鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

100ドルと800ドル

2007-10-31 | Weblog
 東京電力が年間決算赤字の見通しとなり、来年度にも電力料金値上げの検討に入った。柏崎原子力発電所の休止が響いているのは確かだが、基調には高騰する原油価格の上昇がある。電力料金が値上げとなれば一気にインフレムードが加速されるのは避けられない。原油価格はあっという間に1バーレル(159リットル)90ドル台を突破し、100ドルに迫る勢い。また、その影響か、金価格も1トロイオンス(31.1グラム)800ドルに迫っている。原油価格100ドルと金価格800ドルが一応心理的な壁となっているが、いずれもあっさりと突破するようなことがあるとインフレは確実にやってくる。
 原油価格は米国ニューヨーク市場の先物、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の価格が指標となっているが、1バーレル92ドルをつけ、需要期に向かい、さらに上昇するのは必至の情勢となっている。業界によると、世界全体の1日の原油生産量は8170万バーレルに対し、WTIの先物取引量は1億バーレル超というから、上昇するのは火を見るより明らか。06年のわが国の原油輸入高は13兆円で、平均価格は60ドルだったので、これが100ドルとなると、6兆円のコストアップとなり、GDP(国内総生産)の1%強が押さえ込まれることになる。
 新日本石油が石油製品の1リットル6円の大幅値上げを発表し、ガソリン価格は1リットル150円台になる。ガソリンの価格は、1リットル80円だったのが短期間に150円台になるので、倍になったように見えるが、そうではない。ガソリン1リットルには揮発油税など53.8円もの税金が課せられているので、これを差し引くとガソリン1リットルの価格は26円強から96円強と一挙に4倍にも値上がることになり、原油価格の上昇がいかにすざまじいものか、よくわかる。
 一方の金価格は10月29日にニューヨーク先物相場で1トロイオンス792.6ドルと過去最高となった。その後、高値警戒感から利益確定売りが出て、相場は下がったが、基調としては上げにあるのは確実。原油と同じく、中国を先頭とするアジア諸国での工業需要が旺盛で、これに投機筋がからんで相場を押し上げている。金価格は20年くらい前に400ドル近くまでいき、その時に1000ドルも夢ではに、とはやし立てる向きは現れ、一気にしぼんでしまった。
 原油の100ドルと金の800ドルは経済理論的には何の関連もない。最近の相場からみた心理的な壁であるに過ぎないが、片一方が突破すれば両方とも突破するように思える。投機筋としてはどこかで両者がつながっている、と思えるからで、ヤマは冬場の天候が見極められる今年末だろう。それを超えると、来年の北京オリンピック前に再度やってくることだろう。

追記 てなことを書いたら、翌々日にあたるニューヨークの11月1日にあっさりと金価格は800ドルを突破し、802,5ドルをつけ、6日には823.4ドルをつけてしまった。原油価格もニューヨーク原油市場でWTIで1バーレル98.1ドルまで上昇し、と100ドルにあと一歩と迫っている。ゴールドマン・サックスのアナリストによると、1バーレル105ドルがピークで、来春には同80ドル台に落ち着くと予測している。ということは100ドルの壁もあっさりと破られることにあんるわけで、不明を恥じるしかない。経済予測はさように難しいことを証明したのかもしれない。
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守屋前次官の答弁に見た官僚の”業”

2007-10-30 | Weblog
28日の朝6時からの時事放談を見ていたら、パネラーの塩川正十郎元財務相はいま話題になっている防衛省の米補給艦への給油量が20万ガロンでなく80万ガロンであったことについて聞かれた際に「たるんでいる」と答えた。知っていて、意図的に事実を隠したことは確信犯でけしからん行為であるのに、精神的な綱紀が緩んでいる、と表現するのはどこかおかしい。この13日に86歳になったという塩川氏はもともととぼけた味が持ち味であるが、こうまで明からさまにとぼけられると問題の焦点がそれてしまいかねない。29日に行われた衆院テロ防止・イラク支援特別委員会での守屋武昌前防衛次官の証人喚問でも肝心な点は露見されず、案の定、不発に終わった。
