鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

智将、渡辺監督の横浜に勝って33年ぶりに夏の甲子園出場を果たした東海大相模高に乾杯

2010-07-31 | Weblog
 30日は横浜・関内の横浜球場で行われた高校野球神奈川県大会決勝の東海大相模対横浜戦を見に行った。雨で1日順延となったのはエース一二三投手を擁する東海大相模の有利だと思えたが、そこは勝負事だけに何が起きるかわからない。試合開始40分くらい前に東海大相模の3塁側に陣取って、ゲーム前のシートノックなどを見ていると、贔屓目なのか、東海大相模の選手の方が溌剌として見える。古豪横浜にいつものどっしりとした構えが感じられない。
 午後2時のプレイボールとともにいきなり東海大相模の1番バッターがセンター前にヒットし、続く2番打者の左中間へ2塁打で先取点を取ってしまい、好調な出だしとなった。しかし、その裏、横浜は一死1、2塁で、ショートが牽制しなかったすきをねらって2塁ランナーが3塁へ盗塁し、続く3塁ゴロで難なく本塁を陥し入れ、わずか1安打で同点となり、卒のない横浜らしさを見せた。
 しかし、3回表に東海大相模は一死2塁で、3塁へセーフティバンドし、球を獲った投手が3塁へふりかぶったすきに1塁セーフとなり、続くヒットで1点リードした。4回表も似たような攻撃で無死1、3塁とし、ヒットで加点し、その後もライト前ヒット2本で5対1とし、なおも一死満塁と攻め立て、横浜の先発投手をノックアウトした。
 横浜の投手交代で続く2人の打者が三振となったその4回裏、横浜は無死1塁で、なんと4番打者にバンドを命じランナーをスコアリングポジションに送ったが、後続の期待の5、6番が三振に倒れ、万事休す、となり勝負ありの感となった。事実、5回表には横浜の代わった投手をライトオーバーの2塁打などで2点を加え、7対1とした。東海大相模の安打は10本を超えたのも驚異的だった。横浜は準決勝で5点差を逆転したが、それも初回の5点を追いかけたもので、6点差は決定的といえた。
 それでも横浜は5回を終わってグランド整備の間に渡辺元智監督がベンチ内に選手全員を集め、「楽しめ」と訓示した。6回裏の攻撃前にベンチの前に珍しく渡辺監督が出て、指示を出して、3番が四球で出塁すると、ベンチから身を乗り出してサインを出していた。その気迫が伝わったのか、東海大相模がダブルプレーをあせってエラーしたのに乗じ、スクイズで加点し、なおも2死2塁と攻め立て、横浜らしい意地を見せた。しかし、それもレフトライナーを好捕されて凋んでしまった。
 東海大相模は8回表にも一死1塁で、バンド処理を横浜が悪送球エラーしたすきに1塁ランナーが果敢に本塁を陥し入れ、加点し、なおもスクイズで再び6点差の9対3とした。門馬敬治監督はこれまでおよく試合の後半にスクイズを試みることがあったが、これほど見事に決まったのは初めて見たような感がある。それほど鮮やかなスクイズであった。
 こうなってはいかに横浜といえどもなす術がなく、一二三投手の前に凡打の山を築くだけで、完敗となった。東海大相模の甲子園出場は33年ぶりで、この間決勝戦に臨んだのは11回を数える。ここ10年間だけでも2年に1回くらい横浜球場へ応援のため足を運んだが、いづれも惜しいところで涙を呑んできた。もう東海大相模が夏の甲子園へ出場することなんてないのだろうか、と絶望的な気持ちにすらなっていた。たまたま3男が14年前に東海大相模で野球をやっていた縁で応援してきたのだが、それだけに嬉しい気持ちでいっぱいとなった。
 実際に球場へ足を運んで応援するチームがかくも見事に勝利を収めた例を知らない。今年のチームは投手力、打撃とも備わった完璧なチームだった。いつもいま一歩のところで、負けてきた。その点、横浜は常勝チームのようで、憧れのチームで、渡辺監督の手腕にはかねて尊敬の念を抱いていた。それだけにその渡辺監督率いる横浜を破っての甲子園出場だけに余計嬉しい。試合後の表彰式で、表彰式を見る横浜ベンチの前の渡辺監督の前はひっそりとしているのに、片や3塁側の東海大相模の門馬監督の周囲にはカメラマンが群がっていたのはいつもの勝負につきものの光景とはいえ、万感胸に迫るものがあった。
 その後、伊勢佐木町を散策して、JR関内駅から帰ろうとしたら、駅前で東海大相模の勝利を伝える朝日新聞の号外みたいなものを配布していたので、記念に持ち帰った。東海大相模の勝利の背景には数年前から神奈川県内だけでなく広く全国から野球少年を集めていることによる効果が出始めたことがあり、それだけ他に有名野球高並みとなったわけであるが、それにしても関係あるところが勝つというのはうれしいものである。
