日本相撲協会が今度は日本人力士が大麻取締法違反で逮捕されたことで、再び揺れている。昨年末に露鵬など外国人力士3人が大麻を吸引していたとして除名となり、再出発を誓ったばかりの摘発で、改革が単なる表面を取り繕うものでしかなかったことが判明した。初場所で見事優勝した朝青龍が優勝決定戦で勝った後に土俵上でガッツポーズをしたことで、理事長から師匠の高砂親方に厳重注意をしたが、そんな瑣末なことに拘っているから、肝心なことが抜けるともいえる。
朝青龍のガッツポーズは本割で白鵬に負けて14勝1敗で並び、優勝決定戦で勝って5場所ぶりに優勝を決め、土俵を下りる際に思わず、両手を挙げていわゆるガッツポーズをして、観衆の声援に応えた。オリンピックやプロ野球のテレビ中継で勝った選手がその瞬間に思わず両手を挙げてガッツポーズをする場面はよく見ており、だれも違和感をもたなかった。観客から座布団が投げられて、それをよけようとしたのかもしれない。
ところが、その後、横綱審議委員会で、一部の委員から「あのガッツポーズは横綱の品格としていかがなものか」との意見が出され、海老沢勝二前委員長が会見でその旨を紹介することもあった。それで終わったのか、と思ったら、数日後、武蔵川理事長が朝青龍の師匠の高砂親方を読んで、厳重注意した、との報道があった。日本相撲協会としても品格に係ると判断したのだろうが、これには多くの識者が頭をかしげた。
勝負に勝った競技者が競技場でその瞬間に勝った喜びを表現するのに奥床しくあらねばならない、というのは負けた相手に対するマナーといえばそうかもしれないが、一方では観衆に対する感謝の気持ちもあるわけで、単に品格の問題だけではない。勝敗に対する素直な気持ちの表現として、自由に認めたらいいだろう。協会はどうも朝青龍に対しては過去の言動に対する不信感があるのかもしれない。
もし、朝青龍に対して、横綱としての品格を考えさせるとしたら、何も注意したことを報道陣に公表する必要はないのではなかろうか。親方を通じて諭すだけで、意は伝わるはずである。厳重注意した、と公表するのは協会としてきちんとやっている、ということを訴えたかったのだろう。
そんな対外的なポーズばかりを気にしているから、若麒麟の大麻事件が起きるのではなかろうか。世間なり、外からどう見られているのだろうか、ばかりを気にして物事を進めているから、肝心の力士にまで浸透していかないのだろう。世間体を憚って外面を取り繕うような講習会などを開いて、協会はこのようにやっています、とポーズを取っているに過ぎない。
だから、改革が建て前だけで内部に浸透していかないのだろう。一昨年の若い力士の殴殺事件から始まって大麻、八百長事件と相撲界は大揺れしているが、根本的なところは少しも変わっていないことがこれではっきりした。やはり、協会に外部から人材を入れて、基本的なところからやり直さないと改革は本物とならないことだろう。
理事長の諮問機関である横綱審議委員会の委員長が知らない間に日本経済新聞社の鶴田卓彦相談役に代わっていた。会社を私物化して石もて追われたような人を委員長に選出するのもいかがなものか、と思われる。この委員会も改革しないといけないだろう。
朝青龍のガッツポーズは本割で白鵬に負けて14勝1敗で並び、優勝決定戦で勝って5場所ぶりに優勝を決め、土俵を下りる際に思わず、両手を挙げていわゆるガッツポーズをして、観衆の声援に応えた。オリンピックやプロ野球のテレビ中継で勝った選手がその瞬間に思わず両手を挙げてガッツポーズをする場面はよく見ており、だれも違和感をもたなかった。観客から座布団が投げられて、それをよけようとしたのかもしれない。
ところが、その後、横綱審議委員会で、一部の委員から「あのガッツポーズは横綱の品格としていかがなものか」との意見が出され、海老沢勝二前委員長が会見でその旨を紹介することもあった。それで終わったのか、と思ったら、数日後、武蔵川理事長が朝青龍の師匠の高砂親方を読んで、厳重注意した、との報道があった。日本相撲協会としても品格に係ると判断したのだろうが、これには多くの識者が頭をかしげた。
勝負に勝った競技者が競技場でその瞬間に勝った喜びを表現するのに奥床しくあらねばならない、というのは負けた相手に対するマナーといえばそうかもしれないが、一方では観衆に対する感謝の気持ちもあるわけで、単に品格の問題だけではない。勝敗に対する素直な気持ちの表現として、自由に認めたらいいだろう。協会はどうも朝青龍に対しては過去の言動に対する不信感があるのかもしれない。
もし、朝青龍に対して、横綱としての品格を考えさせるとしたら、何も注意したことを報道陣に公表する必要はないのではなかろうか。親方を通じて諭すだけで、意は伝わるはずである。厳重注意した、と公表するのは協会としてきちんとやっている、ということを訴えたかったのだろう。
そんな対外的なポーズばかりを気にしているから、若麒麟の大麻事件が起きるのではなかろうか。世間なり、外からどう見られているのだろうか、ばかりを気にして物事を進めているから、肝心の力士にまで浸透していかないのだろう。世間体を憚って外面を取り繕うような講習会などを開いて、協会はこのようにやっています、とポーズを取っているに過ぎない。
だから、改革が建て前だけで内部に浸透していかないのだろう。一昨年の若い力士の殴殺事件から始まって大麻、八百長事件と相撲界は大揺れしているが、根本的なところは少しも変わっていないことがこれではっきりした。やはり、協会に外部から人材を入れて、基本的なところからやり直さないと改革は本物とならないことだろう。
理事長の諮問機関である横綱審議委員会の委員長が知らない間に日本経済新聞社の鶴田卓彦相談役に代わっていた。会社を私物化して石もて追われたような人を委員長に選出するのもいかがなものか、と思われる。この委員会も改革しないといけないだろう。