 守屋前次官への証人喚問では山田洋行の山田元伸元専務との接待ゴルフには5年間で100回以上、過去累計で200回以上行ったことは認めたが、山田洋行に便宜を図ったことはない、と否定した。接待ゴルフでは会員と同じという1回1万円の費用は負担し、ゴルフクラブの提供も何度か受け、プレーの際には偽名を使ったことは認めた。肝心のインド洋沖での米補給艦への給油量が80万ガロンだったことは「つい最近になって知った」とありえない答弁をした。
 また、沖縄の米軍基地移転にからむ辺野古沿岸V字形滑走路案の作成に関する地元土建業者との癒着についても関与を否定し、詳細を聞かれた際もこうした証人喚問お決まりの「記憶にありません」との答弁に終始した。
 ただ、03年に当時の防衛庁で次期輸送機(CX)エンジンの納入業者を決める会議の議長だったことを明らかにしたし、納入業者に決まった米ゼネラル・エレクトリック(GE)の幹部との面会の際に宮崎専務が同席していたことは認めた。
 しかし、全体に疑惑を深める事実が明らかになったことで、相変わらず灰色の状態であるのは間違いない。公務員のトップとして、業者とのゴルフを禁じた防衛省内部の倫理綱領に反しているのは事実で、これについては本人もモラル違反を認めている。ゴルフバッグの贈与を受けたことが収賄にあたるのか、それ以上の贈賄があったのかはまだ明らかではない。
 問題は法律を犯しているかどうかで、山田洋行への便宜供与を図ったか、特定の政治家との癒着があったのかは依然として解明されていない。28日の時事放談でそれを聞かれた塩川氏も「言える立場にありません」と言葉を濁していた。
 守屋前次官は喚問の冒頭、「テロ特措法の審議に私の不祥事が大きな障害となっていることに痛切に責任を感じている」と陳謝したが、心底そう思っているようには見えなかった。公衆の面前に引っ張り出され、だれも守ってくれない孤立無援の立場を呪っているようにも見えた。それでも人はだれかをかばって口をぬぐうものなのか、官僚の業(ごう)にふと憐れを感じた。
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街全体が祭りと化した東京モーターショー

2007-10-29 | Weblog
第40回東京モーターショー2007が26日から幕張メッセで開かれているので、28日のぞいてみた。一昨年まで乗用車と商用車を交互に毎年開催していたが、今年から2年ごとに乗用車も商用車も一緒に開くことにした。京葉線海浜幕張駅を降り立つと、駅前は祭りの広場といった感じで、チラシを配る人だけでなくすぐ前のガーデンウォークでは一般市民参加のイベントが行われていて、街全体がカーニバルといった雰囲気に満ち溢れている。モーターショーだからこその盛り上がりで、こんなに海浜幕張駅前が賑わっているのをみるのは久し振りのことだ。日本最大の展示会であるだけに当然といえば当然のことだが、展示会というのはこうあらねばならない見本ともいえる。
 北口から会場へ入ると、まずオートバイの展示がある。ホンダ、ヤマハ、スズキ、ハーレーバビッドソンなどのブースでパンフレットをもらい、次ぎは商用車のゾーンで、人だかりのしている三菱ふそうのバスに乗り込む列に並び新型バスの車内を見学する。どこが新型なのかよくわからないまま座席に座って感触を確かめる。中央のイベントホールでのタイヤ・オーディオメーカーのブースを横目でみながら、メインの1-8ホールの乗用車のゾーンへ行く。
 トヨタ、日産、ホンダなど主要完成車メーカーが巨大なブースを構え、新車をズラリと並べ、観客を呼び込む。なかでも日産の1人乗り未来カー、PIVO2のデモが来場者の大きな関心を集めていた。タイヤが90度移動して真横に移動できるのが面白い。キャビンも360回転し、リチウムイオンバッテリーで動く環境にもやさしい点をアピールしていた。