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夢と現実が交錯する映画「インセプション」はデカプリオ人気に乗じたB級活劇

2010-07-30 | Weblog
 29日は川崎駅前の川崎ラゾーナ5階にある109シネマズ川崎へ映画「インセプション」を見に行った。1週間くらい前に主演のレオナルド・デカプリオと渡辺謙が朝のワイドショーに出演してPRしていたので、見ることにした。上映スケジュールを見たら、丁度1時50分から上映うので、チケット売り場で「シニアだけど身分証明書なるものを忘れてしまったけどいいか」と聞いたら、「次回には忘れずお持ち下さい」と言われ、なんなく入場できた。平日にもかかわらず満員で、PRが効いている、と思わせた。始まる前の場内映像で渡辺謙が出てきて、「109シネマズにお越しの皆さま……」と愛敬を振りまいていて、ここまで映画のPRに努めるものなのかと驚かされた。
 「インセプション」は日本の海岸に打ち上げられたデカプリオ演じる主人公のコブが日本人漁師に引き上げられ、渡辺謙演じるサイトーの屋敷に連れてこられる。サイトーは80近い老人で、コブが所有していた拳銃と独楽を見て、「俺を殺しに来たのか」と問いかけ、回想に入る。が、屋敷は暴風雨に見舞われ、破壊していくなかをコブはサイトーの屋敷内で秘かに秘密の書類を盗もうと金庫に忍び入る。まんまと書類を盗んだ、と思いきや、見つかりサイトーのもとに引きずり込まれ、詰問される。
 ところが、直ちに場面は椅子に横たわり瞑想にふけるコブに切り替わり、どこまでが現実で、どこからが夢なのか判然としないまま、物語は進展していく。コブは仲間と京都へ向かうが、すぐに舞台はパリに切り替わる。コブはだれかに命じられてスパイ活動をしているようだが、その活動のなかで最愛の妻を失くし、残された幼い姉弟と仲睦まじく暮らすことを願っていて、引退したい、と思っている。引退するにあたってサイトーから富豪、フイッシャーの2代目であるロバートを自立させるよう取り計らうことを命じられる。
 その命令を実行するためにグループを組織し、男女4人のチームで富豪のいる館へ乗り込むことになる。その館には富豪が書き記した遺言の入った金庫を開けるべく、富豪の秘書を誘拐したりして暗証番号を聞き出そう、とするがうまくいかない。ロバートも父である富豪からは「失望した」としか聞いていなくて、暗証番号は知らない、という。
 その間、コブは亡くなった妻との回想にふけったりして、なかなか所期の目的を達しよう、としない。すべては夢の中の出来事か、と思わせるような場面が交錯して、同時並行的に物語が進展していくが、敵が一体何ものなのかもはっきりせずにただただ、デカプリオ一派の活劇シーンが連綿と続いていく。一派の乗った車が高速道路から川へ落ちていくほんの数秒の間に夢のなかの場面がいくつも交錯して折り重なり、最後は一派が正気に戻り、お互いに無事を確認しあう。
 そして場面は最初のサイトーの屋敷でコブと向かい合うシーンに戻る。さrに飛行機のなかでロバートと一派がくつろいで座る姿が映り、コブが空港に出迎えてくれた義父と会い、家に帰って最愛の子どもたちと再会するシーンで幕となる。
 夢のような映画であるが、デカプリオが妻に「一緒に年をとろう」とプロポーズしたことと、富豪の息子のロバートが父から最期に「自分の道を往け」と諭された場面がこの映画の肝なのだろうか、と思った。監督のクリストファー・ノーランの言いたいことはここにあったのか、とも思った。
 夢と現実を行き来する主人公がトーテムといい、独楽をまわすことが現実を思い起こさせることだ、というが、場面の切り替えで、その独楽が回っている画面がアップされていたのはうまい構成だ、と思った。ただ、発端を意味するインセプションを「植え付け」と翻訳していたのにはやや違和感が残った。妄想、もしくは思い込みの方がフィットしているような感じがした。
 サイトー役を演じた渡辺謙はこれでハリウッドスターの仲間入りをした、と報じる週刊誌があったようだが、最後のキャストが出てくる画面では5番目で、ポスターの順番も同じだったし、あくまでも主演はレオナルド・デカプリオで、助演陣のい一人を務めたに過ぎない。日本での公開にあたって、デカプリオと共演というイメージを作り上げたのだろう、と思った。冷静に考えるとわけのわからないまま、デカプリオが画面のなかで大暴れしたB級活劇で、デカプリオ人気に乗じた映画であるのは間違いないところだろう。
