鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

柔らかいソファに座り続けると腰を痛める、腰も生き物である

2013-07-31 | Weblog
 ここ数日、腰に違和感があって、妙にだるいような感じがしていた。ぎっくり腰の前兆のような感もあり、軽くジョギングをしていても歩きたくなるような感もあった。何か重いものでも持ったのか、とも思ったが、思い当るふしもなく、どうしたものか、とずっと思っていた。さりとて、医者にかかるほどの重症でもなく、こんな時にはどうしたのか、と過去を振り返ってもなかなか思い出せなかった。
 昔から比較的、腰は強くて、それほど腰を痛めたような記憶もないが、10数年前にぎっくり腰をやって起き上がれなくなり、2、3日寝ていたようなことがあった。あとは慢性的な腎臓結石を抱えていて、寒い冬の折りに結石が尿管を下りてくる時に腰を引っ張られるような感触がある。痛いわけではないが、後ろへ引きづられるような感じがあり、しばらくすると、結石だ、とわかってくる。
 それが30日になって、ふと気がついたことがあった。それは一週間くらい前にいつものようにテーブルの椅子で本を読んでいて、そのまま寝込んでしまったら、かみさんが頭を乗せるのにちょうどいい真ん中をくりぬいた枕を首にあてがってくれたことがあった。それがずれ落ちて、腰のあたりにひっかかり、腰のまわりを保護してくれ、いいクッションとなった。気持ちもよかったので、以来その枕はずっと椅子の背もたれの下に鎮座して、腰を保護するような役割りを担ってくれた。それが、却って腰によくなかったことがわかったのだ。
 たまたま、テレビで市川海老蔵の健康法なるものを紹介していて、第1条に「ソファに座らない」ことを掲げていた。ソファなど柔らかいのに座りつけると、逆に腰を養護し過ぎて腰を痛めることになう、というのだ。知らず知らずのうちにそれと同じことをしていて、腰を痛めることになってしまったのだ。市川海老蔵は常に固い椅子に座ることを心掛けている、という。柔らかいソファに座りつけると、腰を養護しているようで、腰の骨なり組織を鍛えることなく、弱くしてしまう、ということなのだろう。
 イギリス人は若いうちからソファベッドでなく、固い木のベッドに寝ることにしている、というのも同じことなのだろう。人も過保護な環境に育つと却って、健全に育たないことがあるようで、厳しい環境に置くことも時には必要なことなのだろう。
 腰も生き物である、ということなのかもしれない。
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早くからあまりにも強大な国家を確立した中国はそのこと故に発展が遅れた

