうだ。
 今回の説明は何よりも監督官庁の経産省、および原子力行政の担当である環境省もどうかしているへの説明がどうなっているか、そのことの説明がなされたのかが最大の疑問である。放射能汚染土の処理について石原伸晃環境相がいい加減な説明を繰り返していることから、行政当局が頼みにならないとして、東電が無視したとしたら、それはさらに問題である。まさか、そんなことはないのだろうが、東電自体、一企業として今後も存続していけるのかわからず、こうした長期にわたる問題を処理できるだけの体力を持ち合わせているのか、となると、はなはだ疑問がある。
 だからこそ、国をまじえて事の処理にあたるべきなのに、しゃあしゃあと地元に出向いて説明を行うなど、東京電力はKYな企業であることを世間に見せつけたことになる。それを放置している国の経産省、および環境省もどうかしている。
 もともと、こうした事態を招いたのは原子力を東電の描いた図面のまま任せてきた国、というか自民党の原子力行政に大きな責任がある。東日本大震災が起きた時は民主党政権だったため、いかにも責任は当時の民主党政権にあるような印象が満たれているが、とんでもない。かくたる事態を招いた大きな責任は自民党にある。自力で問題解決できない東京電力はいまや死に体といってもいいだろう。そんな東電に汚染水対策を任せておいて、問題の解決などできるわけがない。安倍政権はことを石原環境相に任せておいて、どうする積もりなのだろうか。海外に4ばかり出かけていって、微笑外交を繰り広げていて、国内に深刻な問題には一切切り込まないのでは、内閣支持率は落ちる一方である。
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