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解雇されても元の会社に忠節を尽くす憐れなサラリーマンを証言席に見た

2010-07-29 | Weblog
 28日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半からの508号法廷でのみずほ銀行がJFE建板と元社員を損害賠償で訴えている民事裁判に行くと、すでに傍聴席は満員に近い状態。お互いに錚々たる弁護陣が待ち構えているようで、始まる前から緊張感が漂っていた。日本を代表する企業の裁判ともなると、さすが代理人もそれなりの優秀な弁護士がつくものだ、と思わせた。
 まず原告側の証人としてアクアクリエイトという荏原製作所の子会社の常務が立ち、JFEの川崎・扇島製鉄所の工事に関連して2億円の融資をみずほ銀行から受けた経緯を証言した。ブローカーの紹介でJFE建板のS部長と知り合い、30億円にものぼる工事のうち水処理関連の発注を受けることが決まり、ブローカーに3000万円、S部長にも100万円のリベートを渡した。
 ところが、予定の時期になっても工事が始まらず、S部長に問い合わせたところ、工事は延期になったということなので、工事発注書をS部長に押印してもらい、みずほ銀行に持ち込んだり、S部長と一緒にみずほ銀行千葉支店に赴き、事情説明した。しかし、肝心の工事が宙に浮いたもまで、アクアクリエイトは倒産してしまい、融資した2億円は焦げ付いたので、みずほ銀行はS部長とJFE建板を損害賠償で訴えるに及んだ。
 これに対し、被告側の証人に立ったS部長はあくまでも扇島の工事は存在した、と証言し、「工事発注書に押印したのは親会社の荏原製作所への社内資料として使う、と思っていた」と架空のプロジェクトではなかったし、アクアクリエートがみずほ銀行から融資を受けていることは知らなかったと説明した。リベートとしてもらった100万円もある日、アクアクリエイトの債権をすべて譲り受けたと称するブローカーがやってきたので、返却した、と証言した。
 しかし、最後に原告側の弁護士から「あなたは後日、JFE建板から重大な服務規律違反で解雇されていますね」と聞かれ、「会社に断りなく営業活動を行い、迷惑をかけたのではありませんか」と畳み込まれ、「はい、銀行の人がたくさん押し掛け、判子を押したこともあり、会社に迷惑をかけました」と頭を下げ、扇島の工事話が架空であったことを半ば認めた。
 原告側の証人が融資を受け、倒産した会社の役員なのは疑問が残る。アクアクリエートこそ被告として訴えられるべきなのに、倒産してしまった会社からには損害賠償の請求ができない、と見たのだろうか。裁判を通じて架空のプロジェクトを持ち込んだ被告側に非があるのは明らかとなった。ただ、S部長の責任ははっきりしたものの、JFE建板がどこまで関与していたのかは立証できたとはいえず、2億円もの焦げ付きがどこまで回復されるのか、疑問が残った。
 S部長は解雇された立場にも拘わらず、律儀に元いた会社の立場を傷つけないように必死に論陣を張っていた。会社がつけた有能な弁護士と綿密に打ち合わせたうえでの証言なのだろうが、自業自得とはいえ辞めても会社に忠節を尽くすサラリーマンといった感じで、傍聴席から見えた背広の背中には汗が染みついていて、憐れな姿が浮き彫りとなっていた。
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無料保証期間を購入後1カ月としたパソコンメーカーなど淘汰されても然るべきだ

2010-07-28 | Weblog
 いつも使っているパソコン、「Lenovo」の調子がおかしいので、27日午後、フリーダイヤルのサービスセンターに電話をかけてみた。インターネットの閲覧をしていると、どうかした拍子にページが開かなくなってしまい、閉じてしまうのだ。このところ、ずっとウイルスソフトの更新をしよ、とのメッセージが画面に度々出てきて、うざかったので、そのせいかとも思って、当該ソフトを削除したが、それでもインターネットのページが閉じてしまう現象は起きていたので、相談することにした。
 いま使用しているパソコンは2年ちょっと前に近くの家電店で購入したもので、購入後すぐに具合いが悪くなり、サービスセンターを通じてハードディスクを無料で更新した経緯がある。その時にメモしておいたフリーダイヤルの番号に掛けると、「電話番号が変わった」という。新しい番号に掛けると、音声で、まず「無料の相談は購入後1カ月に限ります」という。確か以前は無料の保守サービス期間は1年だったはずなのにわずか1カ月に縮小されている。