2013-07-30 | Weblog
 ジャレド・ダイアモンド著の「銃・病原菌・鉄」を読んだ。数カ月前に新書の「知の逆転」を読んだら、ジャレド・ダイアモンドを取り上げ、褒めていたので、読む気になった。人類が歴史に現れて以来の文明の盛衰を解き明かしたもので、ひとつの文明が栄えてきた理由を銃・病原菌・鉄などに求めているユニークな視点の著書で、教えられるところが多かった。10年前に刊行されベストセラーとなったが、最近文庫本としても刊行され、再び評価されていた。
 「銃・病原菌・鉄」jはいかにも文明の発達で貴重な役割りを果たした3つのファクターを並べ、いかにも興味を引きそうなタイトルで、読者を引っ張り込むが、内容はで、学術書みたいで1万3000年前からの人類の進化のなかで、多くの文明が生まれたなかでなぜ欧米の文明が栄え、その他の文明が滅んでいったかを解き明かしていく。とはいえ、圧倒的に進化を遂げたのはここ数百年で、特に欧米に登場した銃が貴重な役割りを果たしたことを説明する。
 16世紀に栄華を誇っていた中南米のインカ、マヤ帝国がフランシスコ・ピサロ率いるわずか数十人の兵によって滅ぼされたというが、その原動力となったのは銃であった、というのは驚くべきことである。それと、ペストなど病原菌がまたたく間に未開の原始人を殲滅させた、との記述はマイナスのイメージしかない病原菌が実は武器のような役割りを果たしていたというのは滅びされた民族からすればなるほどと納得させられた。
 ただ、銃はじめ3つのファクターはあくまでも象徴的なもので、そのほかにも文明を維持発展させる要素として、植物の栽培、動物の家畜化、それに言語の発明といったことが大きな要素であることを叙述している。事実、狩猟民族から食料を栽培することを覚え、牛馬など動物を家畜化し、農耕民族となることによって幾何級数的に人口を増やしてこられたことの指摘で、言われてみればなるほどと思われた。
 また、ここでも中国が古来から帝国を築いてきた一大文明であるとともに王国であるとの指摘があったが、それがいまに至ってかつての地位を築いていないのはあまりにも中央集権の権力が強すぎて、末端にまで徹底しすぎたために却って発展するための萌芽を自ら摘んでしまった、という歴史上の皮肉があった、との指摘は面白かった。とりわけ15世紀に世界各地に派遣していた船団を国内での抗争もあって、中止してしまった。それに引き換え、欧州各国は競うように世界各地へ船を送り出し、大航海時代を出現させ、米国の発見や、新世界での覇権確立へつながっていった。中国はこのほかにも14世紀に水力紡績機の開発も禁じて産業革命への途を封じたし、世界最先端をいっていた時計技術を放棄したり、あらゆる機械や技術から手を引いてしまった。このような傾向は文化大革命の時にも起きた、と指摘している。漢字ひとつとっても過去2000年、中国はひとつにまとまっていて、このことが他地域のリードを生むことにつながっていった、とも指摘する。著者は複雑な海岸線を持つ欧州と単純な直線で成り立っていつ中国の海岸線との地理的な差も預かっている、と指摘しているが、これに気候的な要素を加えればさらに説得力を増すことだろう。
 同じ筆法で日本を論じてもらいたかったところであるが、中国文化の傘下にある日本が著者の俎上にのぼるのはまだ先なのだろう、と思われた。
 
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高校野球の応援が肩透かしをくったうえに、トリプルに外れた散々な日であった

2013-07-29 | Weblog
 28日は横浜球場での高校野球神奈川県大会の準決勝にひいきの東海大相模高校が宿命のライバル、横浜と対戦するので、応援に行くことにした。試合開始30分くらい前に関内駅に降り立つと、信号の前あたりから大勢の人がたむろしていて、どうやら入場券の購入のために長い列ふができている。東海大相模は1塁側のはずと思って、1塁側の列に並んでみたら、球場の周りを蛇のとぐろのように曲がりくねって列が続いている。とにかく入場券がないと入れないので、並んでいると50メートルくらい先に「このあたりで入場券は買えなくなる恐れがあります」と書いた看板を持った係員がいる。それでも並ぶしかない、と思って、ゆっくりとした歩みの列に並んだ。
 試合開始となっても、列が続いていて、ようやく窓口がみえそうなところまで来たが、そこで入場券の販売は打ち止めとなってしまった。これまで何回も夏の高校野球の試合の応援に来ているが、こんなことは初めてのことだった。諦めきれずに球場の周りを一周すると、3塁側の入場券売り場ではまだ販売していたが、いまとなっては手遅れで、仕方なくベンチに座って買ってきたおにぎりを頬張りながら、球場内から流れてくる場内放送を聞いていた。3回くらいまでは目立った動きもなさそうだった。そのまま聞いているのも癪なので、伊勢佐木町まで行き、帰りに寄ろうと思っていた古本屋をぶらつくことにした。
 目当ての古本屋は珍しく、「お買い上げ1000円以上の場合は20%引きとします」との貼り紙が出ていたが、それでも他にお客もなく、閑散としていたのに引き換え、ブックオフにはいっぱいのお客が入っていたのには驚かされた。伊勢佐木町の終点までぶらついたら、他にも3軒ばかりの古本屋が見つかったものの、さりとて買いたいと、思わせるような本はなかった。真夏の炎天下をしばし歩いて疲れたので、PRONTコーヒー店に入り、一服していると、隣に座った中年のカップルが携帯電話を見ながら、「横浜が7対0で勝った」としゃべっていたのが耳に入った。7回とか、8回で終わったとか話していたが、とにかく東海大相模が負けたことは確かなようだった。東海大相模は対戦相手に恵まれて、ここまで厳しい試合もなく、楽勝で準決勝まで進んできたので、試合巧者の横浜になんなくひねられたようだった。むしろ、球場のなかでその下手ぶりを目のあたりにしなくて良かったのかもしれない、とも思った。
 家に帰ってきて、テレビを点けると、中日対巨人戦を中継していて、こちらもひいきの中日が1対0で負けていた。チャンネルをひねって、8チャンネルの競馬中継に変えると、新潟競馬のメインレースのアイビスサマーダッシュを中継していて、買った馬券は見事に外れた。中日もそのまま1対0で負けた。
 東海大相模戦は準決勝なのに8回コールドで負けた惨敗ぶりで、6回裏に四球押し出しで1点を先行されて、走者一掃の2塁打を打たれ、勝負あったようで、選手の差というより、横浜の渡辺元智監督と東海大相模の門間敬治監督の差で敗れたようなものだった。3日前の準決勝で横浜は好投手を擁する桐光学園の前に試合開始早々は選手が委縮しているような感じがあったのに試合をするなかで、立て直してきて最後には勝ってしまった。高校野球の監督というのは選手からみれば神様のような存在で、発する一言一言が選手の心に響いてくるものなのだ、と思わせられる。
 ともあれ、この日はひいきの東海大相模が負けたこともあって、プロ野球、競馬と立て続けにトリプルに目が外れた散々なひであった。
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石破幹事長よ、ご自分なら靖国神社参拝をどうするのか、考えを聞きたいものです

