このところ、電話の調子がよくないので、思い立って昨29日の夜にメーカーのブラザーに電話して聞いてみた。我が家の電話はブラザーのFAXー790CL/CLWなるファクシミリ付きの電話である。かれこれ20年くらい前から使用しているが、ずっと前からファクシミリは機能しなくなっていて、最近は留守番電話にすると、呼び出し音が鳴り続けてしまう事態に陥っていた。少し前までは音声で留守であることを応答し、メッセージを録音していたので、誰から掛かってきたのか判り、折り返すことができ、役には立っていた。ところが、数日前から全くそうした反応を示さなくなっていた。これでは相手がだれかもわからず用をなさないので、直るものなら、と思い立った。
で、ブラザーの「お客様相談室」に聞いてみたところ、どうやら「過去に録音したメッセージが一杯になっていて、それを消去するために一度電源を切って数時間経って電源を入れてみたら、もとに戻るかもしれない」と教えてくれた。なんでも電源切ると過去に録音していたメッセージのデータを消してくれるかもしれない、ということだったので、夜寝る前に電話の電源を切って、今朝起きた時に電源を入れてみた。期待して結果を待ったが、やはりというか、元のように機能を果たしてくれることはなかった。
考えてみれば、電源を切るだけで、メモリーに溜まっているデータを消去してくれることは通常考えられないことである。一旦収めたデータを消去するには何らかの命令を出さないとただ電源を切ることだけで消去できるとは考えにくい。電話をかけてきた相手が吹き込んだ音声録音データが電源を切るだけで消去されてしまうとしたら、却って不都合なことともなりかねない。そこまで考えずに期待してしまった方が浅はかだった、とも思わざるを得ないだろう。
そうした結果を伝えるため、今朝、もう一度、ブラザーに連絡し、次なる対策を尋ねたが、そうなると「もう打つ手はない」とのことだった。ついでに今朝、電話の電源を入れた際にスイッチが入らず、何回も電源を入れ直したことも伝えると、「そっちの方もなんらかの障害が起きている可能性も考えられる」とのことで、もう電話を取り換えることを考えざるを得なくなってしまった。
我が家の電話はもう20年近く使用しているが、改めて取扱説明書の表紙に書いたメモを見ると、すでにメーカーのブラザーは生産を取りやめており、部品の装備も止めてしまっている。修理したくともできない状況にある、ということである。いまどきファクシミリを装備している電話機など世の中に必要とされていないことだし、時代遅れと言われても仕方がない。
それにこれだけインターネットが普及しているのにファクシミリはもちろん、家庭用の黒電話を所有している世帯はどんどん少なくなってきている。我が家の子どもたちも黒電話は一切所有していないし、最近のZ世代の若者はほとんど黒電話など所有せずにすべて携帯電話で済ましていることを考えれば、もう黒電話を持たなくなっていてもいい頃なのかもしれない、と思った次第である。