 こちらは購入後2年経っているので、もう保証期間は過ぎているので同じことだ、と思いながら、続けての音声サービスを聞くと、「購入1カ月を過ぎた人への技術支援は定額パックのエンハンスドサービスとなります。詳しいことは購入した販売店にご相談下さい」という。定額パックは年間4200円になるようなことをいう。以前に使っていたパソコンも電話による技術相談を受けるのに2000円を支払え、というものだったが、それに似たサービス内容である。
 購入した販売店である溝ノ口ノジマ店で、購入時に「5年間の安心保証」なるものに加入していたことを思い出し、その保証書なるものを持って、ノジマの店頭まで赴いた。出てきた店員に「Lenovoで行っているエンハンスドサービスは安心保証の対象になるのか」と聞いたところ、あくまでもハードウェアの故障が対象で、詳細が掴めない技術サービスは対象外だ、という。テレビや洗濯機など純粋な家電製品は安心保証されるのはよくわかるが、パソコンのようなハードウェアか、ソフトウェアか、わからないような故障が起きるものは「安心保証」といっても区分けがつきにくいのではないか、と店員につめよったら、ピアノを持ち出して回答にならないような説明をしていた。
 店員は「安心保証」の制度の見直しが必要であるようなことは認めていたが、電話による保守相談サービスまでを対象にするようなことはできない、と最後まで譲らなかった。数あるパソコンメーカーの細かい保守サービスの内容が一々販売店にまで届いて、それに対応するようなことが行われているはずがない、とは思っていたが、念のため確認してみたかったので足を運んだところ、予想通りの対応だった。
 パソコン販売の肝は保守サービスをいかに懇切丁寧に行うか、にかかっている。パソコン初期のNEC9800が爆発的に売れたのも徹底して電話による保守相談サービスを行ったからで、パソコンを購入する際の決め手といってもいいだろう。LenonoはかつてはIBMのパソコンだったのが中国のメーカーに売却されたもので、途端にマイナーなメーカーのい成り下がったようで、やはりパソコンは信頼の置ける大メーカーのものを購入すべきだと、つくづく思った。
 保証サービス期間が購入後1カ月なんて保証しない、ということに等しい。そんなサービスしかしないメーカーは市場から淘汰されてしかるべきだろう。
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オレオレ詐欺はあっても「わたしわたし詐欺」がない不思議さ

2010-07-27 | Weblog
 オレオレ詐欺なるものがあるが、以前からどうして「わたしわたし詐欺」、つまり女の子を騙っての詐欺なるものがないのかな、と不思議だった。孫を持つ身になってみて、男の孫、女の孫に関係なく、せがまれればおカネを出してしまうものなのに、なぜ詐欺者は男の孫にこだわるのだろうか。数あるオレオレ詐欺のなかに女の孫を演じてうまうまとおカネをせしめたケースがないわけでもないだろうが、新聞テレビ報道でもそうした例を聞いたことがない。
いまは女性優位の時代なので、そのうちに女性版オレオレ詐欺が出てくるかもしれない。
 まず考えられるのはオレオレ詐欺を仕掛けるのがやくざの世界に関わる者で、やくざの世界が男社会であることである。男を集めるのはたやすいが、こと女性を犯罪の関わる仲間に入れて、グループを率いていくのはノウハウが確立されていない。表に立つのは常に男性で、女性はあくまでも裏方で生きてきたので、女性を核となる役割りに充てることには慣れていないのだろう。映画「極道の妻たち」で女性が組の親分として活躍する話があるが、ごく例外で夫である組長が不慮の事故で亡くなったりした場合に限られる一時的なものである。
 それとおカネに困っている可哀そうな孫を演じるのに女性だと、説得力がない、との読みがあるのだろう。社会のなかで100万円なり、200万円ものおカネをすぐに用立てしないといけないような局面に追い込まれるのはやはり男の孫でないと、迫真性が出てこない。女性だと、買い物のトラブルや美容室でのやりとりでせいぜい数万円のおカネに困るような場面しか、思い付かないので、詐欺自体が成立しない、ということになるのだろう。
 さらには女性の場合、声変わりするようなこともなく、すぐに見破られてしまうことも懸念されたことだろう。電話を掛けて孫を演じるのに演技をつけるのは男性で、教える方が男性なので、女性の場合の困った孫のシナリオを描くのが難しい。男社会のルールで生きてきた男性は、こと女性に成りきって物事の成り立ちから、話の構成を考えるのは苦手ということなのだろう。