2013-07-28 | Weblog
 28日朝のTBSテレビの「時事放談」に先の参院選に大賞した自民党の石破茂幹事長と前原誠司民主党前政調会長が出演し、当然のことながら参院選の総括から議論に入った。石破幹事長は大勝したものの、だからといって驕ることなく、やるべきことをやっていくと殊勝な姿勢。片や前原氏は素直に民主党の負けを認め、与党である自公への対抗勢力としての地盤固めをしないといけない、と自戒を込めて語るが、肝心の民主党は菅元首相への党員資格停止3カ月の処分を下すなどお寒い状態に迫力がない。
 それで、消費税はの対応など安倍政権の課題などに話題は移っていき、焦眉の問題として安倍首相の終戦記念日の靖国神社参拝をどうするか、という点になったところ、最初に話題をふられた石破幹事長は「安倍首相がどうするかお決めになることだ」と自らの見解を示すことなく、首相の専権事項とでもいいたげだった。安倍首相の靖国神社参拝についてはつい数日前、新聞各紙は自民党の有力筋の情報として、「見送り」と報じていた。石破氏は当然、自民党の幹事長であることから、この有力筋につながるはずと思って聞いていたら、そんな決定は知らない、とでもいいたげだった。
 司会の御厨貴東大教授はちょうど1カ月余前の6月21日付けの読売新聞の「歴史問題 語る」シリーズに登場し、「靖国参拝は体中国関係だけでなく日米関係をも冷却し、アメリカだけでなく中国、韓国から戦前のABCD包囲網のように日本包囲網を作られてしまう恐れがある」と語って、靖国参拝はしない方がいい、とアドバイスしている。その本人が自らの見解を再度述べることなく、石破幹事長に安倍首相の靖国参拝をどうか、と尋ねるのだから、見ている人は幹事長の政治力を問うているようにも聞こえてきた。
 続いて、前原氏にも聞くと、「そもそも政治家の靖国神社参拝については中曽根元首相の時に少なくとも首相やトップに近い立場にあるひとは近隣諸国への影響を考えて行くべきではないとの取り決めを作った。民主党はそれを尊重してずっと行っていない」と暗に安倍首相もこれを守るべきだ、と論じた。
 これに対して石破幹事長は何も言わなかったが、安倍首相と石破幹事長の関係は参院選の前には幹事長交代の噂が取りざたされることもあり、必ずしもうまくいっているとはいえない状態だった。しかし、参院選の与党の圧勝は幹事長の功績と見る向きが多く、とても幹事長の交代を言い出せる状況にはなくなってしまった。だからといって、安倍首相と石破幹事長の距離が近くなったわけではないようで、靖国神社参拝問題ひとつとっても意思疎通がスムーズに図られているようではないようだ。
 石破幹事長としては前回の自民党総裁選の結果から見ても、心のどこかで安倍首相の次の総裁は自分である、との意識があり、どこかで安倍首相がつまづくような局面がくれば出番となる、と思っていることだろう。もちろん、党の幹事長として自公政権がうまく運営されていくことが一番だ、とは思って安倍首相を盛り立てていかなければならない、と思っているものの、いまや安倍政権のアキレス腱ともありつつある対中国関係をどう立て直していくのか、見えない面がある。そんなところに自ら突っ込みたくない気持ちもあり、「首相がお決めにあんること」との優等生的発言が飛び出したものだろう。
 でもいずれ、石破幹事長も首相になるかもしれないと思っているのだから、ここは自らの靖国神社参拝の姿勢をはっきりと打ち出してよかったのではなかろうか。
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生きることの素晴らしさを謳いあげた、心温まる感動の秀作「扉をたたく人」