 それにしても日曜日だけあって凄い人で、家族連れが多い。返りに京葉線の車内から見た駐車場もいっぱいの盛況ぶりだった。これだけ人が多いといつもは気になるカメラ小僧というか、カメラおじさんもそんなに目立たないから不思議である。
 ただ、ひとつだけ気になったのはこれだけの祭典でありながら、アジアからの出展は韓国の現代自動車一社のみだった、ということで、先ごろ中国・上海で行われた中国でのモーターショーには世界各国から自動車メーカーがこぞって出展した、というのに日本へのアジア勢の出展が一社のみ、というのは日本市場がそれだけ魅力がない、ということか。世界の自動車市場のなかで日本のシェアはどんどん落ちている、ということなのか。少子化ということは市場の規模を狭めるということではあるが、外から見ると魅力を薄めているということなのだろう。日本のメーカーは国内の豊かな市場を背景にグローバル戦略を打ち出してこられたが、今後はその戦略がとれなくなる、ということである。増して、海外で現地生産することが多くなっている昨今、機軸はますます海外にシフトしていくことになる。

追記 11月11日閉幕したモーターショーの来場者は142万5800人で前回を5.7%下回り、今年から商用車と乗用車が一緒になって少なくとも前回を上回る来場者をと期待していた事務局の目算が外れた。あわよくば低迷する国内の自動車需要の拡大につなげたい、との期待をも裏切ることとなった。91年の来場者201万人は夢のまた夢となったようだ。
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珠玉の「フィガロの結婚」を堪能

2007-10-28 | Weblog
 27日は台風のなか、東京・初台の新国立劇場でのオペラ「フィガロの結婚」を観賞に出かけた。着飾っていこうかな、と思ったが季節はずれの台風で皮張りのジャンバーで温かくして行った。「フィガロの結婚」はモ-ツアルトのオペラで数年前に見よう、と申し込んで満員ではずれたオペラである。珍しく前から18列の通路から3番目のほぼ中央の席で、これだとオーケストラボックスも字幕も良く見える。新国立劇場の会員になって6、7年経つが、やっとオペラ観賞にふさわしい席を確保できて満足であった。ただ、前に席に神経質そうなおじさんと汗の匂いの強烈なおじさん、約2名がいて、環境はすべてよし、というわけにはいかなかった。
 定刻の10分前に着席すると、すでに観客席は満員。舞台には奥にいけば狭くなる部屋のような装置がしつらえてある。午後2時過ぎに開演となり、お馴染みの「フィガロの結婚」序曲が流れ出し、その終わり頃に段ボール箱のようなものがいくつか運び込まれ、結婚を控えたフィガロと婚約者スザンナが登場、新居での引っ越しをしているところだとわかる。2人のやりとりから、なぜこんな伯爵の家の近くに新居を構えることになったのかがわかってくる。伯爵はスザンナに横恋慕しており、フィガロとの結婚をなんとか阻止しよう、としていることも明らかとなってくる。
 そこで、フィガロは伯爵夫人、それに小姓のケルビーノらと組んで伯爵の浮気をなんとかとっちめよう、と策略をめぐらす。最初はケルビーノに女装させ、次ぎにはスザンナに変装した伯爵夫人が伯爵を庭におびき出し、浮気の現場を押さえ、伯爵は許しを乞い、めでたく幕となる。
 舞台の上に箱型の部屋を作っているせいか、音響効果がよくて出演者の声がよく通る。伯爵夫人役のマイヤ・コヴァレヴスカのきれいな声が会場いっぱいに響きわたり、盛大な拍手を浴びていた。
 ただ、第4幕で庭での伯爵と伯爵夫人との密会場面で歌はともかく、入れ替わり立ち代わり、登場人物が交錯し、ドタバタ劇を演じるところが本当にドタバタしていて、田舎芝居を思わせた。オペラ歌手は歌手であって、役者ではないのだ、と改めて思った。
 スザンナ役には当初、ラウラ・ジョルダーノが予定されていたが、急遽日本人の中村恵理に白羽の矢が立った。プログラムには名前が載っているが、会場で配布されたパンフレットに挟んだチットにその旨が伝えられていて、かなり急な変更であったことがうかがわれた。その割りには中村恵理は堂々たる歌いっぷりで、フィガロ役のロレンツォ・レガッツォにひけをとらなかった。