 つまり、オレオレ詐欺は男社会の上に組み立てられたもので、女性がなんらかの役割りを果たすことなどはなから考えられていない産物、ということなのだろう。
 こう考えてきて、先白鵬の全勝優勝で終わった大相撲名古屋場所の相撲の世界も土俵の上には女性を立たせないルールがあり、完全に男社会である。男社会であることではやくざの世界と共通したものがあり、女性は部屋のおかみさん程度の役割りを果たすに過ぎず、相撲の世界と反社会的組織であるやくざの世界と似通っているというより、そっくりである。である以上、両者を完全に無縁なものに仕立てることは至難の技ではなかろうか、と思った次第である。
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真夏の一服の清涼剤となった北朝鮮の元工作員、金賢姫の来日

2010-07-26 | Weblog
 20日来日し、4日間にわたって横田めぐみさん家族はじめ拉致被害者の家族と面会して去った金賢姫元北朝鮮工作員はまるでだれかが演出した真夏の幻想のような一幕だった。最初から何も手掛かりになるようなものは出てこない、と予想されながら、ひょっとして何か新事実が出てくるのではと期待され、大々的にマスコミの注目を集めた。国会も休会中で、新聞テレビも話題不足のなか、格好の標的となり、金賢姫は一身に注目を集め、まさに真夏の一服の清涼剤ともなった。
 金賢姫元北朝鮮工作員は1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯で死刑判決が確定し、特赦で釈放されており、本来日本への入国はもちろん、外国へ渡航できない身分であるが、これまで北朝鮮で工作員として教育を受けている間に日本人拉致被害者である田口八重子さんや横田めぐみさんと接触したと伝えられており、今回日韓両国の間で特別措置が講じられ、来日となった。警備の関係で20日未明に日本政府が用意したチャーター機で羽田空港に着き、そのまま乗用車で軽井沢の鳩山前首相の別荘へ入った。
 その鳩山邸で20、21日の2日間にわたり、金賢姫は田口八重子さんと横田めぐみさんの家族と面会し、翌22日には東京の帝国ホテルに場所を変え、有本嘉代子さんら残りの拉致被害者家族と面会し、知っている限りの日本人拉致被害者の消息を伝えた。しかし、金賢姫は田口八重子さんからは日本語教育を受けていたほか、横田めぐみさんと会ったのはただの1回だけで、その他の拉致被害者と会ったことがなく、知っていたのは伝聞情報ばかりで、解決に向けて直接の手掛かりとなるような情報はもたらされなかった。
 それでもチャーター機日韓往復の利用に600万円、軽井沢から東京へのヘリコプター利用に90万円の経費がかかるなど一連の国賓並みのVIP待遇にかかった経費は相当なものがあり、「単なるパーフォーマンス」(谷垣禎一自民党総裁)と批判する声がないでもない。
 確かに日本人拉致被害者との一面識者、かつ重要事犯の犯罪者をかくもVIP扱いするのは異例ともいえる扱いぶりである。ただ、小泉元総理が拉致被害者を5人生還させて以来、自公政権の拉致問題担当相はなんら拉致問題に手をつけてこなかった。その点では今回の金賢姫元工作員の来日は北朝鮮に対して拉致問題に対してなんらかの刺激を与えることには成功したのは事実である。これまで北朝鮮は金賢姫に対して一切言及しなかったが、初めてその存在を認めるような発言をした。
 金賢姫は拉致被害者家族との面会で、しきりと「拉致被害者は生きている」と言明した、という。北朝鮮にとって拉致被害者は切り札のようなもので、死なせるようなことをするわけがない、との判断のようで、少なくとも拉致被害者家族にとって一片の光芒を見るような気持ちにさせられたのは間違いないところだろう。
 30年以上も闇の中に放置されてきた拉致被害者に日本から直接光を当てるにはそれこそ、針の穴を通すような努力を数限りなく続けてうくしかないのだろう。その意味で今回の金賢姫の来日はその努力のひとつとみることもできるだろう。
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国家戦略室縮小は民主党にとって致命的なダメージとなる

2010-07-25 | Weblog
 7月11日の参院選以来、政治の動静は膠着したままとなっているが、先ごろ民主党が打ち出した国家戦略室の縮小案に党内外から大きな批判が起きている。自公政権から民主党政権へ移行した昨年8月に政権交代の象徴として国家戦略室なるものが創設され、政治がそれまでの官僚主導から政治主導へ変わるものと期待されたのに、わずか1年も経たないうちにその旗を降ろしてしまうなど菅直人首相はすっかり弱気になっているようで、今後の23年度予算編成にあたっていかなる新戦略が打ち出されるものなのか、いまから期待外れとなることが目に見えている。