2013-07-27 | Weblog
 27日、NHKBSで洋画「扉をたたく人」をやっていたので、どんな映画なのか見るともなく見ていたら意外なストーリー展開に思わず引き込まれ、最後まで見てしまった。9.11の同時多発テロ以降、米国のセキュリティ対策は厳重に強化されたが、そのなかで中東周辺諸国からの不法入国は徹底的に取り締まられ、その動きに翻弄される1組の男女と関わり合った老年の教授の目を通して生きることの素晴らしさを謳い上げた秀作だった。
 「扉をたたく人」という意味ありげなタイトルの映画はピアニストの妻を亡くして、一人さびしく暮らしている米国コネティカット州に住む62歳の大学教授、ウォルターが窓から来たるべきお客を待って、外を眺めているシ-ンから始まる。やがて、ドアがノックされ、女性が顔を出す。教授が依頼したピアノの教師で、すぐにレッスンに入るが、しばらく弾くうちに教授はピアノを習うことをやめて、「もう教えてもらわなくていい」と告げる。
 大学に行き、いつものように講義をするが、これにも身が入らない。期限の遅れたレポートの提出をしてきた学生に対しても「受け取ることができない」と突っ返すやる気のなさ。決められたことは淡々とこなすが、進んで何かをやろうという気になれない。そんな折り、名前だけ貸した論文の学会での発表を頼まれ、一旦は拒否するが、結局断れなくなって、ニューヨークの学会に出かけることとなった。
 で、以前からニューヨークに構えているアパートに赴き、カギを使って、中へ入ると、だれもいないはずの部屋にだれかいる。そっと窺ってみると、なんと1組の若いカップルが住み着いているではないか。どうやら、騙されて、部屋を紹介された、とわかって、一旦は部屋を出ていくが、結局、いくところがないことがわかり、2、3日ならということで、滞在を許すことにした。学会での論文発表をしながら、カップルの様子を見ていると、シリア出身という男性、タレクはジャンベというドラム奏者で、女性はセネガル出身のゼイナブというアクセサリー作者で、必死に生きている姿に共感を覚え、タレクからドラムの奏法を教わることになる。
 ウォルターはドラムを叩くタレクの出演するクラブに足を運んだり、一緒に路上コンサートに参加したりするうちにすっかり若いカップルと親しくなるが、ある日、地下鉄で大きなドラムを抱えて改札口でちょっとしたトラブルとなったタレクが警官に掴まり、そのまま連行されてしまう。不法滞在者であることがばれて、難民収容センターに送られてしまう。ウォルターは弁護士に依頼してその無法ぶりを訴えるが、9.11以降その種の取り締まりを強化している米国政府の姿勢は断固なるもので、埒があかない。
 それでも何回もセンターに面会に行き、タレクをなんとか救出しようとはかばかしく進展しない。そうこうするうちに同じように米国に住むタレクの母親がアパートを訪れてくる。これまでの経緯を説明し、一緒にセンターや、弁護士事務所に赴くが、事態は改善されない。その間にもゼイナブと連れ立って、自由の女神のあるリバティ島に行ったり、タレクの母親と「オペラ座の怪人」を観賞して、束の間の青春を楽しんだりする。
 その翌日に、タレクからの電話で、にわかに強制送還されたことを伝えられ、母親とセンターに駆け付けるが、すでに強制送還されたあとだった。母親は「実は私も不法滞在で、こうなったのは私のせいだ」と打ち明け、シリアに帰ることにした、と語る。翌日、空港でテレクの母親を見送ったウォルターは一人さびしく、ニューヨークの地下鉄のホームでジャンベを叩き、うさを晴らしているシーンでジ・エンドとなる。
 この映画はトム・マッカ-シーの脚本・監督で、最後に「ジム・ウレディスを追憶して」とのメッセージが出るところを見ると、実話に基づいて作られたもののようで、圧倒的な権力のもとで虐げられる人々の悲哀とそのなかで生きる喜びをみつけて生きていく1人の男性を描いた心温まる映画であった。公開は2007年で、主演のリチャード・ジェンキンスはアカデミー主演男優賞にノミネートされた、という。共演の母親役のヒアム・アバスともどもそれほど有名な俳優ではないが、いい映画というのは必ずしも有名な俳優が出ているかいないかには関係ないようだ。いずれにしろ、公開当時に見逃したのは事実で、見る映画の選定方法を考え直さないといけない、と反省した。
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ビッグデータに何を求めるか、出てきた結果から何を読み取るか、が肝心

