鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

知事受難の時代?

2006-11-17 | Weblog
 このところ、都道府県知事のスキャンダルが相次いでいる。梶原拓岐阜県前知事が17億円もの県の経費を職員が隠匿していたのを容認していた、とのことで追及にあったのに続いて、福島県で5期連続当選の佐藤栄佐久知事が建設談合で退陣に追い込まれ、同じ談合で木村良樹和歌山県知事が逮捕された。さらには宮崎県でも官製談合で安藤忠恕知事に追及の手が及びそうだし、石原慎太郎東京都知事にも海外出張の際の経費が規定を大幅に上回るものだ、との批判が出ている。まさに都道府県知事受難の時代である。
 これまだ国会議員や企業経営者が不正を働いたり、ガバナンスに欠けた振舞いをして、世論の指弾を浴びるケースは結構あったが、知事がそうした局面に立つことはそれほどなかった。散発的に女性へのスキャンダルで退陣に追い込まれたケースもないではなかったが、最近起きているような相次いで知事が不正に手を染め、逮捕、もしくは自ら退陣を表明することが続出すると一種の流行のようなものを考えざるを得ない。
 岐阜県の梶原知事や和歌山県の木村知事は地方での活気ある行政の見本のようなケースでよくマスコミにも取り上げられ、パネルディスカッションのパネラーとしてもテレビ、雑誌によく登場していた人物でもある。それが庶民感覚として許せない県の経費を横流しして集団で横領していた事実を知って知らないふりをしていたとか、自宅から1000万円を超える贈答の高級腕時計が見つかったことを聞くと、本当かな、と首をかしげてしまう。いま一番ホットな安藤宮崎県知事は「私は関係ない」と言っているが、責任者としての発言といsてはいただけない。いずれ、司直の手が及ぶのは間違いない。
 小泉首相が5年半前に就任した時に改革の眼目として小さな政府という旗印を掲げ、政府の行ってきたことをできるだけ少なくして、地方に移管できるものは地方に移管してきた。この結果、国から地方へ移管されたものが結構あって、都道府県知事の権限が大きくなった、ということがあるのではなかろうか。建設会社の方でも国の公共工事では監視の目が厳しいので、攻め先を地方公共団体に切り替えた、とは十分の考えられる。その結果が国レベルでの談合がなくなったと思ったら、地方では相変わらず談合が繰り返されていた、ということだろう。福島県の場合は知事の弟が経営する紳士服製造会社がその窓口となっていて、知事がその会社の役員をしていた、というのだから、空いた口がふさがらない。
 それと、国政段階では不正、談合などに対する監視の目が結構いきわたってきたが、地方でもようやくその兆しが出てきて、槍玉にあがるようになってきた、ということだろう。地方の場合は昔からの顔馴染み、地縁で物事が進むケースがまだまだ残っているので、今後さらに知事や行政当局に対する不正監視の動きが強まることが十分に考えられる。
 知事のみなさん、身辺を身ぎれいにしておくことが必要ですよ。
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