 国家戦略室は鳩山政権の副総理を務めた菅首相自らが担当となった民主党政権の核ともいえる組織で、すでに翌年度の予算の骨格が決まっていた昨年よりは今年から本来の役割りを果たせるものと見られていた。それを参院選で予想外の敗退を喫して、すっかり弱気になった菅首相が縮小を打ち出したもので、これに対して国家戦略局構想の推進役だった松井孝治党政調副会長が公然と首相批判を展開しだした。
 それでなくとも党のマニュフェストであった消費税の上げを不用意に持ちだし、あげくの果てに国民から猛反発を招き、すっかり自信を失くしたのか、菅首相は従前の笑顔が消えて首相官邸に入る姿も渋面そのもの。新聞テレビの内閣支持率の世論調査でも最近は「不支持」が「支持」を上回る状況で、菅内閣発足1カ月余にして早くも末期症状的な様相を呈し始めている。
 そんな折り、出版社の幻冬社から夫人の菅伸子さんの書いた「あなたが総理になっていったい日本の何が変わるの」が出版された。一般に本の執筆には数カ月はかかるので、首相に就任する前あたりから書き始めたか、それ以前から書いたものを時期を見計らって出版したのだろうが、タイトルを決めて出版することにしてから1、2カ月は要していることだろう。そいれにしてもかくも急激に内閣の支持率が降下するとは夫婦ともども思いもしなかったことだろう。いまとなって、このタイトルは皮肉にしか聞こえてこない。妻ならずとも一般国民が口にしたいフレーズとなってしまったのだから、菅夫人はいまごろは後悔していることだろう。25日のTBSテレビの「時事放談」によると、菅首相は報道陣に感想を聞かれて「怖くて読んでません」と答えたようだが、まさにそうとしか答えようがなかったことだろう。
 国家戦略室の縮小に続いて、鳩山前首相が首相退任時に公言した「次期衆院選には出馬しない」との約束を撤回した。国の最高権力者の言がいとも簡単に撤回されるということ自体、日本という国はどうなっているのだろう、と思うし、少なくとも民主党政権に対する信頼はなくなってしまう。総理大臣を務めたほどの人がそうしたことを考えもせずに簡単に前言を翻す、ということの言葉の軽さに愕然とせざるを得ない。
 菅直人首相は民主党のなかで最も首相になって手腕を発揮してもらいたい、と国民のだれしもが思っていた人ではなかろうか。その期待の人物がいざ首相の座に就いてみると、期待外れの言動を繰り返すのでは民主党に対する幻想だったのか、と思いたくなってくる。このまま菅さんに首相を続けてもらって改善することが果たして期待できるのだろうか、菅さん以外に首相を務められるほどの人材がいるものなのか、考えてくると気が滅入ってくる。
 いまさら自民党に再び政権を託す気にはなれない。そうなると、もう政治には期待したくもない、気になるしかない。
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一流料亭の板前さんはまず料理道具から入ることがよくわかった

2010-07-24 | Weblog
 先日京都へ行った際に錦小路の刃物店「有次」で購入した銅製の卸し金の効能が素晴らしいことがわかった。帰って早速、まずそーめんの生姜を卸し、つゆに入れる長芋も裏で卸し、そーめんを食べたが、その食感がまるで違った。そーめんそのものはそこらのスーパーで買ったありふれたものであったが、まるで一流料亭で食べているような味がして、卸し金ひとつで料理の味がこんなに違うものなのか、と驚いた。料理というのは食材もあるが、料理道具も貴重であることを肌で実感した。
 卸し金に着目したのはNHKBSテレビの「アインシュタインの眼」なる番組でプロ野球解説者の古田敦也がわさびを卸すのに目の細かい卸し金を使ったら、味が格段に違うものだ、というのをやっていた。料亭の板前さんがそうした卸し金は「有次」で購入している、とも言っていたので、次に京都へ行ったら、ぜひ訪れてみよう、と思っていたのだった。店頭で応対に出た女子店員はその番組のことは知らなかったようだったが、味については保証する、と請け合ってくれた。卸し金の目の具合いは素人が見ただけではよくわからない、説明を聞いてそんなものか、と思うしかない。
 普通卸し金はせいぜい1000円程度で買えるものだろうが、「有次」では手頃な大きさのもので、7770円余もするうえ、竹製の描き出し用小物が735円もする。美味しいものを食べるのにはまず道具をそろえなければならないのだろう、と思い切って購入したのだった。