2013-07-26 | Weblog
 JR東日本が25日、IC乗車券のSuicaに関するデータをカード利用者に無断で社外に販売したことについて、「事前に利用者に説明すべきだった」と謝罪した。同時にデータ提供を希望しない利用者には対象から除外することも表明した。ビッグデータの先行事例として注目されていた事業ではあったが、意外なところでつまづいたようで、今後こうしたビッグデータの活用には個人情報の保護についての配慮が欠かせないことが教訓となりそうである。
 JR東日本のSuica利用者データは日立製作所が乗降駅のマーケティング資料として数百万円で販売する、と発表したが、これに対して利用者から約150件の問い合わせが寄せられ、これらを慎重に検討した結果、利用者に事前に説明もなく、無断で販売したことについて謝罪するとともに利用者から申し入れがあれば、ビッグデータから該当の箇所のデータを除外する措置も講じることを発表した。
 JR東日本によると、ビッグデータの対象となるのは4300万人が首都圏の1800の駅で乗降するデータで、これからたとえ100万人が除外の対象となったとしてもデータの有効性にはなんら支障が出ないことだろう。
 統の世界では、一般にアンケート調査の妥当性を測る尺度として、標本数が300あればアンケート結果は有効なものだ、とされている。アンケートの標本数が多ければ多いほど正確度は増すことは事実だが、300の標本があれば大方の趨勢は表われる、という。アンケートの標本を集めるのに人海戦術で行えば、1票当たり1000円のコストがかかるので、300標本集めるだけで30万円かかってしまい、これに集計、分析の費用を加えればざっとアンケートのコストは50万円は下らないこととなってしまう。だから、そんなにコストをかけないで、世の中の動向を探るのに的確な方法として編み出された手法ともいえる。
 それからすると、ビッグデータなるものは膨大なデータをコンピュータ処理して、分析する怪物ということになるが、果たしてそんな膨大なデータを扱う必要があるのか、ということになってくる。300あればいいのに、数千はおろか数百万ものデータを集めてきて、統計的処理をして、分析、解析することに一体どんな意味があるというのだろうか。
 90%の確率で妥当なことがビッグデータを活用することによって99%、さらには99.9%の確度にまで上がるということではないだろうか。そんな確度をあげるためにだけのものだとしたら、ビッグデータなど要らない、ということになることだろう。要はビッグデータに何を求めるか、ということと、出てきた結果から何を読み取るか、ということにかかってくる。
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中国の領空侵犯に対して日本政府としてどう臨むのか、はっきりとすべきだ