 「フィガロの結婚」で道化師みたいな重要な役、ケルビーノにも日本人オペラ歌手、林美智子が起用され、男役と女役を見事にこなし、こちらも伯爵夫人対等に張り合って、独唱もこなして会場の拍手を浴びていた。中村恵理、林美智子とも新国立劇場オペラ研修所の修了生で、日本独自のオペラ歌手育成が実っていることを物語っている。
 オペラが終わって会場の外へ出ると、台風20号の直撃を受けて風雨が吹き荒れていた。この「フィガロの結婚」は27日が公演最終日で、出演者の情熱に台風の風圧も加わったか、のような熱演で大いに堪能した。
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恒例の景気討論会で異常な盛り上がり

2007-10-27 | Weblog
26日は東京・大手町に日本経済新聞社8階のホールで開かれた恒例の「景気討論会」に行った。デフレは脱したものの、原油価格の上昇でいまひとつはっきりしない景気の現状をどう見たらいいのか、識者の意見を聞こうと思った次第で、奥正之三井住友銀行頭取ら4人のパネリストはいずれもいまのような状態は続くが、いまや世界経済の牽引車である中国については来年の北京オリンピック後に減速するとの意見で一致した。肝心の原油価格の上昇がもたらす衝撃については言及されなかった。全体としては低調な議論ではあったが、パネラーのある発言がこの日唯一の盛り上がりを見せてくれた。
 福田政権の経済政策について議論が及んだ時に、パネラーの木内登英・野村證券チーフエコノミストが「歳出削減と財政再建をめざしているようではあるが、どうも増税の方向に向かっているようだ」と発言したうえで、「日経も小幅な増税に誘導するように紙面をつくっているようだ」と指摘したところ、会場はどっとどよめき、よくぞ言ってくれた、とばかりの拍手も起きた。討論会が始まってずっと静かに聴いていた聴衆が初めて見せた反応であった。会場が日本経済新聞社のなかにあり、つめかけている聴衆のほとんどが日経シンパであると思えるのに思わぬ反応であった。
 日経の読者は経済のことを知るには日経を読みはするが、必ずしも日経の主張をすべて支持しているわけではない。小泉元首相以来、政府べったりではないか、と思える論調が鼻につく、と言う向きが少なからずいる。木内氏の指摘に対する反応はむしろ常に政府寄りに日経の姿勢を苦々しく思っている輩が少なからずいることをみせつけてくれた貴重な場面ともいえた。
 木内氏の発言の次ぎのパネラーに移るのをさえぎり、司会の高橋雄一日経編集局長がたまらず「ひとつ補足しておきますが、新聞紙面には限りがありますし、一面だけでなく二面、三面と続き、よく読んでいただければ、そんなことはないとお分かりいただけると思います」と木内氏の発言を半ば訂正した。これに対し、木内氏は「先ほどの発言は日経が‥‥というのではなく、政府が‥‥と申し上げたものです」と引き取り、会場にはちょっとした笑いが広がった。
 最後になって、恒例の今年の成長率、株価水準を4人のパネラーに順番に聞いていったあとで、司会の高橋編集局長が「本日議論いたしました内容は日本経済新聞が日夜追いかけているテーマで、今後ともご愛読のほどよろしくお願いします」と締めくくった。いつも同じことを言っているのかもしれないが、先ほど日経の紙面についての厳しい指摘があった後だけに重ねての弁解に聞こえてならなかった。
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暗雲立ち込める福田政権

2007-10-26 | Weblog
 先ごろ、月刊雑誌の潮11月号の巻頭で「視界ゼロの日本政治」を特集していた。潮は自民党とともに政権を担当する公明党の機関誌のようなもので、そこが現政権を半ば揶揄するような特集を載せて大丈夫かな、と思った。政権を放り出した安倍内閣のあとを受けて、福田内閣がスタートして約1カ月が経過したが、テロ特措法に関わり、防衛庁で守屋前事務次官の収賄事件、米補給艦への給油量の隠蔽事件、そして今度は厚労省でのC型肝炎感染リストの放置問題と次ぎから次ぎへと行政の不祥事が起きており、折角の新政権発足の出足を挫きかねないことになっている。国民の間にはこれでは安倍政権と50歩100歩との声も出始めており、福田政権の先行きに早くも暗雲が漂い始めたようだ。