 で、家に帰って、その卸し金でおろした生姜と長芋でそーめんを食べてみたところ、全く味が違っていた。第一に生姜も長芋もフワッとして、口の中での食感が全く違う。卸し金ひとつでこんなに味が変わるものなのか、と正直驚いた。次の日にいつも食べている大根おろしを有次の卸し金でおろして食べてみたが、これもフワッとした食感で、まるで違った味がして、食卓が輝いて見えた。
 以前にも「有次」で鰹節削り器なるものを購入して、その味に驚嘆したことがあった。鰹節がカンナくずのように量感たっぷりに削れて、しかも美味しく味わえて感激したことがあったが、そうした感激も最初の1週間くらいで終わり、しばらくしたら鰹節削り器は食器棚の奥にしまいこまれてしまった。
 人間というのは贅沢なもので、味がよくなるとその味に慣れてしまい、感激しなくなり、いつしかその感激も忘れてしまうものなのだろうか。忘れっぽい、ということなのだろうか。かみさんもついつい面倒くさくなって、鰹節削り器を使うより、市販の鰹節を買ってきてしまうようだ。
 今回の卸し金の感激もそのうちに忘却の彼方へ行ってしまうかもしれないが、料理というのはまず道具であることがよくわかった。そういえば、「有次」には包丁や鍋などの料理道具が通常の金物屋で買う値段より数倍、もしくは10倍以上もする価格で陳列してある。京都の一流料亭の板前さんはきっとこの「有次」で買っているに違いない、と思った。伝統に培われた技やノウハウがこうした料理道具にこめられていて、それに従うだけで美味しい料理ができる仕組みとなっているのだろう。
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相次ぐ不祥事に村山理事長代行は眼が泳いでいて、逃げ出したい心境になっている

2010-07-23 | Weblog
 大相撲名古屋場所は12日目まで白鵬の全勝で白鵬一人が支えているが、野球賭博問題で地に落ちた日本相撲協会の威信は相変わらず低迷し、場所中にも旧悪がボロボロと暴露されて、改革は名ばかりのものとなっている。理事長を高検上がりのロ-トルに代行させたものの、肝心の体質はもとのままでは生まれ変わることなどできるはずがない。暴力団幹部らとズブズブの関係は相撲協会の中枢にうガッチリと食いこんでいて、容易なことでは解きほぐせそうにない。
 23日付けの毎日新聞によると、今年の大相撲夏場所で指定暴力団住吉会系組長が「維持員席」と呼ばれる特別席で観戦していたが、そのチケットを手配したのは02年に引退した元呼び出しで、その組長にわたるまで協会が野球賭博問題で設置した特別委員会の山口弘典委員が最高顧問を務めるボクシングジムの会長ら複数の関係者を経由していた事実が明らかとなった。相撲に限らずプロスポーツが暴力団関係者とぬきさしならぬ関係にあることも判明したわけで、事は相撲だけの問題ではないことも浮き彫りとなった。
 とはいえ、大相撲名古屋場所が始まってから、貴乃花親方が6月に愛媛県を訪れた際に、暴力団関係者と会食した事実が明らかとなったうえ、21日には松ケ根親方(元大関若嶋津)が20年前から大阪場所で使用していた部屋宿舎が暴力団関係者の所有になるものであることが判明した。貴乃花親方も松ケ根親方も相手が暴力団関係者であるとの認識はなかったようで、問題意識のかけらもないのが問題である。
 貴乃花親方は今回の野球賭博問題で、大関琴光喜の解雇に対し、序の口からの再起を提案し、一部の喝采を浴び、協会が改革の方向を検討する委員会のメンバーにでもしよう、との声が出るほどの期待がかかっていた親方であった。その親方でさえ、暴力団関係者との親交を何の抵抗もなく、唯々諾々と受け入れてしまう、という協会の体質は如何ともしがたいものがある。
 こうした不祥事が起きるたびに村山弘義理事長代行がテレビに出てきて、「特別委員会で調査をしたうえ、対策を講じる」と答えているが、聞く方にすればお経文を唱えているようにしか聞こえない。
 村山氏は元東京高等検察庁検事長を務めた検事で、一見いかにも剛腕のような感じがするが、ものを言うのはかつての肩書きだけで、実際に個人が抜きんでた能力を持っているわけでもなんでもないだろう。日本の企業、官庁はいずこでもそうだが、組織なり、名前で仕事をするようなところがある。上に立つ人はその組織に乗っかって、お飾り的にものを言うに過ぎない人が多い。なかにはまれにごく優秀な人がいないこともないが、大概は組織の上でものを言うだけの人である。