2013-07-25 | Weblog
 中国のY8早期警戒機が沖縄本島と宮古島を結ぶ公海上を飛行して太平洋上を通過したことが24日、明らかとなった。中国が防衛ラインとして認めている台湾と日本を結ぶ「第1列島線」を超える領空侵犯で、相変わらず続いている尖閣諸島周辺の領海侵犯の加えて、中国が空でも同じような戦術に乗り出してきたものとして注目される。安倍政権がさきの参院選で圧倒的な勝利を得て、さらに日本のプレゼンスを高める政策に出てくる、と見て、先手を打ってきたものともとれるが、参院のねじれ現象は解消したものの、今度は日中関係がねじれにねじれ始めたようだ。
 中国の軍機が台湾と日本を結ぶ軍事的防衛ラインの「第1列島線」を超えて太平洋上を飛行するのは初めてのことで、日本側は航空自衛隊のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)して、対応した、」とされているが、船と違って戦闘機の場合は一瞬のことだし、こちら側の意図を伝えるのもどこまで効果があったものかわかりにくいところがあり、果たして中国機側が理解したかどうかも不明のまま終わったようだ。
 第1次世界大戦の開戦のきっかけとなったのはささいな小競り合いからだ、と言われている。大方は核戦争の時代にそんなことが起きるはずはない、と思い込んでいるようだが、政府の目の届かない僻地や公海上でどんなトラブルが起きて、それが戦争につながっていくようなことがないとも限らない。日本は憲法第9条で戦争をしない、と謳っているからあり得ないことだが、仕掛けられた場合はどうするのか、自衛隊にこと細かく明記したマニュアルがあるものなのだろうか。
 そもそも中国側がどのようなねらいから、こうした領空侵犯をしてきたのか中国側に見解を質す必要がある、と思われるのに、テレビで報道陣の会見に応じた小野寺五典防衛相は単に「スクランブル発進した」というのみで、それ以上のことは言わなかったようだ。関係者によると、外務省は「公海上の飛行なので、国際法違反ではない」と言っているとしているようだが、それならスクランブル発進した理由がわからない。少なくとも日本政府として領空侵犯したのかどうかの見解をまとめ、それに応じた措置を取る必要がある。日本政府は内閣のトップから役所の末端に至るまで、対中国への対応を見ていると、バラバラで、これでは中国に対してきちんとした外交が展開できるかとなると、はなはだ心もとないとこおrがある。
 安倍首相は参院選後の記者会見で、中国との首脳会談について、「門戸は常に開放している」と語り、いつでも首脳会談に応じる用意はあると語ったようだが、その割りには日本側から首脳会談を呼びかけているようなふしは見当たらない。単に記者団から突っ込まれて、そう答えただけのようにしか見えなかった。25日付けの新聞各紙によると、安倍首相は来月15日の終戦記念日での靖国神社参拝は見送ったようだが、さりとて、習近平(シー・ジンピン)国家主席に首脳会談を申し入れていることはなさそうだ。
 安倍首相のリーダーシップのもとに中国に対してどういう姿勢で臨むのか、はっきりと指示を出して、それを国民のもとに示してほしいものだ。
 
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自公政権に突き付けられた復興、脱原発、沖縄普天間移転問題などの矛盾