 テロ特措法の期限切れを前に防衛省が米補給艦に給油していた量が実際は80万ガロンだったのが、20万ガロンと言明して隠蔽してきたことが明らかとなった。03年5月9日の当時の福田官房長官の記者会見でも「1日20万ガロンで、とてもイラクへの戦争用にペルシャ湾に入れる量ではない」と語った記録がある。当時は意図的に隠蔽していたふしがあり、あまつさえ、当時の資料は紛失した、としており、二重に重大なミスを犯している。当時、事務次官だった守屋武昌氏が過去200回以上も防衛専門商社、山田洋行首脳から接待ゴルフに応じていた事実も明らかになり、省ぐるみで汚職体質にまみれていたことが輪をかけて疑惑を深めている。
 さらに 血液製剤による肝炎感染問題で、厚労省の地下倉庫にC型肝炎感染者418人分のリストが放置されていたことが明らかとなり、国を相手に薬害C型肝炎訴訟を起こしている原告団から「もっと早く公表されていれば、どれだけの人が病気の進行をくい止められたか」と怒りの声が沸き起こっている。年金問題に対する国民の怒りがまだ収まっていないのに、また厚労省に難問が覆いかぶさった。
 この2つの不祥事が福田政権に対する怒りの声となってはね返っている。いずれも直接、福田内閣が関与した案件ではないが、戦後ずっと政権を担ってきた責任政党としての責務は問われることになる。配下に官僚を従えて行政を行ってきたのは自民党であり、その責めは担当機関に長短を問わず現政権が負わなければならないのは自明のことである。
 福田首相があるところで、「官官(つかさつかさ)がきちんと処理してくれない、と困る」といった発言をした、と聞いたことがあるが、待ってくれ、と言いたい。その官官を率いているのは自民党の大臣、副大臣、そしてそのトップは首相である。官がつかさとしての役割を果たすように監督指導するのは政治家の務めではなかろうか。仕事がきちんとなされるように仕組みをつくり、監視していくのが管理者たる上の役割である。
 評論家の田原総一郎氏が福田政権の発足時に「鬱の時代にふさわしい」とどこかで書いていた。時代が鬱なのか、福田首相が鬱なのか、それとも両方とも鬱なのか、詳細はわからなかったが、少なくとも国民の厳しい目に答えるだけの行政手腕だけはもってほしいものだ。まだ1カ月でよくわからないが、安倍政権のマイナスを払拭することだけに精一杯で、新たな施策、ビジョンを打ち出すまでには至っていない、のが正直なところで、”福田丸”の骨格が見えてこない。下手をすると、骨格を見せないまま、次ぎの人にバトンタッチするようなことにもなりかねない様相も帯びてきた。
 
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衰退する前兆を見た「FPD」展

2007-10-25 | Weblog
 24日は興味があって、横浜パシフィコで開催されている液晶の展示会、「FPD International2007」をのぞいてみた。武蔵小杉から東急東横線でみなとみらいへ行こうとして、車両の乗り込んで、吊り革にぶら下がって周りを見ると、女性ばかり。いつも乗る東急田園都市線は最後尾車両が女性専用車なので、同じ東急線だからそのつもりでいたのだが、どうやら東横線は前から三輌目がそのようで、早速隣の車両へ移った。いつかの有楽町線のように指弾されるようなことはなく、幸い誰も知らん振りしてくれて助かったが、乗り慣れない路線に乗る時は要注意である。知らずに女性専用車に乗り、電車が揺れでもして、隣の女性に触れるようなことでもあったら、それこそ痴漢扱いされて刑務所送りになりかねない。ともあれ、会場の横浜パシフィコに着いて、まずは開会式の会場を見つけようとコンコースを歩いたが見当たらない。一番奥へ行って、戻ってきたら、端っこに紅白の幕が見える。近づくと、すでに開会式が始まって、予定した2番目の人が挨拶していた。
 最初に主催社の副社長が登場する、と聞いていたところ、24日付けの日経朝刊に主催社の合併話が報じられていて、主催者挨拶でどう触れるのか、興味があったのに聞き逃してしまった。こうした事業に関係ないと言えばそうなのだが、一般の人にとっては聞きたくなるような話である。