 村山氏はまして73歳の高齢で、いまさら先頭に立って、みんなを引っ張っていくようには見えない。その場、その場の場ろ取り繕ってうまく立ち回ることには長けているだろうが、組織自体が存亡の危機に立っているのを切り盛りしていく技量があるようにはとても見えない。
 村山氏のハラはおざなりの特別調査委員会うんぬんでお茶を濁して、名古屋場所さえ済めば、あとはだれかがなんとかしてくれる、とでも思っていることだろう。大体、特別調査委員会は名古屋場所を開催する時点で解散が決まっており、お役御免となるはずだった。ところが、野球賭博問題に追い打ちをかけるような不祥事の連発で、再度役割りを果たさなければならなくなってしまった。琴光喜、大嶽親方の解雇などでケリをつけたと思っていたのに、とんでもない、再び火がついてしまったわけで、村山氏の心中は「いつまで引っ張られることになるのか」ということだろう。そういえば、テレビに映る村山氏の眼は当初の光はなく、泳いでいる。
 世の中に相撲協会の改革の顔として大々的に顔をさらしたのだから、一連の問題が決着するまでは理事長代行としての職務を全うしてもらわないと困る。
 案外、村山理事長代行は高齢と健康を理由に逃げ出すことにでもなるのではなかろうか。
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原告、被告とも黒い喪服で臨んだ慰謝料請求裁判の加害者は傍聴席にいた?

2010-07-22 | Weblog
 21日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。635号法廷で午後2時から女性が女性を慰謝料請求する民事裁判とあったので、どんな内容か、と思って5分くらい前に傍聴席に座った。原告、被告とも中年の女性で、両名とも黒いスーツを身にまとい、まるで通夜の臨んでいるような厳しい表情をしていた。お互いの弁護士が尋問に立ち、原告、被告双方とも証言台に立つガチンコ裁判だった。
 まず、証言に立った原告は夫が日銀の海外支店長を務め、2人の子どもを持つ身であることを証し、夫が長崎支店長として単身赴任している最中に地元の女性である被告とただならぬ関係に落ちて、東京へ戻ってからもその関係が続いていて、ある日銀座三越で購入した女性物ブラジャーの領収書を見つけたことから、不倫が発覚した。その後、興信所を使って調査したところ、2人は事あるごとに旅行に出掛けたり、長崎の被告の家に泊まっていることが判明した。
 2人で仲睦まじく写っている写真のほか、性交場面を実写したビデオまで発見されるに及んで、家族ともども信じていたのが裏切られた気持ちとなり、夫と離婚を決意するまでに至った。ただ、長女が大学入試を控えていたので、入学が決まるまで待ってかっら離婚した、という。そして生保会社へ勤務するようになった。
 続いて証言台に立った被告不倫の事実は認めたが、東京へ戻ってからは徐々に関係を絶つようなことになって、いまではもうそうした関係にはない、と証言した。被告側の弁護士によると、原告の夫は被告以外の女性とも関係を持つような事実も明らかとなり、必ずしも被告だけが加害者ではないような感じとなった。
 被告への反対尋問ではさぞかしきつい尋問になることだろう、と期待されたが、単に代理人である弁護士は被告に対し、「不倫をしていたことを認めますか」との事実確認と原告に対する謝罪を求めただけで終えてしまい、肩透かしを食わせられた感じだった。
 被告は最初はやつれた感じの中年の女性rとしか思えなかったが、話を聞いているうちに化粧すればそれなりの美形に見えてきたから不思議だった。途中から傍聴席に銀座あたりのホステスんのような若い女性2人が座り、ひょっとして被告は長崎の飲み屋の女性で原告の男性を追って東京まで出てきたか、とあらぬ想像までした。
 最期に被告側の弁護士が「ある程度の慰謝料を払う用意はあるが、要求額とは差があるので決着するとは思えないので、判決をお願いしたい」と述べ、原告側は「和解は恐らく無理だろう」と応じていたが、一応裁判長は意を汲んで話し合いを勧め、13階の書記官室へ移動することになった。
 被告はこの裁判のなかで、両親の片方を亡くし、もう一方を介護している状況で、早く終結してもらいたい、のが本音のようで、見ているうちに原告、被告とも被害者で、加害者は傍聴席にいたと思われる原告の元夫ではないか、と思えてきた。その点では原告、被告とも喪服のような黒いスーツを着てきていたのは正解なのだろう。
 大人の火遊びの代償で泣くのは常に女性ということなのかもしれない。
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