29日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出掛けた。午後2時から625号法廷での不当利得返還を求める民事訴訟裁判の傍聴をすることにして、5分くらい前に傍聴席に入ると、被告席にはまだだれも来ていなかった。定刻を過ぎて被告側の代理人と被告2人が連れだって入廷したが、被告はいかにも胡散臭そうなサングラスをかけた30代の男性といわくありげそうな中年の女性で、傍聴席には他にだれもいなかった。
まず、原告が証言台に立ったが、被告の男性にいなくなった女性のことで相談を持ちかけるうちに、被告が業務としているタレントの発掘・養成のプロジェクトに500万円もの資金を投じてしまい、その返還を求めた裁判であることが明らかとなった。新宿の喫茶店で、もう一人の被告で、元貴族と称する女性の口車に乗ってしまい、資金を投じることとなったものの、その資金は被告の会社の経費となったのは明らかで、世の中にこんなあやふやなことで大金を投じる人がいるものだ、と呆れかえった。
続いて、被告側2人の証言となったが、武内晃一なる被告は自らのホームページを主宰し、水商売関係では著作をものにし、その世界では有名人であることが明らかとなったが、原告側の代理人の質問に対して自ら経営する会社の貸借対照表の中身を聞かれてもほとんど知らないうえ、原告と交わした契約書のコンサルティング業務の内容についてもコーディネートと同じことだ、と思いこんでいるなどお粗末な経営ぶりを曝け出した。
夜の世界では帝王的な存在であるかもしれないが、こと会社経営では素人そのもので、そんな素人に大金を投じた原告も憐れといえば憐れではあるが、半ば自ら播いた種といえなくもない。
傍聴しているうちにこんな詐欺めいた投資案件に関わっての裁判に貴重な時間を費やしている裁判長はじめ、原告・被告側の代理人が可哀想になってきた。刑事裁判ではどんな凶悪犯に対しても国選弁護人がつくことになっているが、こちらは民事裁判なので、勝ち目がなければ断ることもできるだろう。なのに明らかに非のある被告側の代理人を務めている弁護士を最初は同様に悪に染まっているのかな、と思って見ていたが、原告側の尋問で被告の会社がとんでもない財務状況にあることが暴露されるに至って、弁護士費用すら払えない状況にあることがうかがえたあたりから、被告側の弁護士の表情が曇ってきたようにも見えた。
最後に裁判長は和解の可能性を打診する暇もなく、いきなり「次回の判決は11月29日、13時10分です」と宣告した。ずっとひどい内情を聞いていたうっぷんを晴らすかのようでもああった。なにがしかの返還を認めることにあんるのだろうが、被告にそれだけの財政負担能力があるかどうかは考慮の外ということとなることだろう。
まず、原告が証言台に立ったが、被告の男性にいなくなった女性のことで相談を持ちかけるうちに、被告が業務としているタレントの発掘・養成のプロジェクトに500万円もの資金を投じてしまい、その返還を求めた裁判であることが明らかとなった。新宿の喫茶店で、もう一人の被告で、元貴族と称する女性の口車に乗ってしまい、資金を投じることとなったものの、その資金は被告の会社の経費となったのは明らかで、世の中にこんなあやふやなことで大金を投じる人がいるものだ、と呆れかえった。
続いて、被告側2人の証言となったが、武内晃一なる被告は自らのホームページを主宰し、水商売関係では著作をものにし、その世界では有名人であることが明らかとなったが、原告側の代理人の質問に対して自ら経営する会社の貸借対照表の中身を聞かれてもほとんど知らないうえ、原告と交わした契約書のコンサルティング業務の内容についてもコーディネートと同じことだ、と思いこんでいるなどお粗末な経営ぶりを曝け出した。
夜の世界では帝王的な存在であるかもしれないが、こと会社経営では素人そのもので、そんな素人に大金を投じた原告も憐れといえば憐れではあるが、半ば自ら播いた種といえなくもない。
傍聴しているうちにこんな詐欺めいた投資案件に関わっての裁判に貴重な時間を費やしている裁判長はじめ、原告・被告側の代理人が可哀想になってきた。刑事裁判ではどんな凶悪犯に対しても国選弁護人がつくことになっているが、こちらは民事裁判なので、勝ち目がなければ断ることもできるだろう。なのに明らかに非のある被告側の代理人を務めている弁護士を最初は同様に悪に染まっているのかな、と思って見ていたが、原告側の尋問で被告の会社がとんでもない財務状況にあることが暴露されるに至って、弁護士費用すら払えない状況にあることがうかがえたあたりから、被告側の弁護士の表情が曇ってきたようにも見えた。
最後に裁判長は和解の可能性を打診する暇もなく、いきなり「次回の判決は11月29日、13時10分です」と宣告した。ずっとひどい内情を聞いていたうっぷんを晴らすかのようでもああった。なにがしかの返還を認めることにあんるのだろうが、被告にそれだけの財政負担能力があるかどうかは考慮の外ということとなることだろう。