 順番に挨拶が終わり、テープカットに移った。流れる音楽がいつも聞いていた音楽と違うので、違和感を持った。テープカットも終わり、予定した開場時間まで若干間がある。そのまま来賓を場内へ誘導するか、と思ったら、司会の「準備が整うまでお待ち下さい」とのアナウンスで、折角盛り上がった雰囲気も壊れてしまった。
 開会式の場所も隅っこで、おかしいと思ったが、ゲートの設営も正面を向いておらず90度横を向いている。しかも入口とは離れた場所で、何か遠慮した感じでやっていた。主催者の開会式なのだから、本来、会場正面で堂々と行うべきである。
 あとで聞いたら、開会式の運営をMなる業者に委託し、しかもその業者の社長がテープカットのメンバーにちゃっかりおさまってカメラにポーズをとっていた、というから、空いた口がふさがらない。どこの世界に、仕事を請け負った会社の社長が主催者、来賓づらしてテープカットのテープを切るのだろうか、そんなふざけた話は聞いたことがない。
 帰りがけにJR桜木町駅へ行く歩道橋を降りたところに毎年、展示会の開催をPRする横断幕がかかっていたのに見当たらない。来場者がJRでなく東急のみなとみらい線を使うようになったからもあろうが、いつものプロモーションが行われていないのにもやや失望した。
 この「FPD2007展」は横浜パシフィコの全ホールを使用した盛大な展示会で、来場者も着ていていまは成功しているのは認めるが、展示会の開会式をなぜ行うのか、といった基本的なことを主催者が理解していないふしがうかがえる。開会式の運営を見る限り、どこを見て、展示会事業を行っているのか、スタンスが見えない。こんな開会式の運営をしているようでは、事務局はさぞかし他の出展社や、来場者とのやりとりでも誠意のない事務的な応対をしていることだろう。
 そんな展示会の運営をしているようでは直ちに出展社に見抜かれ、遅かれ、早かれ、衰退していくのは火を見るより明らかである。
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新聞の危機

2007-10-24 | Weblog
 1カ月くらい前に朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞3社が共同で新会社をつくり、インターネットの情報提供で提携する、と発表した。3社の頭文字をとって、この組織を「ANY」と称しているが、googleでANYなる単語で検索しても詳細は出てこない。来年1月1日から具体的な事業はスタートするが、早くもその効果を疑問視する声が出始めている。考えてみれば、業界で上位3社が提携することなんて聞いたことがない。自動車業界で言えば、トヨタ、日産、ホンダが提携するようなもので、今後の展開によっては公正取引委委員会から独禁法違反で摘発されかねないだろう。従来なら朝日、読売、日経3社が組むことなんて考えられないことだった。新聞業界がそこまで追い込まれている象徴といえるかもしれない。
 朝日、読売、日経でつくる「ANY」はインターネットのポータルサイトを共同でつくり、政治、経済など通常記事のほか社説、世論調査などもアップする、という。その3社共同のページから3社のサイトへ飛ぶ仕組みで、共同のページには広告バナーも掲載する。コストも利益も3社で負担し、分け合う、という。
 この提携は最初、朝日、読売の間で起こり、ネットなら日経にも参画を呼びかけた、という。ネットの敵はヤフーであり、googleであり、天下の新聞が束になって向かうしか太刀打ちできないところまできている、というわけだ。
 当初は3社でスタートさせるが、将来は他の新聞社の参加もありうる、ということだが、すでに毎日新聞はヤフーと、産経もマイクロソフトとそれぞれ提携しているし、全国の地方紙52紙から成る全国ネット、ニュースポータルサイト「47News(よんななニュース)」は12月24日からスタートすることになっており、その余地は残っていないようだ。毎日新聞が加われば、「ANY」でなく「MANY」になった、とも揶揄する声も出ている。
 「ANY」の本当のねらいは新聞の販売における提携にある、と見る向きが多い。新聞社を影で支えている宅配制度の経済効率の悪さは以前から指摘されていることで、人口の多い都会はともかく、過疎地で数少ない部数を維持するための独自の販売網を築いているのは経営的にも大きな負担となっている。ここを3社共同の販売店を持つようにすればかなり改善されることになる。日経は東京都以外はほとんど各地の有力な新聞販売網に依存じているので、提携打診に乗らざるを得なかった事情がある。