2013-07-23 | Weblog
 22日の参院選の結果は投票日の午後8時の開票と同時に自民党の大勝が報道され、途端に興味を失ったが、終わってみれば戦前の予想通り、自民党が65、公明党が11議席を獲得し、与党の圧倒的勝利で、永年の弊であった参院のねじれ現象も解消するに至った。23日の東京株式市場は与党の大勝で、歓迎ムードで高騰するか、と期待されたのに68円13銭の小幅高で引け、織り込み済みということで市場には冷静に受け止められたようだ。むしろ、関心は安定多数を得た安倍政権がどんな施策を打ち出してくるか、ということと離れた2位につけた民主党がどう党勢をたてなおしてくるか、に集まっているようだ。
 今回の参院選は昨年末の衆院選の民主党の大敗をひきずった感があり、国民は民主党政権に対する失望感と懲罰からいまだに民主党離れから抜け出せないでいるようだ。もとはといえば、小沢一郎率いる生活の党、それに谷岡郁子率いるみどりの風も民主党から分派した党で、今回いずれも議席獲得ゼロの終わり、解党、もしくは解党間近の状態に追い込まれている。
 同じように原発ゼロを叫んでいる共産党が躍進し、さらには東京地方区で無所属で立候補した山本太郎氏が見事当選を果たしたのはいかなる差によるものなのか、興味深いところがある。同じ主義、主張をしているように見えても人々はその心の中にあるものを感じ取っているような気がしてならない。
 山本太郎氏は一介の泡沫候補のように思っていたが、選挙戦が進むにつれて、ムードが変わってきて、民主党公認の鈴木寛氏を追い落としたのはもちろん自民党の武見敬三氏をも上回る66万6684票を獲得し、4位当選を果たしてしまった。山本太郎は昨年末の衆院選で、東京8区から立候補し、自民党の石原伸晃には及ばなかったものの、民主党の円より子より多い7万1028票もの得票を集め、2位となっていたことから見て、単なる泡沫候補ではなかった。
 岩手一区で経緯はともあれ、無所属の平野達男議員が自民党新人を押しのけて当選を決めたことと合わせてっ考えると、被災地の復興と脱原発がいまの日本の取り組みべきテーマであることを如実に示している。それに今回の参院選で県単位の1人区で自民党がもうひとつ沖縄選挙区で諸派の糸数慶子議員に敗退したことは沖縄普天間基地の移転問題が今後の安倍政権の帰趨を決める大きな問題となることを物語っている。
 さらには鹿児島選挙区で自民党の尾辻秀久議員が自民党の方針であるTPP参加に反対を表明して当選を果たしたことは今後の自公政権に大きくのしかかってくることが予想される。
 今回の参院選は大勝したとはいえ、自公政権は国民から復興、脱原発、さらには沖縄の普天間移転問題、TPP参加などについて大きな矛盾を抱えて歩まざるを得ないことを示してくれた。
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加賀乙彦の「霧の都」は前作の「永遠の都」を通じて昭和史を綴る壮大な叙事詩である

2013-07-21 | Weblog
 加賀乙彦の「永遠の都」に次ぐ自身の家族の成り行きを綴った「霧の都」を読んだ。戦後まもなくから音楽家だった妻が亡くなるまでの60年余を描いた大河小説で、これで前作の「永遠の都」と合わせて、昭和11年の2.26事件からの昭和史を描き切ったことになる。「永遠の都」と「霧の都」は雑誌の「新潮」の1986年1月号から、5年間の空白を置いて、最終的には2012年1月号まで実に26年にわたって連載されたことになり、作者自身の幼少期から晩年に至るまでを数々の事件を織り交ぜて、世界でもまれにみる壮大な叙事詩ともいえる内容となっている。
 「霧の都」は戦争でなにもかもなくなった廃墟のなかを主人公の小暮悠太一族は新たな生活を始めていく。悠太の叔母である菊池夏江の娘である火之子を悠太の母、初江が預かって育てている場面から始まる。火之子は母夏江が父時田利平の隠し子であると思われていた間島五郎に言い寄られてできた不倫の子で、それを知らされた菊池透は生まれ故郷の八丈島へ行ってしまい、戦後になって戻ってくるものの医者の道をめざし勉強を始めた夏江には育てられないからだった。悠太は東大へ入り、祖父と同じ医者の道を歩み、やがて東京拘置所の精神科医として働き出す。
 そこへ東南アジア戦線で行方不明となっていた叔父の脇晋助が奇跡的に生還するが、半ば精神を冒されていて、愛する人のこともわからないほどとなっている。母と何回も見舞いに行くが、はかばかしく回復せずに帰らぬ人となってしまう。悠太は幼な馴染みの富士千束が忘れられず、フランスへ留学してもフランスで音楽の勉強をしているはずの千束に会えたらいいな、と思っているが、千束は米国のジュリアード音楽院に留学しているうちにカリフォルニアの農場主の息子と結婚してしまう。
 それでも千束への思いは断ち切れず、千束が夫と別れたのちに、40歳にして恋を打ち明け、結婚するに至る。そして、1男1女を得て、幸せな家庭を築くことになるが、娘が結婚した相手が神戸の中小企業の社長の子息で、1995年の阪神大震災で震災に遭い、義父母を亡くしてしまう。もう1人の息子も同じ年の3月に恋人に会いに行く途中で地下鉄サリン事故んみ遭い、生死の境を彷徨い歩くことになる。
 「霧の都」は前作で登場した人物が次から次へと鬼籍に入っていく物語の連続で、父の悠次から始まり母の初江、叔父の菊池透、夏江、それに愛人の伯母桜子、その子の武太郎、そして羲理の父と母、そして最後には妻の千束と相次いで逝き、人生とは親しくなった人の野辺送りをするっことにあるのか、とも思い知らされる。
 戦後の出来事として忘れられない東京オリンピックや阪神大震災、地下鉄サリン事故、さらにはニューヨークでの航空機テロ事件などが織り込めらていて、そのまま昭和史ともなっていて、読む者を楽しませてくれる。さすがに2年半前の東日本大震災までは織り込まれていなかったが、こうした事故を人々がいかに体験し、たくましく生きてきたかを物語ってくれていて、実に楽しい読み物であった。
 前作の「永遠の都」と違って、この「霧の都」では主人公の悠太が中心となって物語っているようなところがあって、バラエティに欠けるような面がなきにしもあらずだったことと、ある程度年をとってからの人の物語は幼少期から青年までの物語ほどには胸わき血が騒ぐほどの感激をもたらさないものだな、というのが読んでみての感想だった。ただ、前作から通読して一大絵巻としては楽しく読ませてもらったことだけは確かである。
 