 いずれにしろ、上位3社が提携するなんて、その業界が斜陽であることを示しているに違いない。もともと新聞は経済効率に反する宅配制度によって部数が維持されてきたのだし、その部数も全国で5000万前後でずっと変わらず、読売新聞が増えたといっても他紙の部数を食って増えた、に過ぎない。
 マガジンハウスの発行する「ダ・カーポ」がこの春に有識者10人による情報、自動車、電機など35業種の20年後の成長を占う展望を掲載していたが、新聞業界はなんと35業種のなかで最低であった。ちなみに1位は情報、次いで人材・教育、翻って下位からはブービーが百貨店、次いで生保、スーパー、出版となっていた。
 新聞業界人は新聞が斜陽である、とは自覚していても、こうした事実を公開の場で改めて見せ付けられると、ガクッとした気持ちになることだろう。それよりもこれを見たお父さん、お母さん世代がまず新聞業界にうちの息子や娘を就職させよう、などと思わなくなることだろう。たなると、新聞業界にいい人材が来なくなり、ますます斜陽の度合いが深まっていくことになることだろう。
 新聞業界人は新聞は社会の公器である、と時代錯誤的な発想をやめて、まず新聞の社会的な意義を足元から見つめ直し、そこから戦略を立てることから始めたらいいだろう。
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絵画購入の際には値段はもちろん、呼吸がある

2007-10-23 | Weblog
 22日、東京・銀座の画廊で知人、Y君を含む5人の画家でつくる「五つの断章ーー2007」なる展示会が幕開けしたので、のぞいてみた。Y君とは小学校時代の同窓生で、先月名古屋で開かれた同窓会で久し振りに再会し、「近く東京で展覧会を開く」と聞いていた。案内状が届いたのはその2日前で、最終日の27日に会場につめる、と書いてあったが、27日は所用で行けないので、初日にした次第。
 銀座には日本中の画廊があるのではないか、と思えるほど多くの画廊がある。日動画廊のようなミニ美術館のようなところなら、ふらりと訪れることが気楽にできるが、いわゆる本格的な画廊には普通は足を踏み入れることはまずない。絵の収集家でもないと、敷居が高くて入る気になれないのだ。だから、こうした案内状でもあれば、堂々と訪れることができる。
 Y君の合同展は銀座5丁目の並木通り沿いの坂口ビルの9階にある、と書いてあった。こんな機会でもなければ、まず足を向けない画廊だ。5人も乗れば満員となるようなエレベーターに乗って9階に降りると、くるみ画廊と扉に描いてある。扉を押して入ると、わずか10平方mくらいの小さな画廊で、隅にオーナーと思われる人の良さそうなご老人がいた。壁四方に作品が並んでいる。
 順番に見ていくと、4番目くらいに目当てのY君の作品が並んでいた。他の4人に比べると小品が多い。一見、ゾウリムシかと思われるような抽象画と具象画の中間のような作品である。なかに蝶々を思わせるような小品も2点展示されていた。他の4人の洗練されたタッチに比べると1人だけ世界が違うような気がする。
 実はY君の作品は20年くらい前に共通の友人が上京した際に確か銀座の画廊で見た記憶がある。壁一面に黒い抽象画で、値段も高かったようにうっすらと憶えている。今回もそんな作品だろうと予想していたが、暗に相違して可愛らしい作品であった。
 でもよく見ると、他の4人には値段がついているのに、Y君の作品には値段がついてない。「売らない、ということか」とオーナーに聞くと、「本人がつけるのを忘れていて、さっきも電話で怒ったところです」という。他の4人の作品が30~80万円くらいの値段がついており、それらより小品だからもっと安いだろう、と探りを入れてみると、ちょっとした小銭で買える値段をいう。
 それならと、蝶々のような作品を買う旨を申し入れると、オーナーはすっかり喜んでしまい、コーヒーまでご馳走してくれた。そして、「これから展示会の案内を送るから、来て下さい」と本当に歓迎されてしまった。美術の世界に暗い鈍想愚感子には初めての知り合い、となったようでもある。これから大手を振って銀座の画廊に来られることになるかもしれない。
 中央にあるスツールに腰かけるよう勧められ、しばしオーナーと絵画についての談義に及んでしまった。オーナーによると、画家を育てるのは作品を買ってくれるファンだ、という。自分の作品が評価される、ということは大いに励みになるというのだ。
 Y君を応援しよう、という気持ちもなくはないが、玄関に飾ってもいいかな、と思ったから買う気になったのだ。考えてみれば、合同展初日にオーナーの怒りを買ったY君のミスショットをリカバリーしたことになるのかもしれない。そのあたりはちょっとした展開で、そうなってしまった。多分、絵を買う時というのは値段もあるのはあるが、理屈ではない、呼吸のようなものがあるのだろう。
 オーナーと話しながら、Y君の作品を離れて見ているうちに、ゾウリムシのような小品がモジリアニの絵のように見えてきたから不思議だ。まとめて飾ってあるので、ゾウリムシのように見えたのだが、1つだけ展示すれば、それなりに見えてくるものなのかもしれない。
 東京・銀座に知っている画廊ができただけでも今回は収穫かもしれない、とも思った。
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女優、志田未来の未来

2007-10-22 | Weblog
少し前に「踊る!さんま御殿」の特集番組を放送していて、何組目かに子役の志田未来が出演していて、司会の明石家さんまが志田未来に「悩みはあるか」と聞いて、志田未来が「身長が149センチから伸びないのが悩み」と答えた。これに対し、さんまがすかさず、「子役をやめたらすぐに伸びる」と言い、米国の子役スターが子役を終えたら、すぐに身長が伸びた、と実名をあげていた。そんなことかあるのかな、と思って見ていると、さんまは続けて「好きな人はいますか」と志田未来に聞いた。志田未来はどうしてそんなことを聞くのか、といった面持ちで「いません」と答えた。
すると、さんまは「そうでしょう。そうでしょう」と言いながら、手を頭にやり、「子役をやる俳優の脳が背が伸びないよう、恋もしないよう命令してしまうようだ。でないと、子役が出来なくなってしまうから」と言った。本人が意識する、しないにかかわらず、無意識にそうなってしまうのだ、とも解説した。芸能界随一のカンを持つさんまらしい分析である、と感心した。
聞いていた志田未来はびっくりした表情をしていた。志田未来はテレビドラマ「女王の教室」で、天海祐希扮する冷酷女教師に一歩も譲らぬ女子小学生を演じ、一躍脚光を浴びた子役スターで、その後もドラマの主演をして、将来を嘱望されている。
それでも子役には子役の悩みがあるものだ、と思って見ていると、場面は変わって、漫才コンビのタカ&トシのタカが「相方を叩いた時にパチンとうまく鳴らないことが悩みだ。いい音が響くと会場もわく」と言い、トシに向かって「お前もいい音がするよう協力しろよ」とふって、さんまも「そう、そう。そういうことってあるよな。会場の大きさや温湿度によっても変わってくるしな」と同意し、トシに「お前も協力したれよ」と言ったが、トシが乗ってこないので、「未来ちゃん、どうですか」とふった。
そしたら、志田未来はすかさず「どうでもいいことですね」と言ってしまったので、さんまは珍しく「どうでもいい、とはなんて言い草だ」と本気で切れた。着ている上衣を上にかざし、志田未来を威嚇した。さんまにしてみれば、同じお笑い芸人が深刻に悩み、芸に工夫をしよう、としているのに将来有望とはいえヒョッコに一蹴されたのだから、頭にきたのだろう。
この「踊る!さんま御殿」は毎回、番組最後に一番光った発言に「踊るヒット賞」なるものを決めており、志田未来ちゃんのこの発言がめでたく「踊るヒット賞」となった。
さんまの怒りを呼んだ発言をしたのは天晴れといえば天晴れである。計算されたうえでの発言なら、志田未来はかなりの大物といえようが、どうもそうではなさそう。となると、志田未来は子役のままで終わることになるのだが‥‥。
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