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習近平は「シージンピン」と中国の要人の発音を中国国内での発音に統一すべきだ

2013-07-21 | Weblog
 日経ビジネス7月22日号の特集で「リノミクスで正面突破」との記事で、中国の習近平政権発足100日の経済政策を取り上げていたが、その中で国家主席の習近平氏の文字の上に「シージンピン」、首相の李克強氏にも「リークァチャン」とそれぞれとふり仮名をふっていたのが目についた。中国の要人の名前については以前から中国国内では一体どんな発音がされているのか分からず、日本流の書き方、読み方が果たして中国人に通じているのか疑問だったので、初めて正式な中国式発音を目にした。
 中国の初代国家主席の毛沢東氏は中国国内では「マオ・ツォートン」と言うが、日本では常に「モータクトー」と発音され、そんな発音では国家主席のことを言っているのか、少なくとも中国人には理解されないのに、日本のマスコミではずっとそれで通してきた。いまだに中国の要人の呼び方は相変わらず日本国内でしか通じない発音がまかり通っている。日本の新聞では習近平国歌主席、李克強首相と書くが、テレビでも発音は「シューキンペイ」、「リカツキョウ」と漢字の音読みで、中国での正式な発音には一向に改められていない。同じ漢字を文字として用いている国同士なので、文字はそのまま通じるので、発音についてはどうでもいい、とされているのだろうか。
 しかし、ハングル文字を用いている韓国についてはたとえば前の首相、李明博氏はイ・ミョンバク、北朝鮮の金正日はキム・ジョンイルといった具合いに文字も発音も韓国、北朝鮮内で行われているように表記、発音をしている。英語圏内の要人についてはまず発音通りに表記しているので、一体だれのことを言っているのかわからないようなことはない。なのに、こと中国だけに対しては全く理解できないことが堂々と行われてきて、だれも改めようとはしないことは不思議なことである。
 逆に日本の政治家なり、作家なりが中国国内で、日本とは全く違う発音でやりとりされていて、それが日中の公式の場で中国要人の口から発音されるようなことがあったら、日本の人は必ずしもいい気持ちはしないことだろう。お互いのコミュニケーションを図るうえで不都合なことも起こりかねないことになる。習近平国家主席の読み方が「シージンピン」であることを知っている日本人はそれほどいないことだろう。日本人で習近平主席と会って話をする人はまずいないだろうから、だからといって不都合なことはない、といってしまえばそれまでだろうが、国の在り方としておかしい、と思うべきだろう。
 日本と中国との長い交流のなかで生まれてきたやり方なのかもしれないが、これだけお互いの人々が直接話し合う機会が増えてきたいま、お互いの国の中で行われている呼び方に双方が統一することがあってもいい、と思われる。
 今後、日本のマスコミは中国の人の名前の表記のあとにカッコして、中国式の呼び方のカタカナを表記し、発音もそれに統一することを進めることにしてほしいものだ。依然として打開の糸口の見えない日中国交回復にこんな些細なことでも打ち出せば、少しは前進すのではなかろうか。


 
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